「個人的な事情」?

前回記事にて、産後の生活ってこんなかんじなんだよということがなぜこんなにも知られていないのか、ということを書きました。

もうすぐ産後生活に突入することが分かっている妊婦ですら産後はじめて現実を知り「え?」となるのに(前々回記事参照)、妊婦以外のみなさんがどうして知りようがあるでしょう。

しかし、産後ってこんな感じ、子育てってこんな感じ、それから、妊婦ってこんな感じ、ということも、みんなもっと知っておいて良いことだと思います。

これから妊婦さんになる可能性のあるひと、パパになる可能性のある人はもちろんですが、自分には縁がなさそうだという方でも、今後は、部下や上司や同僚が妊婦や産婦、ということも当たり前、ってな時代になるかもしれませんし、そういうひとたちの「個人的な事情」もちゃんと頭に入れてマネジメントする技能はあって損するもんじゃありません。


というかですね。「個人的な事情」。これってほんとに「個人的な」事情なのでしょうか。

私自身は、二度とも会社員として妊娠出産しておりますし、今も時短勤務しているのですが、こうなってくると、これ、ただの私のプライベートイベントじゃないような気がしてくるんですよね。

だって、私がいつから産休に入るか、いつ復職するか、いつまで時短勤務するか、そういうことって、周りの人からしたら負担する業務量とか内容とかにかかわる問題なわけで。(私ができない分の仕事はだれかに負ってもらうことになるので。)

私の個人的なことだから、みなさん気にしないでねって言うわけにもいかないし、そういう問題じゃありません。

例えばですが、個人的な事情だからって、妊娠をいつまでもひたかくしにする女性社員がいたら、たぶんそっちのほうが迷惑ですよね。

そう考えると、むしろ、「個人的な事情」をどんどん周りに公表していったほうが、周りからしてみても助かるくらいなのじゃないか?という気がしてきます。


また、「個人的な事情」と「そうでない部分」を分けるものはなんなのか、そもそも分ける必要があるのか?ってことも不思議です。

妊娠出産、子育て、介護、家事、看病、それに、趣味とか、恋人とのデートとかも入れてもいいと思いますけれど、とかその辺のことを、「個人的な事情」「私的な部分」といって、「仕事」という「公の場」から無理に切り離し、時に、一段低く見るような考え方って、正しいんだろうか?

仕事よりプライベートを優先するなんてけしからん、てな考え方もありますけれど、そもそも、仕事とプライベートってそんなに分けて考えられるものなんでしたっけ?

誰にだってプライベートはありますし、「事情」を抱える時期が全くない職業人生なんていうのもありえないのではないかと思うけれど。


と、いうわけでようやく話は戻るのですが、仕事などの「公」と、個人的な事情たる「私」を分けて考え、しかも、「私」の部分があまりにも軽視されている傾向が、「産後の現実が知られていない」ことの原因の一つではないかと思うのです。

・・・あれ?今ちょっと論理が飛躍しましたかね。

長くなってきてしまったので、続きはまた今度。