Yondaful Days!

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ラノベ初体験〜谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

いわゆるラノベを読むのは初めてだと言っていいと思うが、さすがに有名作品だけあって、普通の小説を読むのと比べて全く違和感なく読めた。また、最近続けて読んだ学園物の中でも、テンポよく話が進み、やや類型的に過ぎるキャラクタも、突き抜けている展開の良さが際立つので気にならなかった。
そもそもこの小説は、第8回スニーカー大賞の<大賞>受賞作。先日読んだ米澤穂信氷菓』は、その姉妹版?(現在は統合)に当たる角川学園小説大賞の<奨励賞>受賞作なので、それよりも面白いに違いないし、実際面白かった。(どちらも高校入学後に、主人公男女を中心に作ったサークルが舞台。学園物の鉄板の設定なのでしょうか)

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい」

伊藤計劃『ハーモニー』にも引用?された、あまりにも有名なこの台詞。このセリフから、主人公(男子高校生キョン)が、破天荒な女子生徒に巻き込まれて、学園生活にとんでもないことが…という展開を予想したが、それは中盤で見事に覆される。
実際には、涼宮ハルヒだけが「進行している事態」に気づかないのだ。ハルヒが暴れまくるSOS団の活動は実は「ごっこ」で、実際のストーリーが進行するSOS団以外の世界の二つで話が進んでいくという、設定上のちょっとした仕掛けは、次巻以降でどのように使われていくのか。この巻だけでも十分に楽しめたが、続刊以降に期待したい。(アニメは、その後で)