同じ空を見上げているよ。


おとといみくしをあけて飛び込んできたニュースに目を疑った。信じられない 信じたくない。だれかにうそだと言ってほしかった。質の悪い冗談だって思いたかった。呆然として意味がわからなくて頭の中でいろいろなことがまわって、それが事実だということ、現実だということを受け入れざるを得ないことに目の前が真っ暗になった。理解したくないけど理解するしかなかった。


志村くんがいなくなったということ。


わたしはわたしが思っているよりも、フジファブリックの音を愛しているんだなあって思うときが何度もあったんだ。毎日彼らの音を聴くわけではないし、熱狂的に追いかけるわけでもないけど、彼らの音は一瞬で別世界へ連れて行ってくれる。たくさんのイマジネーションをくれる。なんだかむねのなかがざわめくような、ときめくような不思議な感覚をくれる。5年前の春に彼らの音に出会ってから、その存在はどんどん揺るぎないものへとなっていったんだよ。
ライブもたくさん行ったな。おとなりの街がかとうくんのお膝元だったということもあってか、そこでやるライブはいつでもあったかい空気が流れていたような気がする。元々前に出たがらないかとうくんが、真ん中でV字ジャンプを繰り出したりたどたどしいMCをする姿を、とてもやさしい顔で見守っていた志村くんを今でもちゃんと思い出せるよ。彼らのライブはめくるめく世界へ誘ってくれて音の渦に飲み込まれるような感覚になる。小さなライブハウスやフェスの大きなステージ。いろんな場所でたくさん彼らを見たけど、どんな場所でも彼らは変わらずいつだってほんとうに楽しくてしあわせな時間をくれたなあって。見るたびあたらしい発見があった。
こうやって書いていてもいまだに志村くんがこの世界にいないなんてこと、まだ信じられない。あの飄々として凛とした空気をまとった佇まい。まっすぐ前を見据えて歌う姿。ギターをがむしゃらにかき鳴らしているときのこどもみたいな無邪気な顔。うつむきながらはにかむ横顔。うつくしい言葉を紡ぎだす人。
なんて神さまは残酷なんだろう。こんなにも音楽を愛していて才能あふれる人がいなくなるなんて、そんなのひどすぎるよ。もっともっと彼の創り出す音に出会いたかった。もう・・・叶わない願いだけど。。。
きっとずっと、彼の音楽はみんなの心の中で鳴り続ける。もう会えなくても、いろんな場面で彼の音は流れ続ける。ずっと忘れないよ。音はちゃんとつながっているから。
ありがとう。