Angel Beats!第五話における、天使のモブキャラ化と唯一性の堅持〜Angel Beats! 考察

 第5話ですが、衝撃的でしたね。今まで、特に天使についての考察が根底から覆されてしまったような、そんな気分さえ味わってしまうくらいに強烈な一撃を食らった感じになりました。天使ちゃんマジ天使。

 天使が天使たり得なくなったような、力を失ってしまったような、そんな回で、天使が神に近い存在ではなく、一般生徒に近い存在だったということが判明したことが、一番の驚きだったと言えるのかもしれません。
 さて、この第五話を見ていて感じたのが「天使は特別な存在なのか否か?」と言うことです。もちろんここまでの天使は確実に特別な存在なのですが、生徒会長と言う肩書き(役割)を外された彼女が、これまで同様に特別な存在でい続けられるのか、あるいはモブキャラ化してしまうのかどっちなんだろう? と言う疑問が湧いてきました。
 まあまだ全然まとまっていないので、ほぼ抜き出しての羅列になってしまいますが、それでも頭を整理して考えるべき時なんじゃないかなあと思いますので、ちょっと立ち止まってみたいと思います。


◆天使のモブキャラ化
 第五話を見ていると、天使が一般生徒に近い存在、むしろ生徒会長と言う肩書きを当てられた一般生徒、だということを強調する描写が多かったように思います。
 そしてこれまでにも、それを匂わせる描写はいくつかあったんですよね。例えば、天使の部屋の描写。普通の生徒と何ら変わりない、女子寮の一室でしたよね。また第三話で、一般生徒にガルデモのチラシを撤去していることについて責められたりしていると「まるで悪役ね」と一人つぶやいていたりもしてます。また、その三話でガルデモのライブ中に、一般生徒が教師と対立したりと、天使が特別な存在でNPCを統率している……というわけではないらしい描写がいくつもありました。
 つまりは、天使は一般生徒が生徒会長という肩書きを持ったことで、その役割を果たしていただけ、とも取れるわけです。むしろこの五話ではそれを強調してましたよね。
 天使は、教師たちをコントロールしていたわけではなく、単純に生徒会長として校内の秩序を守るために、自身の肩書きや教師への信頼度を使って教師に忠告したり、一般生徒に校則を守るように言ったりしていただけなんだろう、と言うことになってしまうわけです。
 となると、自律的な行動をしている戦線メンバーに対抗しうる存在、という前提が崩れてしまうような気がしてしまいますよね。少なくとも、戦線があれだけの組織を使って潰しにかかっていた存在、と言うのにはあまりにもちっぽけ過ぎたと言うか。第五話の最後の部分で、新生徒会長(代理のはずですが)が組織を利用して戦線を拘束しようとしていましたが、天使はそういうことをしていなかったんですよね。それを考えても、天使がゆりっぺたちにしていたことはそれほど大きなことでも無く、むしろ大きくならないように調節しながら動いていたようにも見えてしまうわけですが……。
 ともかく、第五話の前半部分で、天使が教師に対して「生徒会長たるよう」努力して成績を上げようとしてる姿と、その後の教師に呼び出されて怒られた(?)り、解任された後の力の落ち方など、その姿はモブキャラが肩書きをもらって特別な存在に祭り上げられてしまった、としか考えられないわけです。

◆それでも残る、天使の唯一性
 じゃあこのまま、天使は「たちばな かなで」という名前の一般生徒に落ちてしまうのか、特別な存在でい続けられないのか? という疑問が湧いてくるわけですが、これはどうでしょうか? 流石に、生徒会長として動いていた部分については、大幅縮小と言うか、ほぼ戦線に対抗する存在としての役割は終えてしまった感があるわけですが、ならこのままメインキャストから外れてしまうのか……とも思えてしまうのですが、そこにも疑問を感じてしまうわけです。というのも、まだまだ天使は天使足り得る存在だと言うか、それでも一般生徒とは全く異なる特別な存在であることには間違いないわけです。
 第五話の後半部分からだけですが、例えばライブ会場(食堂)にフラリと現れるところです。あれって違和感を感じませんか? 例えば、何であのタイミングで訪れたのかとか、一般生徒と逆行していたのかと言うことなどです。
 そもそも、天使にはライブで盛り上がる一般生徒が見えていないのか? とか、ユイたちの歌声や演奏が聴こえていない可能性があります。何せ、ライブに対する興味がなさすぎると言うか、「かなで」という名前に似あわず反応しなさすぎなんですよね。
 これは、自分の奏でる音以外は音じゃないからなのか、あるいは自分が派遣した(?)ユイが歌っているからなのか(以前の考察参照:http://d.hatena.ne.jp/rikio0505/20100427/1272377935)、生徒会長から外れてNPCのように一定の行動をし始めたのか? など色々と思いつきますが、決め手はありません。
 ただ、一般生徒とは異なった行動をしている、と言うことだけは間違いありませんよね。一般生徒ならライブの盛り上がりに誘導されて熱狂するだけなのに、天使の行動はそんなガルデモには全く反応せず、ただ食堂にご飯を食べに来ただけなんですよね。一般生徒とはまるで違う単独行動をしてるわけです。しかもマーボー豆腐という、誰も頼まないレアメニューを頼むと言う。
 個人的にAB!を観る上でずっとテーマにしている「イレギュラーか日常か?」という括りで見ると、天使はひとり日常を演じているようには見えますが、集団から見ればイレギュラーそのものなわけです。特に一般生徒たちからは見えていないような描写ですが、戦線メンバーから見れば確実に、天使はイレギュラーな行動をとったと見えているわけです。最悪なケースとして、生徒会長の肩書きはとれたものの、今まで「生徒会長」ということで異端視されていたことが残っていて、天使がぼっちになっているだけ、という解釈も取れます。そもそも天使と戦線メンバーとの戦いは何で起こったのかとか、戦線は仲間がたくさんいるけども天使は一人(友達と呼べるキャラがいない)なことを考えると、天使はひとり一方的にいじめられていた、ともとれてしまうわけですが……。
 ともかく天使(かなでちゃん)は、モブキャラに成り下がるようなことにはならず、これでもまだまだ特別な存在であり続けるとは思います。音無がずっと天使寄りの行動を取り続けてますし、仲間にしたいと言ってみたりしているので、新生徒会長との戦いが、天使の今後の位置を決めていくことになりそうですね。ぜひ出番を増やしてもらいたいものですがw


 まあこの辺の天使の考察は、第六話のOPを見れば全て解決する問題なんですけどね(汗。天使が変わらず奏でるのであれば、やはりAngel Beats!のAngelは天使のままなんだ、と言うことになりますし、ユイVer.に変わるとしたら、天使(役)の交代があるのかと思ってしまいます。全ては1週後には判明することになりますが(わからないままかもしれませんけど)、さてどうなりますやら……。
 

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