恋愛のディスクール・断章

恋愛のディスクール・断章

恋愛のディスクール・断章

恋愛のディスクールは、これをとりまくもろもろの言語活動から完全に見捨てられている。無視され、軽んじられ、嘲弄されて、権力はおろかその諸機制(科学、知、芸術)からも遮断されてしまっている。このように、一個のディスクールが、その本性ゆえに、現実ばなれしたものとしての漂流状態に陥り、集団性の埒外へと運び出されるとき、かかるディスクールに残されているのは、もはや、ひとつの確認の場(いかに狭小なものであれ)となることでしかない。