中山公園

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チャイナタウンの散策のハイライトは孫文を記念して作られた中山公園(578 Carrall St)。この庭園は明朝(1368−1644)時代の蘇州で花開いた作庭技術の伝統を忠実に再現したもの。中国以外の場所で作られた、最初の本格的な明朝様式庭園と言われている。造園技術者も材料のほとんども中国から運ばれたもので、技法や道具も伝統的なものが使われたそうだ。
 一歩庭に入ると、中国古典の世界へタイムスリップしてしまったような気がしてくる。竹の葉がかすかに風に揺れる音、小さな滝、回廊に差し込む柔らかな日の光など、どれも心をふんわりと包んでくれるようだ。雄大な中国の自然を凝縮して描写した岩石は、想像力を心地良く刺激してくれる。まるで深い山や大きな海が目の前に広がっているかのようだ。雪景色の美しさなら、おそらくここがバンクーバーで一番だろう。春先の梅の時期、青葉の頃、そして秋の紅葉もすばらしい。
 中山公園は有料だが、すぐ隣にも池をめぐる庭園があり、こちらは無料。中山公園の水上亭からこの池を眺めるのも楽しみだし、反対に池の側から中山公園の建物を見渡すのも味わいがある。