年の暮れ

2005年も残すところ本日のみとなりました。
今をさること7年前、1999年の新年に、日本総研の山田久氏の手になる『大失業−雇用崩壊の衝撃』という本が刊行されました。

大失業―雇用崩壊の衝撃

大失業―雇用崩壊の衝撃

なかなか刺激的なタイトルのこの本、「日本の労働市場アメリカ型に改革しなければ、2005年には完全失業率は9.5%に達し、失業者は650万人にのぼる」と危機感をあおり、当時はけっこう話題になったと記憶しています。
さて現実に2005年が暮れようとしていますが、実際の2005年の失業率は4%台なかば、失業者は300万人台のはじめの方というところで落ち着くのではないでしょうか。もちろん、日本の労働市場は日本型のままです。まあ、この程度のことは世の中のあちこちで行われているでしょうし、あてものというのはなかなか難しいということなのでしょう。
それはそれとして、バブル崩壊の甚大な痛手と、それに続く長きにわたる経済不振のなかでは、こうした言説も多々述べられました。それを思うと、一時の欧米諸国のように失業率が10%にのぼるということもなく、失業者も言われるほどに(当時、過剰雇用がどれほど大きく推計されていたか、もう忘れられているでしょうが)増えることもなくここまで乗り切ったというのは、わが国の企業、行政、社会はなかなかよく健闘したといえるのではないでしょうか。
そんなことを考える年の暮れでありました。


いつのまにか、ブログに移行して1年が経過していました。なんとか原則平日毎日ペースを維持していますので、来年もぼつぼつと書いていこうと思います。
よいお年をお迎えください。