恩田陸「蛇行する川のほとり」

蛇行する川のほとり

蛇行する川のほとり

1年以上前に、「蛇行する川のほとり」は読んだけど、1冊のハードカバーになってたので、図書館で予約して借りてきた。
大まかな話はもちろん記憶にあったのだけれど、読み直してもやはり面白い!
3章+終章での構成で、章ごとに視点が変わる。みんな女の子の視点、ってのも男の俺が読んで面白いと感じる要因なのかもしれない。もちろん、女の子だけしか出てこないわけじゃない。
あらすじとしては、秋に開かれるお芝居の為に夏休みに舞台背景を描くために、3人の女の子が集まる。そこで、昔起きた奇妙な事件の謎がが次第に紐解かれてゆく・・・みたいな感じかなー。文才無いのでうまく説明出来ないorz
イメージとしては「木曜組曲」みたいな感じかもしれない。
各章の終わりはどれも衝撃的だけれど、特に2章が・・・!3冊に分かれている時、大急ぎで3章(その時は3冊目)を読み始めたっけ。内容知ってても、その衝撃は健在だった。
終章を読み終えての読後感は、あぁー・・・やっぱりそうか!みたいな感じでスッキリ。




恩田陸の本の心地よいスピード感をこの本でも感じられて良かったなぁ。先が気になってたまらなくなってしまうところも流石。2日、5・6時間くらいで一気に読み終えてしまった。
やはり恩田陸天才に違いない。少なくとも俺の中では。
これほど感覚が合う作家は居ないぜー。
恩田陸の著書が手には入ったら、他の全ての娯楽を越えて、恩田陸の本を読まずには居られなくなってしまう。そのくらい神。


「蛇行する〜」で気に入った記述を忘れないようにメモ。

夏休みの入り口が幸せなのは、何かができるからではなく、何かができるはずの時間があると信じられるからなのだ。


大人なんか信じられない。
そう言うこと自体、大人に甘えているということに全然気が付いていないのだ。
本当に信用していなければ、自分が信用していないことすら相手に教えないし、気付かせもしない。
それが「信じていない」ということなのだ。


恩田陸、「蛇行する川のほとり」