またまたしつこいようですが。

小論文を学ぶ―知の構築のために

小論文を学ぶ―知の構築のために

繰り返し読んでます。僕の頭では1,2度読んだくらいでは咀嚼できませんので。

この本は本当に良いですね。「知の構築のために」も大学生にもお勧めです^^

ゆとり教育。

ゆとり教育という名のもとに基礎知識を大幅に減じてゆく手法は、単に知識は少なくてもよいということを主張しているのではなく、文部科学省自身が教育プログラムの立案から撤退する意思表示だと解釈するのが妥当である。これからは脱中心化の時代であり、各自が己にとって最適プログラムをみずから開拓してゆくしか生きる道はない以上、それは仕方がないことである。
 「生涯教育」という言葉があるが、これは単に教育を受けることができる期間が青少年期から一生涯に延びることを意味する言葉ではない。そうではなく、教育の機会や教育の方法が各人各様に多様化し、それぞれのプログラムにしたがって自律的な学習を果たすことができることを意味する概念である。いつでも、どこでも、どのようにでも、教育を受けることができるというほどの意味だと思っておけばよい。そうした時代は、また別の観点から見れば、自己組織化の時代でもあるといえる。自分のどういう能力をどのように開発していくかを自分で立案する時代である。これは個性化と表裏一体のことである。

「小論文を学ぶ」より。