モーターが天使の首を引きちぎり彼女は濡れた瞳で垂れ流す

●同僚に北海道土産のクリオネキャラメルをもらった。コリコリしたナタデココのようなクリオネが入っているキャラメル、なのかと期待してたが、何も具は入ってない・ごく普通のおいしいミルクキャラメルだった。残念。

 それを見ていた、別の同僚が、
クリオネ…イヤな思い出しかない…」
という。聞けば彼女は学生時代、水族館でバイトしていたのだそうだ。その水族館ではバレンタインやクリスマスなどロマンチックなイベントの時期には“流氷の天使”クリオネを北海道から取り寄せ、展示するのが慣習だった。しかしクリオネは水槽にそのまま入れてるだけでは動きが地味で受けが弱い、そこでモーターを使って強めの水流を作り、機敏な動きを演出していたらしい。しかしそんな北国育ちの無垢な天使たちは激しい流れに逆らえず、モーターに巻き込まれブチンブチンちぎれ、数十匹いたのがやがて2匹まで減った。それでも展示期間は残っているので無理矢理モーター回し続けていた。
「死骸がそのまま浮かんでいても水流で巻き上げられ泳いでいるように見えたから…」とのこと。

しかし迎えた観客=ラブラブカップルたちは、自分たちの世界ドップリで、自分たち以外の誰が死んでても関係なかったようで、心臓の抜けた・頭のモゲタクリオネたちをろくに見もせず水槽前でいちゃつき
クリオネ★かーわーいーい★」
「お前の方が☆かわいいよ☆」
等のたまってたそうである。エゴエゴアザトク。

●帰り遅くなったら、電車のホームには酔っぱらいが溢れてた。赤ら顔のオヤジ80%のななか、独りメーテルチックな酔っぱらい美女が紛れていた。彼女の白い肌ははたからみて明らかに部分的に好調し焦点が合ってない目は潤み人々の流れを、うっとり眺めている。上唇のめくれた口唇は気持ち良さげに半開き、ぼへっと小さく微笑んでいる。格好は真面目そうなかんじだった、いつもはこんな顔しないんだろうな。ちょっと間抜けだけどエロかわいい、と思いながら通りすがり、私も思わずみつめてしまっていたら、彼女と目があい、フッと笑い掛けられた…私が拉致魔・監禁王子じゃなくてよかったね。だめだよ美人がそんなに無防備に垂れ流しちゃ。