ブラザーフッド

meimeiさんの映画評に魅かれて、見ました。
見終わった後、少し違和感がありました。それは妻と弟、選ぶことは本来はできないのですが、どちらを優先するだろうかということです。戦場に赴く兵士の心を繋ぐのは郷里に残した妻か母、そういう映画を見すぎたからでしょうか。兄弟愛というものを、ここまで激烈に描いたものを見たことがありませんでした。
もしかしたら、文化の違いなのでしょうか。それとも南北に引き裂かれた民族を、兄弟として暗喩しているのでしょうか。まぁ、兄弟愛を中心に据えたからこそ、自国の反共イデオロギーをも相対化し得ている、ということはあります。さらに、同じ民族を憎んだ心根を見つめて、自国は戦争の被害者であるだけではなく、踊らされた加害者でもあるという視点までも持ちえている。
資本主義対共産主義の構図は、ここ日本にいると、もう終わったように思っていましたが、隣国は今なおその問題に取り組み続けなければならない、戦争と平和についてより深く考え続けているのだという事実を、この映画のおかげで知ることができました。