Kさんのフラフラ日記(13)『元気をうみ出す農場』

元気をうみ出す農場


 今日も晴れていい天気。午前中、読谷の無農薬・有機農家(ハルサー=畑人)、当真さんの農場にお手伝いに行ってきたさぁー。
 この日は、関西の中学生40人が修学旅行で紅芋掘りに来ていて、そのお手伝いです。いつも接していた高校生以上にテンションが高く、やや面食らってしまいましたが、当真さんの指示に従って、畝に一列に並んでもらい、芋掘りスタート。最初は「えー、ここをスコップで掘るの?」って、引き気味の子どもたち。それでも、最初の一個を見つけると、なんだかワクワクして来るみたいで、凄い集中力で、どんどん掘っていきます。あまり土に触れる機会のない都会の子どもたちは、土の感覚が新鮮みたい。先日読んだ平和学の本に書いてあったエクスポージャー(触れる・体験する)型学習という奴なんでしょう。なんだか、妙にうち解けて、会話も弾み、目の前にいた女の子たちが、僕に話しかけてきました。「おいちゃん、このツルって、芋のツルなん?」「そうだね。その先にたぶん芋が植わってるんだよ。(あのーどうでもいいけど「おいちゃん」って呼ばれるのはけっこうショックなんだけど)」「あっ、おいちゃん、ミミズだ。あっ、ここにも!」「そうだね。無農薬で有機だから、ミミズも生きられる。それだけ安全でいい土だということだね!(その「おいちゃん」を何とかして…)」
 それから農場の作業場で、とりたての紅芋をスライスして、油で揚げ、各自おみやげの紅芋チップスを作ります。これも、わいわい言いながら実に楽しそうです。一通り作業が終わると、試食の時間。当真さんの農場には、馬が飼われていて、子どもたちはその馬たちとたわむれながら、揚げたてのチップスやふかし芋を頬張っています。緑の大地と青い空、、サトウキビの畑を風がそよぎ、遠くにはエメラルドの海がキラキラ輝いています。くつろいでいる時間は20分程度でしょうが、なぜか時間がゆったりと流れている感じです。
 中学生たちは、おもいおもいに馬とか海をバックに記念撮影をしています。そんな中、さっきの女の子たちが僕に「おいちゃんも、一緒に写真とろう」とよってきました。僕は思いきって「沖縄ではお兄さんのことをニーニーというんだよ」と返してみましたが、あっさり流され「ニーニーって映画の『涙そうそう』みたいだね。おいちゃん」。もうあきらめました。そうそう、もう「おいちゃん」を自覚しなくちゃいけない歳なんだから、免疫をつくっておかなくちゃね…。
 さて、当真さんの農場は、たくさんの作物と一緒に、たくさんの元気を生み出しています。かつて農場体験を通して、家にこもりがちだった寡黙な子が活動的に笑顔を取り戻し、障害をもつ子どもたちが馬と触れあうことで元気になったりしています。「ナウシカ」や「ラピュタ」じゃないけど、やっぱり、人は大地とともに生きる生き物だということなんでしょう。
当真さん夫婦と修学旅行の先生・中学生たちに感謝です。にふぇーでーびる(K)



ほくほくの紅芋と揚げたてのチップスをいただきました。しあわせー!