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it’s a small market このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2016-05-25

プリンスに頭を叩かれた

『プリンスとデヴィット・ボウイからはじまった音楽ストリーミングサービス』というTechCrunchの記事を読むまで、プリンスが音楽ストリーミングサービスに積極的であったことを知りませんでした。


彼の訃報が伝わった時、またひとつ貴重な宝が地上から消えたという想いで残念で仕方がなく、アルバム『Purple Rain』を車の中で大音量したりもしましたが、それは、居間のラックから取り出したCDを車のオーディオシステムへ挿入して耳へ届けたサウンドでした。記事によると、彼が最初にストリーミングサービスに表立った動きを見せたのは、ファンのために2001年にスタートさせたオンライン購読型の音楽クラブ「NPG Music Club」」だったといいます。思い返せば、デビューアルバム『For You』から始まってぼくが熱心に彼の音楽を求めていたのは1991年の『Diamonds & Pearls』まででした。彼が来日すると聞けば東京ドームのライブに連日足を運んだりしたこともありましたが、90年代以降は音楽トレンドそのものに無頓着になってしまい、彼のストリーミングへの取り組みに気づくこともなかったのです。


そんな調子なので、今でもぼくは、ストリーミングというものに慣れ親しんでいません、いえ、使っておりません。音楽があれば生活が豊かになるとは思いつつも、月何百円かをケチっているわけで、まあ、なんという寂しい心。。。


デジタル変革の時代には、それに相応しいアートとの付き合い方があるはず。かつては実現しえなかった利便性だけではなく、消費者とアーティストの関係性もまた、デジタルによって大きく変化しているはず。それを体験もせずに遠ざけちゃいかんですよね。老いというのは好奇心の減退によって進行するものだと思っているので、ちょっと頭を切り替えて飛び込んでみますか。

2016-04-28

ダイエー碑文谷店、閉店!


ダイエーの碑文谷店がこどもの日に閉店すると聞いて、びっくりとショックで声を上げてしまいました。


「ダイエー碑文谷店」営業終了へ 旗艦店41年の歴史に幕 | 自由が丘経済新聞

http://jiyugaoka.keizai.biz/phone/headline.php?id=1414


ダイエー碑文谷店がオープンした時、近くに住んでいた小学生のぼくは、まーこりゃすんごいスーパー?デパート?ができたもんだなあ、と心踊ったことを覚えています。外の景色を見ながらト上り下りできるガラス張りのエレベーター、ハンバーガーという名のハイカラな食べ物を出してくれるドムドムバーガー、とてつもなく広く感じたフロア面積、どれもが未体験ゾーンのモダンな建物で、週末ともなると意味もなく通っていた気がします。ぼくにとってはちょっとした遊園地みたいなものだったんですね、きっと。たった40年とちょっと前のお話です。


小学校6年の時に引っ越してからは足を運ぶことはありませんでしたが、時折使う東横線の車窓から見えるそのお姿をいつも懐かしい心持ちで眺めておりました。


41年間、お疲れ様でした。

2016-04-15

あらためて、とんかつ丸五について語ろう

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ぼくが最も愛する秋葉原の『とんかつ丸五』が今年の食べログアワード(JAPAN RESTAURANT AWARD)のとんかつ部門で見事第3位を受賞していました。栄光の記念盾(上の写真)は、食べログから頼まれたので仕方なく…とでも言わんばかりの扱いでレジ横にワインやビールの瓶の後ろにひっそり立てかけられていたものだから、今年に入って4度目の訪店でしたが今まで気づきませんでした。(上の写真は、それらの瓶をわざわざどかしていただいて撮影したものです)


第1位が高田馬場の『とん太』、第2位が同じく高田馬場の『成蔵』、に続く第3位ってことで、個人的には丸五が最高位ではありますが、とん太も成蔵もすばらしいとんかつを出すお店だと思います。奇しくもこの3店は衣が金色で味わい優しいロースが特長の「じんわりまろやか系」のとんかつ屋さんです。

過去の関連エントリー:

高田馬場にはとんかつの名店が多い! 〜 『とん太』(高田馬場)

極上とは何かを問うとんかつ、『成蔵』(高田馬場)


さて、ぼくの中での第1位、丸五についてあらためて書いておくことにします。


もうこの店に何十回通ったか覚えていませんが、ここのとんかつの最もすばらしいところは、「見事なまでに軽く儚げな黄金(こがね)色の衣」と「芸術的にみずみずしく麗しいロース」です。

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おいしい肉というと「ジューシー」な「肉汁」を思い浮かべる方も多いと思いますが、ぼくの感覚では、ジューシーな肉というものは脂(あるいはジューシーさを演出する何か別なもの)が過剰で、自身の味を強く主張する肉、なのであります。良し悪しではなくて、個人の好みとして、ぼくはジューシーな肉にあまり魅力を感じません。ときに丸五のロースかつは、肉繊維の隅々にほんのりとした甘みが絶妙な分量でしみわたっていて、包丁を入れてもそれが漏れることがありません。口の中に運んで噛み続けることによって徐々に、控えめに、その味わいが広がり、舌の上で甘みを保ちながらゆっくりと肉が溶けていくのです。決して急がず、主張もせず、かといってあっさりしているわけでもなく、じんわりと、ひたすら丁寧に、まろやかさが伝わってくる、そんな仕上がりです。


がっつりとした「トンカツ」を好む方は満足感を得ることは難しいと思いますが、やさしい「とんかつ」を楽しみたい方には至高のロースと断言できます。丸五には上位メニューの『特ロース』がありますが、ぼくはいつも標準の『ロース』です。一度食べただけだとちょっと物足りないと感じるかもしれませんが、何度も足を運ぶとその味わいの奥ゆかしさがだんだんと見えてきます。本物です。


そしてそんな神業的なバランスを持ったロースをやさしく包むのが、ひたすら存在感を消して脇役に徹する衣。丸五のロースをいただいていると衣のことをすっかり忘れてしまうのですが、この衣に包まれて揚げられることによってあのロースが完成するのだろうな、と後からじわじわ感じ入る、ふかふかでさらさらでフェザータッチな衣です。


和食のすばらしさ、奥ゆかしさは、素材のおいしさを究極的に引き出す極意にある、だと思っています。素材が本来持っているおいしさに到達するために、余分なものを取り除いたり、磨きをかけたり、温めたり、冷やしたり、他の食材と会話させたり、、、。そんな過程を通じて浮かび上がってくる和食の神秘をとんかつという料理を通じて楽しませてくださるのが丸五さんです。