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2015-01-21

「SAP本」へのお誘い

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2014年、その年末も押し迫った砌、「SAPの"いま"」を伝えることを目指した本が出ました。日経BPビジョナリー研究所さんによる書籍ですが、SAPジャパンの多くのメンバーも参加したちょっとしたプロジェクト(社内コードネーム「エスエーピーボン(SAP本)」)から生まれた、その名も『SAP 会社を、社会を、世界を変えるシンプル・イノベーター』。


まえがきでは、本書はいわゆるIT本や技術書の類ではなく、IT知識がないビジネスマンを想定して書かれたとあります。ところが一方で、上で述べたように「SAPの中の人」が様々な形で支援に入っているということもあって、本書の一関係者でもある自分から見てもなかなかチャレンジングな企画だったなと思います。なぜなら、この手の本づくりにおいては、関係者の関与が大きくなればなるほど「中の人が言いたいこと」すなわち中の人目線での総花的で宣伝調な内容が色濃い書籍になりがちだからです。実際、読み終えてみてそういった面がまったく感じられなかったと言えば嘘になりますが、それでもなお、SAPをよく知らない人、あるいは、知っているつもりでも「SAP = ERPの会社」と思っている方々へは、ぜひ一読をおすすめしたい、そう自信を持って言えます。


この本を読むと、以下のことがわかるようになります。

  • SAPとは何者か (企業紹介)
  • グローバル視点で見たSAPのポジション (どれだけの企業に活用され、どれだけのブランド価値があり、どれだけの「大きさ」の会社なのか)
  • SAPはもはやERPの会社ではないこと (じゃあいま何やってんの?どんな製品やサービス、活動をしているのか、の全容)
  • SAPのビジョン (どこへ向かって、何のために存在しているのか)
  • 会社を、社会を、世界を変革していくためにITが果たす役割やあるべき姿と、そこに対するSAPの考えと取組み、実績 (未来を見通してみる)

本の構成としてはChapter 1から9までという章立てになっていて、順番に読んでいけば上記のすべてがよくわかるようになっていますが、必ずしもChapterの順序にとらわれなくてもいいとぼくは思っています。「SAP」を理解しようとするとき、ぼくなら以下のような順番で読むかなあ、というごく個人的な切り口で各Chapterを整理しなおすと、以下のような5つの「群」になりました。この順で読み進める(あるいは興味のない「群」は後回しにするとか)のもいいかもしれません。


第一群:ERPの歴史とSAP 〜 Chapter 1、5

ITに従事する人なら大なり小なり知っている「ERP」。一方、業界外の方からすると何のことやらいまひとつわからないこのソフトウェアが、非常に明快に説明されています。ERPのあり様を解き明かすことはSAPの理念をひも解く作業とも言え、必読の章です。さらにここでは、SAPの他の重要な側面(サービスビジネス)や、ユーザー企業との愛と厳しさが同居する関係性なども紹介されています。またChapter 5では、SAPのアタマの中を覗き見ることができる「デザインシンキング(Design Thinking)」の説明と実例が続きます。

☆ERPを起源とする「The SAP」がわかる


第二群:広がるビジネスアプリケーションの世界 〜 Chapter 3、4

ERPやその他のITシステムによって管理される宝の山、大量の「データ」。これを十二分に活用するために近年SAPが拡大してきた事業領域とその価値について解説されています。ビッグデータ、モバイル、アナリティクスといったカタカナで表されるテクノロジーのビジネスへの活用や利用現場での意義について、実例とともに紹介されています。

☆ERP以外へのSAPの取り組みと広がり


第三群:クラウド 〜 Chapter 6、9

SAP社CEOのビル・マクダーモットによれば、「クラウド」の最もシンプルな定義は「ソフトウェアのすべての価値をサービスとして顧客が利用する方法」とのこと。ソフトウェアの価値をサービスとして提供、利用するクラウドは、単に技術が進化したという話ではなく、ERPが変革してきた企業の業務のあり方をさらにもう一段階高みに上げ、まったく新しい次元でテクノロジーの活用方法を世界ににもたらしました。これらの章では、技術論に偏らず、実業務での価値に焦点を当ててSAPのクラウドを語っています。

☆業務目線で語るSAPのクラウド


第四群:新たなビジネス価値を生む最先端テクノロジー 〜 Chapter 2

ここは他の章と比べて技術色が濃いです。なにせ最先端で超高速なナノでデジタル世界へのいざないを担った章ですので、ある程度は横文字、カタカナが増えてしまうのは致し方ないところ。ただ、ここで語られるSAPのテクノロジー(インメモリー/プラットフォーム)は技術的な優位性だけではなくて、その先進性が業務アプリケーションの効率化や高速化、さらには業務プロセスの変革までも引き起こしていく画期的なものであるという点で、IT従事者にはぜひ読んでいただきたいところです。

☆SAP HANAを掘り下げて縦書きにしてみた


第五群:ありのままのSAP 〜 Chapter 7、8

ここでは、「エコシステム」〜SAP自身のことと言うよりは、ビジネスパートナーや大学、スタートアップ企業との関わりや協業についてSAPの意外な側面もあわせて紹介されています。また、ドイツ発のグローバル企業であるSAPのビジネス文化や、「世界で一番最初にSAPを使っている」自分自身の製品利用とそのノウハウをサービスとして展開する話、さらには社会貢献活動への取り組みなど、バラエティーに富んだ内容でありのままのSAPを理解することができます。

☆SAPの素顔


以上、ご参考になれば幸いです。

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2015-01-16

時代劇映画にはまる。


海外出張の機内で鑑賞するのは「タダで観られるならチェックしておこうかな」という映画が中心で、普段お金を出して観に行くことの少ない、ちょっと安い感じのSFとか大ヒットしてるけど自分の好みとはチト違うかなという作品がほとんどでした。そういったぼくの機内チョイスにこれまで時代劇は入ってこなかったのですが、今週のシンガポール出張では他に目ぼしい作品が見あたらず、消去法的に時代物を観てみることにしました。


ところがです、これがいいのです、時代劇が。テレビでは、大河ドラマや勧善懲悪もの、江戸風情のほのぼの作品以外の時代劇にはあまりお目にかかりませんが、映画はいいですねー。


今回機内で鑑賞したのは、比較的最近の作品である『柘榴坂の仇討』(http://zakurozaka.com/)と『蜩ノ記』(http://higurashinoki.jp/)、それから少しだけ前の作品になりますが『最後の忠臣蔵』(http://wwws.warnerbros.co.jp/chushingura/)、の三作。たまたまこの三作をチョイスしたのがよかったのかどうかはわかりませんが、和洋問わず現代劇とは完全に一線を画す分野ですね、これは。あまりの感動に心を動かされ続け、行も帰りも涙で目が腫れてしまいました。


ひとつには、映像と音響。絵にしても音にしても、静と動がシャープに表現されていて、感情移入ならぬ情景移入しまくります。3D映画が小手先の技術を使って「立体感」や「奥行感」を表現しているのとは対照的に、これらの時代映画はどれも静と動を巧みに操って「臨場感」を作り上げ自分自身がその場にいるかのような錯覚を覚えるほど引き込まれていきます。とりわけ「静」の表現がすばらしく、たとえば『柘榴坂』では無音のシーンでひらひらと落ちてくる雪の「無音が聞こえる」ほどのリアリティー。映像内のすべての無生物から「無音の声」が聞こえてくるような映像美でした。


続いて心を打つのが、登場人物の「武士と死」に関する執拗なまでの誠実な姿勢。「主君のために死す」といった現代日本ではありえない価値観でも、時代を超えてわたしたちの心を打つのは、誠実さやひたむきさなのではないかと思います。『蜩』での主人公は自分の命よりもお家のために生きる、そのあまりの純真さに価値観は違えど感動の涙が自然と流れてきます。


あと1点、今回時代劇映画に心を動かされたのが、「英語の字幕」の存在。音声はもちろん日本語で聞いていたのですが画面上に英語の字幕が表示されるんですね、これがとてもいい体験になりました。時代劇を英語を通して観ることによって、逆に和の心をより深く知ることができる、そういった感覚を持ったのです。同じ日本語とはいえ時代背景が違いますから、登場人物の言葉を英語にするのは現代劇の翻訳とは異なる技術が求められると思います。この年にしてはじめて、翻訳っていうのはとてもすばらしい仕事だなあ、と発見した次第。


「映像と音響」、「純真すぎる誠実さ」、そして「英語を通じて和を知る」。まとめていい経験ができました。時代劇映画、いいですね。

2014-12-31

郵便ポストの場所を知る『ポストマップ』


年賀状を出そうといつもの郵便ポストを目指すと、、、ない! えー、ポストなんて、ほかにどこにあったっけ。普段ポストを意識して生活しているわけではないので、一瞬途方に暮れます。


そんなときに便利なサービスが、その名もズバリ「ポストマップ」。

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ウェブ版、スマホ版、そしてガラケー版も用意されているすぐれもの。クレジットを見ると2006年からサービス提供している模様です。利用者がコンテンツを作っていくタイプのサービスで、網羅率がすごい。国内の設置ポスト数の95%以上をカバーしているとのこと。


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スマホからマップを開いたところが以下。Googleマップにポスト位置が被せられています。ポストの場所を表すアイコンの色には意味があって、赤が通常のポスト、緑がコンビニ内ポスト、そしてグレーに表示されているのは廃止されたポストです。

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収集時刻の情報も載っていて便利。ユーザーによって投稿された写真やコメントもあります。

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当サービスの運営チーム(http://30maps.com/)の野望は同様のマップサービスを30個提供することのようで、現在12サービスまで紹介されています。

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「苔マップ」、「猫ちず」あたりが謎ですね。かなり趣味性が高いので、ご興味をお持ちになりましたらアクセスしてみてください。