井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

毒性の強いストロンチウム、横浜市が「公式」に検出を発表

先ほど、横浜市災害対策本部と放射線対策部が放射性のストロンチウム横浜市内でみつかった事を公表しました。

記者発表資料⇒こちら

この資料では、本日の対応として
ストロンチウムの存在が確認されたことを受け、横浜市災害対策本部放射線対策部会議を開催し、次の点を確認しました。
1 国(文部科学省等)に測定結果等の情報提供を行う。
2 国が東京電力福島第一原子力発電所から半径100kmで行っている、ストロンチウム等の調査範囲を本市内も含め拡大することを要望していく。」としています。

ストロンチウムとは、セシウム以上に毒性が強い放射性物質です。
特に体内に取り込んだ場合、排出されづらく、その多くが骨に取り込まれ骨の中の造血機能に障害をもたらし、ガンや白血病の原因になると言われています。
また、水に溶けやすいため、農畜産物を含めた生物濃縮がされやすい事も問題です。

このストロンチウムの検出は、港北区在住の市民が自宅マンションの屋上の堆積物を自主的に検査機関に出したところ195ベクレル/kgが検出された事から、横浜市としても「公式」の検査を行なった結果です。
今日の発表は、この屋上以外の2カ所、以前に高濃度のセシウムが出た検体についてですから、調査した3カ所全てからストロンチウムが出たことになります。

ストロンチウムは測定が難しい事を理由に、これまでほとんど調査されていませんでしたが10月6日、文部科学省福島第一原発から100Km圏内についての測定結果を公表しました。
この時に検出された最も遠い地点が福島第一原発から80Km。
今回の横浜市の検出地点は約250Kmです。
これまで「ストロンチウムは重いから飛ばない」などと言われていましたが、そうではない事が明らかになったのです。
横浜はむろんですが、東日本全体、また流通している食品についても、ストロンチウムの検査を急ぐべきだと思います。

昨日の決算特別委員会でも、私は質問冒頭でこのストロンチウムについて副市長に質問しました。

横浜市もこれまで議会の場で局長が「ストロンチウムは重いから飛ばない」と答弁し、議会側の調査要求を退けてきましたが、昨日の質疑の中でこれを修正、「放射能の知識を十分に習得していたわけではない」と弁解したのです。
この事は今朝の新聞でも報道されました。

知識が十分でないのに、これまでどれほど「安全だ、安全だ」と断言してきたのでしょうか。
危険性がある以上、それを避けるために、特に影響を受けやすい子ども達を、この放射能から守るために全力をつくさなければなりません。

昨日の質問では、この他に横浜市の学校給食の検査で干し椎茸から350ベクレル/Kgものセシウムが検出された問題、横浜市が現在堆積物の除去などを行なう基準としている0.59マイクロシーベルト/時が高すぎる問題などを取り上げました。
ぜひ、こちらもご覧下さい。

今回のストロンチウムの問題、第一報は大手メディアではなく、インターネットやメルマガで情報を発信している岩上安身さんの【IWJ】でした。

今日の横浜市の記者への説明の様子も録画をユーストリームで配信されています。⇒こちら

これからはこうしたメディア、そして今回のストロンチウム公式発表への流れをつくった市民の行動と情報発信こそが世の中を動かす大きな力になるという事も実感しました。