『捏造の世界史 人はなぜ騙されるのか』

奥菜秀次
祥伝社黄金文庫
ISBN978-4-396-31455-2
英米現代史における、事件の「真相」の捏造事件がいくつか書かれた本。
大体の傾向として、前半は、捏造に対する批判本、後半は、捏造事件に関する雑学読み物、といった本か。
ケネディ暗殺事件を扱ったテレビ番組に対する記述は、UFO番組に対する批判と同じようなものがあるし、特に前半は、似非科学に対する批判本、みたいなものを想定すると良い本だと思うが、似非科学批判本としては、罵倒芸等の練り込みが足りないような気がした。
捏造事件に関する雑学読み物としては、とりわけ後半はそれなりで、英米現代史の捏造事件を扱ったものはそうはないだろうから、読んでみても良い、かもしれないが、それを期待して読むには、前半は余りそういう本でもない。
合わせて一本という考えもできるだろうし、読み捨てのコンビニ文庫と思えば、こんなものかもしれないが、私としては取り立てて薦められる要素はなかった。
特に酷くはないが、別に良くもなく。
読み捨てるくらいのつもりならば、というところだろう。
メモ1点。
・日本のテレビ局のケネディ暗殺番組には、アメリカで普通に売られている本やDVDの情報を、新発見のスクープだと流すものもある。