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2012-02-07

メキシコ湾流は北極海を通過して太平洋に流れ込む?

f:id:satohhide:20120207113815j:image:leftメキシコ湾流が温暖化の影響で氷が解け、塩分濃度薄まる結果、沈み込まずに停滞してヨーロッパが寒冷化するという説が流布しているが、むしろさらに北上して沈み込み地点が北上しているだけなのかと思えて来る。今冬の北極海のバレンツ海の海氷は昨年12月(グラフ上)よりも今年2月初め(グラフ下)の方がむしろ減っているように見える。北極海の海氷は3月中旬ごろピークになるが、今冬の場合、一番増える時期なのにほとんど増えていないし、減っている部分もある。巷間言われているようにメキシコ湾流の沈降量が減っているのなら、むしろ海氷は張り出して来なければならない筈だ。現実は逆でバレンツ海の海氷は後退している。その分、海氷は太平洋への入り口、ベーリング海に張り出している。(参照)

f:id:satohhide:20120207113814j:image:leftということは、沈降しているのではなく、メキシコ湾流がさらに北上し、それに伴って沈降地点そのものが北に移動していると考えるのが自然だろう。

メキシコ湾流のグレートコンベアーベルト(GCB)が停滞したら寒冷化するという説は「デイ・アフター・トゥモロー」で映画化もされたが、根拠は1万年以上前に起きた淡水湖の決壊による急速淡水化説に依拠している。しかし、現在ではLake Agassizに相当する巨大淡水湖は存在しない。

その代わりにグリーンランドの氷床が解けてGCBが停まると懸念されているが、陸上に貯蓄された氷床は「北極の氷が溶け南極の氷が溶けない幾何学的理由」によって、海氷に比べてゆっくりしか溶けず、GCBを力技で止めてしまうようなインパクトはない。よって、GCBが一時的に停まるなんてことは今後もないだろう。

心配すべきなのはメキシコ湾流がそのまんま北上し過ぎて北極を通過し、ベーリング海から太平洋に流れ込み、これまでの海流の秩序が根本から変わってしまうことだろうか。そうなると、日本の東側を流れる寒流の親潮も温度が上昇するなんてことも想像され、世界的に気候が大変動してしまうかもしれない。

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2012-02-06

「東大話法」の淵源を辿ってみる

安冨歩氏原発危機と「東大話法」傍観者の論理・欺瞞の言語で展開された「東大話法」がスマッシュヒットしているらしいが、個人的には「以前聞いた話」というか既視感がある。

朝まで生テレビ」がまだ今ほどしおらしくなかった1987年から90年代にかけて、同じようなことが言われていた覚えがある。当時、週刊誌の連載4コマ漫画で朝生常連パネリストだった栗本慎一郎舛添要一らしき人物が「おまえはバカだ!」「おまえこそバカだ!」「ワァーー!」「ギャンギャンギャン!」と喚き合いしていた。

今から思えば、これだって「朝生話法」と言えるだろう。

さらに時代を遡れば、東大全共闘時代にまで逝く。あの頃のアジ演説やアジビラというのは東大話法の原型とも言えるから、「全共闘話法」と言い換えるのも可だろう。著者の言う「立場主義」も「我々は○○の立場から彼らを糾弾する」なんて言葉は有り触れた常套話法だった。

思えば、朝生で口角泡飛ばしていた多くは全共闘世代だったし、本書で一番の好例として取り上げられている池田信夫ブログのエントリーは前々から「まるでアジビラみたいだなあ」と思っていた。エントリーは変われど中身はほとんど同じことの繰り返し、書評だって結局、最後の三行でアジビラに変身するという芸まである。

最近では「トリックスターとしての山本太郎」というエントリーまで上げられているが、脇役俳優の山本太郎氏まで利用するというのは段々ネタ枯れの気配がないでもない。大体、山本太郎氏をトリックスターとするのはなんか間違っている。単に「道化」という意味のつもりらしいが、本来のトリックスターというのは、秩序破壊者であり、火を盗んだプロメテウスらに代表されるもの。原発話法で言えば、原発推進派にこそふさわしいとは思うのだけれど。気がつけば、池田信夫氏本人がトリックスターである可能性もあるとは言えないことは一概に言えない。

さらにさらに遡れば、京都学派が論争を巻き起こした「近代の超克」論争にまで行き着くのだろうか。著者の安冨歩氏が京都大学人文科学研究所(今様京都学派)出身、それに推薦文を贈っている小出裕章京都大学原子炉実験所助教となぜか京大話法vs.東大話法化している点でも、伝統は継承されているのかもしれない。

ちなみに安冨氏は元々アゴラ学派だったらしいが、脱北したらしい。そう言えば、当ブログでも「ほらほらアゴラが北朝鮮化してきた」というのを書いていた。

「前提は正しい事実認識です」とは、「前提は池田信夫の方針に沿った認識です」ということなのに、空気読めなかったらしい。よくある手口なんだね。「自由な議論」をリトマス試験紙にしてあぶり出す手口。

なんて書いていたのを思い出したのだけれど、今思えばこれも「東大話法」だったんだろう。

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2012-02-03

日本の存在感小さい「世界自然エネルギー白書」

自然エネルギー世界白書 2011

・米国では国内の一次エネルギー生産のうち10.9%を自然エネルギーが占め(原子力発電による電力は11.3%)、2009年から5.6%増加した。

・中国では系統連系型の自然エネルギーを29GW増やし、全体で263GWに達した。この総量は2009年に比べ12%増加であった。自然エネルギーは2010年の中国国内における発電容量の26%、発電量の18%、そして最終エネルギー消費の9%を占めている。

・ドイツでは最終エネルギー消費全体の11%を自然エネルギーが占め、電気消費量の16.8%、熱生産の9.8%(主にバイオマス)、輸送燃料の5.8%に相当する。風力発電が自然エネルギー発電量の36%を占め、続いてバイオマス、小水力、太陽光となっている。

・いくつかの国では、2010年度全体の電力需要における風力発電の割合が増加した。それぞれ、デンマークでは22%、ポルトガルは21%、スペインは15.4%、アイルランドでは10.1%となった。

中国は今や市場の成長を示すいくつかの指針でトップに立っている。2010年には風力タービンと太陽熱温水システムの導入量、また水力からの発電量においてトップであった。インドは風力発電の累積導入量では世界5位で、バイオガスや太陽光発電といった農村地域に適した自然エネルギー分野でも飛躍的な伸びを示している。ブラジルはサトウキビ由来の世界のエタノール生産量のうち実質的にほぼすべてを担っており、さらに水力発電、バイオマス、風力発電や太陽熱利用システムも導入している。また中東、北アフリカ、サハラ以南のアフリカ20カ国以上でも自然エネルギー市場は盛況である。製造における牽引役もヨーロッパから中国、インド、韓国といったアジア諸国へとシフトし、こうした国は自然エネルギーをますます推進している。このような市場や製造が地理的に分散することで、自然エネルギーはある特定の国の政策や市場の混乱に簡単には左右されないという信頼感が高まっている。

風力発電は38GW増加して合計で約198GWとなり、2009年の水準を保った。新設容量の半分以上を発展途上国新興市場が占めるのは初めてである。これは、世界市場の半分を占める中国によるところが大きい。

2010年の太陽光発電の世界市場は、前年の2倍以上の規模へ成長するという驚くべき一年を経験した。2009年には7.3GWを下回るほどであったが、2010年には世界で17GW増加したと推定され、合計で40GWとなった。これは5年前の容量の7倍を超える。EUが世界市場を独占しており、これはイタリアやドイツによる貢献が大きい。とくにドイツでは、2010年の新規導入量が2009年の世界全体の新規導入量を上回った。大規模太陽光発電の設置数は増加傾向にあり5000件を超え、世界導入量の約25%を占めた。太陽電池の製造はアジアへのシフトが進み、製造企業の上位15社のうち10社がアジアに拠点を置いている。

2010年の新規導入量は25GWthにのぼると推定され、合計で約185GWthになった(プール用の非ガラス管式集熱器を除く)。太陽熱温水システムの世界市場は引き続き中国が独占した。2010年のEU市場は新規参入があったにも関わらず、経済の停滞により縮小した。一位の中国には大きく差をつけられたものの、市場規模は変わらず二位であった。中国での新設は太陽熱温水器のみであったが、EUでは温水器と暖房を組み合わせた比較的大きめのシステムを導入する傾向がある。工業プロセスでの太陽熱の導入が、2009年から2010年の間に中国、EU、米国、その他の地域で行われた。

バイオマスが発電および熱利用に占める割合は増加しており、自然エネルギーによる熱生産の大半がバイオマスによる。2010年末時点で稼働していたバイオマス発電容量は62GWであった。バイオマス熱市場はEUを中心に米国、中国、インド、その他の地域で着々と拡大している。トレンドとしては、固形バイオマスペレット(発電および熱)消費や、熱電併給システム(CHP)や地域熱供給システムにおけるバイオマス利用の増加がある。家庭用バイオガスプラントの数では中国が世界をリードし、ガス化装置はインドやその他の地域で小規模から大規模の企業にまで熱利用のためにより多く使われるようになっている。とくにEUでは発電や熱電併給システムの天然ガスに代わって、バイオメタンガス(精製されたバイオガス)がガス供給パイプラインに投入されている。

2010年の世界の道路輸送用燃料の約2.7%を液体バイオマスが占めた。エタノール産業は石油価格高騰をきっかけに回復し、生産は17%増加した。なかには、過去に倒産した企業の復活もあった。米国とブラジルがエタノール生産の88%を占めており、数年間輸入国となっていた米国は、ブラジルを抜いて世界を率いるエタノール輸出国となった。EUは継続してバイオディーゼル生産の中心であるが、相対的に安価な輸入品によって競争が激化したために成長が滞った。先進的なバイオ燃料産業において、急速に成長する新興企業、主要航空企業、および大手石油企業の参入によりプレーヤーの多様化が進んでいる。

2010年の世界の電力供給量の16%を水力発電が占めた。新たに30GWが導入され、合計で1010GWになると推定される。水力発電の新規導入の動きは、それぞれ中国とブラジルを中心としたアジア、ラテンアメリカで最も活発であった。

要約部分だけだけれど、日本はさっぱり出てこない。目立つの中国、中国。続いてインドだろうか。ベスト5に出て来るのは太陽光発電のみ。本来、アジアはモンスーン気候だから、水力はもっと出てきていい筈だ。あるいは日本のように海岸線が長くもっとも有利な筈なのに海洋エネルギー部門にも登場しない。

それにしても、世界全体の最終エネルギー消費(2009)でみると、伝統的バイオマス(薪炭など)を除けば自然エネルギーのシェアはわずか6%だ。

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2012-01-31

辺野古沖基地は大津波で壊滅する

津波想定なく「心配」 辺野古アセス 審査会委員(琉球新報)

琉球大学教授(環境防災工学)の仲座栄三委員は「津波災害時の記述が全くない。福島原発事故のこともあり、非常に心配だ」と発言。宮城邦治会長は1960年のチリ地震による津波で、名護市大浦でも高さ3・85メートルの津波を観測し、真喜屋では3人の女性が犠牲になったことに触れ、「(基地のような)構造物ができれば、あの当時と違う潮流ができて、影響を受ける」と指摘した。

 準備書に対する住民意見の中には「自然災害によって受ける影響についての想定と対策を記述するべきだ」との意見があった。対する評価書での事業者側の見解は「災害時の影響については環境影響評価の対象ではないことから、準備書には記載していません」だった。

 琉球大学理学部教授の大出茂委員は「辺野古は琉球海溝に面していて、海溝型の地震が起きらないとも限らない。もし、造られた基地に劣化ウラン弾や放射性物質が貯蔵されていた場合、津波が来たら全てが消失することになりかねない」と警鐘を鳴らした。

歴史を辿ればそれどころじゃない巨大津波が同じ沖縄県であった。

八重山の明和大津波(1771)日本近海での歴史上最大級津波災害

明和八(1771)年八重山列島で地震発生、遡上高85.4mの津波が押し寄せた

明和8年(西暦1771年)旧暦の3月10日午前8時頃に、八重山列島東方沖で地震が突然発生、津波の遡上高は最大85.4mに達した。石垣島での被害は多大であった。死者8,335名、海水に洗われた総面積は8,000町歩、石垣島総面積の40%に達したと言われている。さらに、宮古島などの島々でも被害を出し、当時の人口が2万9千人であるのに対し、犠牲者は9千名を越えた。わが国災害歴史上、最大規模の災害をもたらしたことになる

明和の大津波

牧野清著『明和の大津波』によると、地震発生日時は一七七一年四月二十四日午前八時ごろ、位置は白保崎の南南東約四十?の海底で規模はM7・4。それに起因して石垣島を巨大津波が襲った。

先にNHKで放映された亜熱帯総合研究所のシミュレーションによると、津波は地震発生後七分で襲来し、標高三十五?まで洗い流したとしている。

しかし、牧野氏が古記録に基づき実地踏査して著した『明和の大津波』によると、白保と宮良の中間にある嘉崎浜一帯から侵入した津波は、牧中の頂上近く八十五・四?地点まで到達し、島周辺の低地に所在する住宅や田畑をことごとく飲み込んだと記す。

古記録は、津波襲来直後の被害を克明に調査して琉球王府に報告した写本であることから信ぴょう性は極めて高いと思われる。それによると、被害面積は島の四〇%に及び多くの集落が壊滅。死者は八重山群島で人口の三割に当たる九千三百十三人に達した。

これまで明和の大津波の被害状況を誇大視する向きもあったようだが、今回のインド洋津波の実像を見ると、明和の大津波もほぼ同様な惨状を呈したであろうことが容易に推察し得る。

(八重山毎日新聞 2005年1月22日(土) )

こりゃ、辺野古沖への基地移設は駄目だろう。八重山諸島でこんなとんでもない大津波が襲ったのなら沖縄本島に同じ規模の大津波が襲っても不思議じゃない。

普天間基地東シナ海に向いているが、太平洋岸の辺野古沖の埋立地じゃひとたまりもない。「抑止力」は大津波で木端微塵だ。思えば、昨年の東日本大震災でも、航空自衛隊松島基地仙台空港があっと言う間に壊滅した。

今からでも遅くないから、普天間基地移設先はやはり種子島だろう。代替基地の核心部分となる現在の種子島空港は標高234mだ。巨大津波でも大丈夫だ。おまけに近くの無人島、馬毛島ならオスプレイの離発着訓練にも最適だ。沖縄県民は大震災の教訓を盾に県外移設を主張すべきだろう。

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2012-01-29

大阪市を潰すのではなく大阪府を潰せ

朝まで生テレビでもやっていたのだけれど、大阪都構想というのは大阪市を潰して東京23区のような特別区にしようという橋下徹大阪市長の案のだけれど、大阪市を潰したからといって二重行政の解消になるのか。

大阪府には大阪市のほか、人口84万人の堺市政令指定都市だ。他に人口50万人の東大阪市、人口35万人の高槻市の2市が中核市特例市が7市もある。こんな狭い大阪府のほとんどは政令指定都市、中核市、特例市で埋め尽くされているのだ。こんな例は他県にはない。大阪府そのものが一つの大都市と見た方が分かりやすい。

大体、番組では大阪市は地盤沈下して人口が減っているというが、大阪府自体は減っていない。1965年の大阪市は人口310万人、2010年は266万人と確かに減っているが、大阪府の1965年の人口は666万人、2010年は881万人で平成に入ってからは増えも減りもしていない。中心の大阪市が一層商業化して住宅地が郊外に移っただけだろう。全体としては地盤沈下していない。むしろ大阪府全体が飽和化しているのが現実だろう。

そうすると、いっそのこと大阪府まるごと大阪市にしてしまった方が分かりやすいし、合理化も進展するというもんだろう。

え?じゃあ大阪府はなくなるのかって? 兵庫県と合併して阪神県とでもすればいい。大体、全国のプロ野球ファンのほとんどは阪神タイガースの本拠地は大阪だとぼんやり思っている。阪神優勝パレードは御堂筋で行われた。本当の本拠地は兵庫県西宮市だというのに。番組でも「大阪というコミュニティは潰さない」と言っていたが、コミュニティとしての大阪は実は大阪府を超えていて、兵庫県にまで及んでいるというのが現実だろう。

将来的には、尼崎、西宮市も大阪市に吸収合併、芦屋市は神戸市に吸収合併する。どうせ改革するならこれくらいまでしてもらわんと。

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2012-01-25

日本には与党と野党という名の政党しか存在しない

野田首相:消費税国会、施政方針演説 福田、麻生氏引用に野党反発 「政局より大局」難しく(毎日)

野田佳彦首相は24日の施政方針演説で、消費増税を柱とした税と社会保障の一体改革に関する協議入りを野党に強く求め、「消費税国会」の与野党攻防が幕を開けた。自民党政権時代の福田康夫麻生太郎両元首相の施政方針演説を引用して自身の正当性を主張する野田首相の論法はかえって野党側の反発を招き、消費増税に政治生命をかける首相の決意は空回り気味。「今こそ政局ではなく、大局を見据えよう」との呼びかけも衆院解散・総選挙を迫る野党側には響かず、解散含みの対決ムードが「大局」の共有を一層難しくしている。

首相がこう言って引用したのは「与野党が信頼関係の上に立って話し合い、国政を動かすことこそ、国民に対する政治の責任だ」(08年、福田元首相)▽「消費税を含む税制抜本改革を行うため、11年度までに必要な法制上の措置を講じる」(09年、麻生元首相)−−などのくだり。首相と同様、参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」に苦しんだ両元首相に自身を重ねることで「与野党という立場を超えて次世代のために一緒にやろうと訴えたかった」(藤村修官房長官)という。

 しかし、演説を引用された福田氏は「なかなか良いことを言っている。だけど、あのころを思い出すと(民主党に)ひどいことを言われてえらい目に遭った」と不快感を隠さず、麻生氏も「いいとこ取りされた。民主党は限りなく自民党化し、抱きつかれてきている感じ」と皮肉った。

取り分け、麻生氏のコメント「民主党は限りなく自民党化」が象徴的で、これ、まるっきり「野党は限りなく与党化」したとほとんどイコールに思える。

この現象は今に始まったことでなく、非武装中立・自衛隊違憲だった社会党が村山内閣として与党になった途端、自衛隊の合憲を認めた。さらに古くは刺殺された浅沼稲次郎社会党委員長だって口では「アメリカ帝国主義は中日共通の敵」と訪中した際には言っても、裏では自民党首脳とつるんでいて「アメリカとの協調、日米安保なしでは日本は立ちいかない」と合意していたという。

つまるところ、国会という場はこうした暗黙の前提に立った与党という主役(敵役)と野党という敵役(主役)の演劇なのだ。

万年野党が与党になるということは元服とか成人式を受けるようなところがあり、「現実的」≒「大人になる」という儀式なのだ。

このところ、

「誰が言ったか」ではなく、「何を言ったか」が問われる時代へ

とも一部で言われているが、政界では「誰(与党か野党)が言ったか」が今なお決定的に重要だ。同じことを野党時代に言っても、「重み」が違い無視していいという暗黙の了解がある。

そうでなければ「政権与党の責任」と言ったような思考停止な言説が流通するわけがない。こんな言説「横綱の品格」と同じようなもので伝統的慣習が生きる社会にしか存在し得ない。そうだ、そうだ、野党から与党に政権交代するということは大関から横綱に昇進するようなものだ。八百長がはびこるという点でもよく似ている。ただし、本当の横綱は降格しないのだが。ちなみに、じゃあ、関脇や小結、前頭ってどこの政党かは問うまい。

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2012-01-24

仲井眞弘多という天下り官僚に牛耳られた沖縄

「危険性」で辺野古迫る 田中防衛相来県(琉球新報)

初来県した田中直紀防衛相は23日の仲井真弘多知事との会談などで、終始用意された文面に目を落とし、慎重に読み上げる場面が目立った。その中で、最大懸案の米軍普天間飛行場については「世界一危険」と繰り返し強調してみせた。辺野古移設に「国民の理解、支援をいただきたい」と述べ、沖縄側の反発を押し切ってでも推進する姿勢をにじませた。沖縄対本土の構図を意識し、普天間の危険性が除去できないのは、沖縄のせいだ―と仕向ける防衛官僚の節回しに乗る大臣の姿を印象付けた。

田中氏は「日米合意を前提に進めていかなければいけない。全国民が国の状況に理解を深めていただくことが大事だ」と強調し、日本の安全保障を理由に辺野古移設で全国的な理解を広げたい考えを示した。

仲井真知事は田中氏との会談の後、報道陣に「辺野古を実現するためにという意味であれば、かなりすれ違いだ」との見解を示し、県外移設を検討しようとしない政府への不信感をにじませ、認識の大きな落差を浮かび上がらせた。

現実には「沖縄側の反発を押し切ってでも推進する姿勢」ではなく、「仲井真知事の反発を押し切ってでも推進する姿勢」が正解だろう。

そもそも仲井眞弘多沖縄県知事という人物は、今でこそ「県外移設」を主張しているが、彼の「県外移設」論は鳩山由紀夫首相の受け売りみたいなもので、それ以前は辺野古沖に基本的に賛成していた。ただ、賛成するだけでなく、「今の合意では受け入れられない」と難癖を付けて問題を先延ばししていただけの人だ。鳩山元首相が約束違反したことを逆用して今度は「県外移設」で難癖を付けているだけに過ぎない。言わばゴネ得のプロのような人物だ。この人こそ1995年の沖縄少女暴行事件以来、一向に動かない普天間基地移設問題のA級戦犯である。

仲井真知事は東大卒、通産省官僚、沖縄電力会長を歴任したスーパー天下り官僚であり、彼の最後の天下り先が沖縄県知事という華麗過ぎる経歴だ。

彼から見れば、田中直紀防衛相などは最初から見下すべき存在に映るのだろう。正に沖縄の官僚支配の総元締めのような人物だ。そんな人物が「沖縄の心」を代表しているような顔で東京から入れ替わり立ち替わり詣でて来る政治家を上から目線であしらう姿はだんだん身の毛がよだってくる。

田中防衛相はあくまで本音、年内着工を愚直にごり押しすべきだろう。「県外移設」はもう時間切れで遅い。結局、こじらせたのはたかりの構造なのだから、普天間住民のことを考えて県外移設はあきらめてもらうしかない。こんな知事選んだ沖縄県民の任命責任も問わねばならない。

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2012-01-20

格納容器に既に水面はないのでは

福島第一2号機 格納容器内を初撮影(東京新聞)

格納容器の底から四・五メートルの位置まで内視鏡を下ろしたが、水面は確認されなかった。炉心に注入した水は、これより低い位置で建屋地下に流れ出ていることが確認された。

2号機格納容器 内部映像公開(NHK)

19日の調査で目的の一つだった汚染水の水面の確認について、動画では、格納容器のコンクリートの底から4メートルの高さにある作業用の足場が、水がない状態で映っていることから、東京電力は、水面は高さ4メートルより低い位置にあると説明しています。

原子炉格納容器の中、初めて撮影 2号機、内視鏡で(朝日)

東電は、格納容器内の圧力値から、格納容器の底部から高さ約4.5メートルのところに水面があると推定していた。しかし、高さ約4メートルの場所にある作業用の足場の位置まで内視鏡を下げても水面にたどりつかなかった。このため、水位は格納容器の床面から約4メートル以下と考えられるという。

可能性としてもう水面そのものがなくなっているのではないか。当初、水蒸気で見えない可能性があると言われていたが、結構見えている。なのに、水面は見えない。格納容器の底部には足場が鮮明に見えるのにその下は暗黒。水面があれば内視鏡の発する光を反射してキラキラ輝いて見える筈。ということは、もう水は溜まっておらず、格納容器の底は、少なくとも鋼鉄部分は穴があいて底抜けになり核物質はコンクリート部分と混ざってしまっているのではないか。水がたまっているのならもっと湯気が朦々と立ち込めている筈。何せ摂氏45℃前後なのだから風呂場と大して変わらない気温だ。そんな低温なら水蒸気はすぐに白い湯気になるはず。上から降り注ぐのは水滴とされているが、専門家には圧力容器に注水された水が底から漏れ出て雨のように降り注いでいるという説もある。

もう水面はなく、核物質がコンクリート以下に浸出していればこれだけ低温なのも納得できる。

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2012-01-19

Wikipediaにスト権はあるのか

英語版Wikipedia

Imagine a World Without Free Knowledge

For over a decade, we have spent millions of hours building the largest encyclopedia in human history. Right now, the U.S. Congress is considering legislation that could fatally damage the free and open Internet. For 24 hours, to raise awareness, we are blacking out Wikipedia.

Wikipedia needs the Internet to stay free.

英語版ウィキペディアは、アメリカ合衆国のSOPA法案に抗議するため、2012年1月18日5:00 UTC(日本時間18日14時)から24時間のサービス停止中です。

言わば1日限りのストみたいなものだけれど、英語版ウィキペディアって世界中で読まれ、世界中の人々によって執筆されているのに、たかがアメリカという一国の法案を抗議するためにストライキしていいのかなあ、ということ。ウィキペディアの管理者ってアメリカ=世界と思い込んでいるんだろうか。ストするなら、世界中の執筆者に呼び掛けて投票でもしたんだろうか。著作権の前に執筆者の情報提供権の侵害という概念がないのか。講義するならトップページにメッセージ出しておけば十分だろう。

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2012-01-18

もし福島第一原発並み事故が福井原発で起きたら

大飯原発:3、4号機の安全評価「妥当」 保安院が初判断(毎日)

経済産業省原子力安全・保安院は18日、関西電力が提出した大飯原発3、4号機(定期検査で停止中)の再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)について、妥当とする審査書案をまとめた。今後、国際原子力機関(IAEA)や内閣府原子力安全委員会の確認を経た上で、政府は再稼働の是非を判断する。しかし、東京電力福島第1原発事故の詳しい原因調査が続く中、再稼働の鍵となる地元自治体の了承が得られるかどうかは微妙で、再稼働の時期も不透明な情勢だ。

安全評価をめぐる保安院の判断は初めて。審査書案は「福島第1原発を襲った地震や津波が来襲しても、福島原発事故のような状況に至らせないための対策が講じられている」と明記した。

関西電力の評価書では、大飯原発3、4号機は、関電の想定より1.8倍大きい地震の揺れ(1260ガル、ガルは加速度の単位)に見舞われても、福島原発事故のような炉心損傷に至らないと評価した。津波は、想定より4倍の11.4メートルの高さのものに見舞われても炉心損傷しないとした。また、原子炉の冷却などに必要な交流電源がすべて失われた場合でも、炉心損傷までに16日間の猶予があると評価した。

これに対し保安院は、高さ11.4メートルの津波でも原子炉への注水装置は浸水しない対策が施されている▽想定より1.8倍大きい地震動でも原子炉への注水機能は失われない▽冷却に必要な電源盤や蓄電池が津波の影響を受けない場所にある−−ことを確認。

ところで、もし日本の原発で福島第一原発並みの事故が起きて一番危険なのは福井県の原発だと思う。

f:id:satohhide:20110918071114j:image:left(参照)3月11日と言わず、冬季に福井原発でメルトダウンが起きたら福島第一原発事故の被害の100倍、あるいは1000倍の被害をもたらすだろう。

冬季は北西の風が優勢で、まず琵琶湖が決定的に汚染される。京都や大阪の飲料水源、工業用水源の多くが影響を受ける。セシウムは琵琶湖の湖底に沈殿するから事実上浄化するのは数十年不可能だろう。滋賀県全体が盆地なので県全体がセシウムの溜池状態になるだろう。

それにもまして酷い惨禍になりそうなのは中京地帯だろう。冬の時期、新幹線で東京と大阪を往復している人たちは誰しも経験することだが、名古屋まで晴れていたのに、関ヶ原付近を通過すると、突然天気が怪しくなり、雪に見舞われることが多い。関ヶ原を通過して米原まで抜ければ再び天気が回復する。

関ヶ原はちょうど北と南の山並みが途切れているので冬は北西の風の通り道になっているのだ。

放射性物質が福井の原発から大量に放出されれば、この風の通り道を通り抜けた後、スプレーのように濃尾平野にまき散らされることになる。

そうすると、岐阜県南部、愛知県、三重県北部、静岡県西部の日本で3番目の人口稠密地帯が今の飯館村状態かそれ以上になるだろう。

そうなると、被害は今回の福島第一原発の100倍は切らないだろう。下手すれば1000倍の世界になりかねない。

福島第一原発事故は世界に例を見ない放射性物質を撒き散らかしたが、それでも不幸中の幸いだった。放射性物質の8割以上は太平洋上に撒かれたからだ。もし、同じことが太平洋高気圧の優勢な夏の時期に起きていたら、被害は実際の10倍になっていたかもしれない。

その意味で、福井県は悪いことに最も原発立地に不向きなのだろう。10倍どころか、100倍、1000倍の世界もあり得るのだから。

福島の事故を受けて原発の発電コストが4.3円/kWh(60年稼働 稼働率85% 割引率5%)から8.9円/kWhに引き上げられたが、これは「幸運な事故」を前提にしたもので、季節調整で不運の場合を均等化して被害額100倍と織り込めば、この差額の4.6円を少し割り引いても450円/kWhが妥当だということになる。自然エネルギーよりはるかに高いコストになってしまう。

原発を再稼働するとしても、それだけの覚悟があるのかどうか。少なくとも福井県の原発は安楽死させた方がいいのかもしれない。「もしも」の桁が違い過ぎると思えるので。

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