ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン!

hotfuzz公式サイトエドガー・ライト脚本・監督、サイモン・ペッグ脚本・主演。ニック・フロストジム・ブロードベントティモシー・ダルトンパディ・コンシダイン。英国版「相棒」は本家を圧倒しているのはもちろん、ある意味「ミスト」と真逆のパロディのようでもあり、ホラーをユーモアのスウィーツでシュガーコーティングしている。実際、写真のようにアイスクリームだけでなく、やたら甘さたっぷりの菓子が登場する。
ロンドン警視庁の最優秀デカ(fuzz)ニコラス・エンジェル巡査(サイモン・ペッグ)が成績良すぎてド田舎サンドフォードに左遷されるというのは日本の「相棒」の右京さんと似ていなくもない。
そして、なぜかサンドフォードは「ミスト」の田舎町を思わせる。スーパーマーケット(経営者は007ジェームズ・ボンド役も務めたティモシー・ダルトン)が主戦場になることもさることながら、ミスト自体が見えないところになお一層怖さがある。怪物が中にいるか外にいるかの違いだけだ。
しかも、その怖さが最後までオチャラケで隠されているのだから芸は一枚も二枚も上。殺人シーンも普通なら凄まじくショッキングなのだが、なぜか笑ってしまうくらいの滑稽な印象付けに成功している。
閉鎖的な社会ではこうした秘密の共有というのは多かれ少なかれあるもので、日本でも最近の大分県教委をめぐる汚職事件でもあったように、後ろめたさの共有こそ最強の「信頼関係」であり、強固な絆が結ばれる。
この町の犯罪発生率0%と日本の起訴率99%とはなぜか同じように見えてくる。どういうわけかJapanese peace lilyという百合が再三出て来るのは気のせいだろうか。lilyとは純潔という意味もあり、「日本的純潔平和主義」という訳も可能。皮肉だろうか。Neighborhood Watchというのは、隣組を思わせる。
最初にホテルにチェックインする際、エンジェルがクロスワードパズルの答え「ファシズム」を教えるシーンはこの映画のテーマを見事に暗示している。
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