え、こだまの世界?

A day in the life of...

借りた本 (この国のかたち)

この国のかたち〈1〉 (文春文庫)

この国のかたち〈1〉 (文春文庫)

歴史小説に関心がなかったせいか、司馬遼太郎は『関ヶ原』以外、ほとんど読んだことがない。今日の東京新聞の社説で『この国のかたち』が引用されており、ちょっと気になったので借りてみた。博識かつ枯れた感じの書きぶりで、おもしろく読めるエッセイ集。敗戦後に日本の歴史を勉強し始めた理由について書かれてあるあとがきも興味深い。

日本人は、いつも思想はそとからくるものだと思っている。(…)
要するに、歴世、輸入の第一品目は書物でありつづけた。思想とは本来、血肉になって社会化さるべきものである。日本にあってはそれは好まれない。そのくせに思想書を読むのが大好きなのである。(18-20頁)

古いガーディアン・ウィークリーから

It is possible to be moral without God:おもしろい。ドーキンズの本(The God Delusion)も読まないといけないことが(ようやく)わかった。ドーキンズはシンガーとかのコミュニティに属してるんだよな。

Is that all there is?:チャールズ・テイラーの大著A Secular Ageの書評。なるほど、2006年にドーキンズの本が出て、2007年はこの本が重要だったのか。

どうでもいいが、次のくだりにある"subtraction stories"(直訳すると「引き算の物語」)は、「ウィグ流のはげ理論」と訳すとよいと思う。その心は、「カミがだんだん抜けていく」。

They will also no doubt like the fact that Taylor is highly critical of so-called "subtraction stories", those Whig versions of secularism's history, whereby human nature steadily casts off its shackles of ignorance and superstition, finally emerging from a Bastille of the mind into the bright morning of truth.