軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

自衛隊の出番か?

さて、同じ産経新聞の一面に、ガス田拡張のため、中国が「中間線を越えて日本側まで航行禁止を公示した」という。『中国政府が、ガス田開発を巡り日中間の摩擦が続いている東シナ海で、一般船舶の航行を禁じる海域を設定し、公示していたことが15日分かった』。日本政府への事前通告はなく、3月1日の海事局ホームページに掲載された。「3月1日から9月末まで中国の作業船を除く船舶に対し、同ガス田付近海域への立ち入りを禁止。指定海域は『中間線』をまたぎ、南北200キロ、東西3・6キロに及ぶ」という。万一、日本の漁船や『一般船舶』がこの海域に入った場合、中国はどのような手段を取るのか?以前、中国海軍のフリゲート艦が、この海域を遊弋して示威行為をした。国際的な常識では、官憲が同乗する艦船で、排除、又は拿捕するということになる。このような国際的な無謀行為が黙認されて良い訳がない。日本政府は直ちに厳重抗議すると共に、対抗手段を講じなければ、既成事実となってやがて「尖閣列島」を含む海域が「立ち入り禁止」になることは目に見えている。
李ライン、竹島の二の舞を演じてはならない。不幸な事に、この海域で事態が発生しても、我が友邦・台湾は、見て見ぬ振りをするどころか、状況によっては中国側にスリよって、尖閣領有を主張する事もありうる。朝鮮半島の、核・拉致をめぐる問題も急展開している。その間隙を狙った悪質な『侵略行為』だと思われるが、そうなれば我国は四面楚歌、この際「挙国一致」して、国難に対処する覚悟が必要である.
同時に東シナ海では、中国軍の哨戒機「Y8X」が活発な情報収集活動を続けている。南西方面の緊張を高めているのは中国だが、これに対処するのは海上保安庁では荷が重過ぎる。
自衛隊は、人員・予算を削減されて厳しい環境下にあるが、この問題は、明らかに国家主権を守るために存在する自衛隊の任務である。その上、イラクからの自衛隊の撤収は延長されて次期政権に引き継がれるから、第10次隊の派遣は決定的であろう.まさに任務過大、お気の毒の一語に尽きるが、それが『国防』に携わる者の最大の務めである.ゆめゆめ油断めさるるな!と言いたい。