軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

講演所感と映画・南京の真実完成

 24日は、福岡で講演してきた。中学時代の友人が副会長を務める(社)福岡中部法人会の新春講演会に招かれたのである。久しぶりの福岡入りとあって、高校時代の剣道部員が、昼食会をするから早く来いというから、6時起きで羽田から飛び立った。40000フィートの向かい風(ジェットストリーム)の中を飛ぶものだから、時間はかかるしタービュランスもある。離陸後2時間かかってホテルに着いたが、昭和32年当時の西日本高校剣道大会参加メンバーが揃っていて感激した。
ライト兄弟のフライヤー号」を復元した当時2年生で先鋒を務めたM君がまとめ役、当時3年生の大将のJ、副将の私と、中堅のS、次鋒のH、それに先鋒要員の1年生のMとTが揃った。
 全員が揃ったのは実に50年ぶりだという。それぞれ「適度に老化」していたが、気持ちは当時のままだから不思議である。
 残念だったのは、数年前に自動車事故に遭い頚椎を損傷して半身麻痺の車椅子生活になったT。しかし彼の強靭な精神力には驚く。自ら車椅子を運行し、更に「障害者用の車」を1人で運転して参加してくれたのである。勿論この日は夫人が助手席で同行してくれていたが、活動家であった彼には「寝たきり生活には耐えられなかった」らしい。食事も誰にも迷惑をかけず、バネがついた箸を器用に使ってボツボツと口に運ぶ。彼自身の意志力の物凄さと家族の団結、彼を支える夫人の明るさが彼を立ち直らせているのだろう。家族愛を目の当たりにして感動した!
 剣道部員とは3時過ぎまで歓談し、4時から講演会場に移ったが、今度は中学時代の仲間達が多数飛び入りで聞きに来てくれていて、その中に当時の中学校の先生がいたのには恐縮した。
 5時から「世界の軍事情勢と日本の防衛」という演題で話を始めたが、200人近くの方々が熱心に聴講されるので気合が入った。私が言いたかったことは「地球は丸い!」ということと、「自衛隊だけでは国は守れない!お人よし日本人よ、目を覚ませ!」ということである。
 6時40分からは懇親会に入り、舞台で和太鼓と獅子舞が披露されたが、二人の少女によって演じられた子獅子舞?は実にかわいらしかった。日本の文化伝統をこの年代から受け継いでいるのは嬉しいことである。
 挨拶に立ったある官庁の局長が「佐藤先生が指摘された国旗掲揚についてですが」と前置きして、着任時に自分の役所ではそれまで国旗が掲揚されていなかったという秘話?を披露、原因は知らないが「自分が指摘して以来きちんと掲揚していますので報告します!」と言われたが、一般市民や日教組の影響下にある学校だけでなく、肝心要の官庁にもその傾向が浸透しているのか!と情けなくなった。国防の基本方針の第二項に「民生を安定し、愛国心を高揚し・・・」とあるが、愛国心が高揚されていない証拠に「国旗掲揚が行われていないではないか」と私が話したからである。
 
 懇親の場は中座して、中学時代の夕食会に加わったが、12名が参加して久々に盛り上がった。不思議なもので、一瞬にして50年以上も前の時代にタイムスリップするらしい。
今年で我々は69歳になる。先生は70代後半、やはり病気や他界した仲間の情報が出たが、この年になれば避けられない話題ではある。気になったことは癌で大手術をし、かろうじて“甦った?”仲間が結構いるということである。三途の川を覗いた?ものもいて、この歳になれば「色即是空」が理解できるものらしい!教育者やジャーナリスト、空手道8段の住職や、多士済々の仲間なのだが、利害関係が絡まない関係は実に愉快である。
 最後は仲間が経営するスナックで3次会、ホテルに戻ったのは午前1時前という強行軍であった。

 翌日帰京して、夕方から読売ホールの「南京の真実」の試写会に出かけた。予想をはるかに上回る観客で、上映前には満席となる大盛会であったが、出演者の挨拶にはそれぞれ個性があって面白かった。中に「絞首刑のシーン」で、あまりにも現実味があるので「心配になった」という所感があって会場の笑いを誘ったが、事実映画のそのシーンは実に迫力があった。一歩間違えたら“絞首刑”執行間違いなしであったろう。出演者の皆さんの迫真の演技であった。
 当時の南京占領地区内の民衆を捉えた貴重なフィルムや、ニュース映画がうまく取り混ぜてあり、現代青年でも理解しやすいのではなかろうか?
 映画の導入部は、B-29が主要都市を空襲し、最後は原爆を2発も投下して30万以上もの非戦闘員を殺害した米国の戦法をさらりと提示するシーンだったが、これを見せ付けられると、互いに殺しあう“戦争”であるとはいえ、やはり単純に「勝てば官軍」というわけには行くまいと思わされる。
 非人道的共産主義国であればいざ知らず、人権を唱え、民主を教導する米国だからこそ、今後ともこれについては検証されるべきものであることに変わりは無いが、当時の裁判記録映画の中で、ブレイクニー弁護人がこの点を取り上げて「戦争犯罪」に対する強烈な弁護演説をするシーンは圧巻である。ややもすると、インドのパール判事だけが正義漢であったかのように思われているが、実は“被告人たち”を強烈に弁護した“米国人がいた”のだということを若者たちが知ってくれることを期待したい。彼が熱弁をふるうシーンは、勝者が敗者を裁く茶番劇中、かろうじて米国の「民主主義?」を救ったシーンだったともいえよう。この映画を世界中の人々が冷静に見れば、「レイプ・オブ・ナンキン」など中国の「プロパガンダ映画」」の質が如何に低劣であるかよく分かるだろう。
全国各地で公開され、多数の日本人が鑑賞してくれることと、第二、第三作に期待したい。
 

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