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2011-06-06 コミュニケーションを担うのは誰か

コミュニケーションを担うのは誰か

 この欄でも何度もお伝えしてきたが、震災サイエンスコミュニケーションが問われている。

 原発事故をどう解釈するか、放射線の人体への影響はどうなのか…

 こうした人々の「知りたい」という要望はまさに切実であり、今だにそれは大きな要望でもある。

 こんな中、重要な役割を果たしたのが、個人でボランティアとして情報発信を続けた、物理学者を中心とする科学者の方々だ。

 早野龍五氏のtwitterのフォロアーは2000人台から震災後に15万人に増えた。この他、野尻美保子氏、菊池誠氏、水野義之氏、伊東乾氏なども、フォロアーが万の単位に達している。

 それはウェブ2.0時代を表すものかも知れない。Twitterのようなツールを使い、科学者や専門知識のある人が情報を発信し、それが市民に伝わる。組織というより身軽な個人だから、状況に即座に対応できたのかもしれない。

 しかし、それを手放しで喜んでばかりもいられない。

 野尻美保子氏は、個人で1万人を超えるフォロアーに対応する精神的な重圧を述べている。

http://nojirimiho.exblog.jp/13571296/

TL上に表れる不安や疑問に答え,資料を提示し,現状でより優先されるべき事項について語っているあいだに,フォロワーの急増が始まった.直接mention(問いかけ)をされてきた方は,みなたいへん心配され,また怒っていた.このような状態は,一般には非常に危険である.これまでのTweetの流れを知らない人が多数参入することによって,フォロワーとの相互理解が低下し,ちょっとした一言をきっかけに多くの人の信頼を失う事例は多い.

一方でTwitterでの情報発信は,「個人店主」の成功によるものがほとんどであり, フォロワーが増えれば増えるほど,その負担が過重になっていくのである.

 発言は拡散し、記録に残るから、批判も受ける。

 牧野淳一郎氏は、Twitterで情報発信を続けた物理学者が、放射線の影響を少なめに見積もっていると指摘している。

http://jun-makino.sakura.ne.jp/articles/future_sc/note103.html#rdocsect191

 御用学者などというレッテルも、こうした情報発信をした科学者に向けられる。

 もちろん、批判は重要だろうし、ボランティアだろうがなんだろうが、発言に責任を持つのは当然だ。

 とは言うものの、こうした状況が続けば、情報発信を行うモチベーションがなくなっても不思議はない。やめても責めるわけにはいかない。

 震災直後から率先して情報発信を続けてきた菊池誠氏は

まともな科学者はすでにそういう反応に嫌気がさしてきて、象牙の塔に戻るつもりでいるから、これからは科学者を頼らずになんとかするということになるのでは

リスクコミュニケーションという分野があって、何か研究しているらしいので、そういう人たちがもっときちんと仕事してくれないと。科学者に「コミュニケーション」求めても無理ですよ。科学者コミュニケーション能力でなっているわけではないからね。

と述べる。

http://togetter.com/li/144089

 リスクコミュニケーションも含め、科学者と社会をつなぐ媒介者に対する要望は多く聞かれるし、それが、リスクコミュニケーションの関連分野であるサイエンスコミュニケーションにも向けられる。

 しかし、同様に「失望」する人は多い。リスクコミュニケーション科学コミュニケーションは十分な役割を果たしていなかったと・

 私自身、サイエンスコミュニケーションを掲げるNPOの代表であったこともあり、決して他人ごとではない。果たしてどうすればよかったのか、考え続けている。

 ただ、ふと考えてしまう。

 ボランティアNPOとして情報発信を続け、その責任を負うというのは、野尻氏が述べるように並大抵のことではない。

 サイエンスコミュニケーションを担う人達の多くは、ボランティアか、あるいはたとえ大学の職にあったとしても、任期付きの不安定な職に就いている。まさに社会が切実に求めていることを、こうした人達に依存してよいのか…

 これは「新しい公共」にも向けられる懸念だ。公共、インフラといった、人々が生きていくのに極めて重要なことを、ある種脆弱なNPOなどに任せてもよいのか…

 Twitter上で情報発信を続けた科学者が、大学や研究機関の教授、准教授であったことは、象徴的なことのように思う。もちろん、教授位の学識がないと情報発信ができない、ということでもあろうが、不安定な立場であったら、果たしてできたのか。

 「サイエンス・コミュニケーターは職ではなく役割である」と言われるが、もし、中間者が切実に世の中に求められているのなら、その必要性に見合うだけの地位や権限を、必要だと思う人達が与えるべきではないか…

 非常に厳しいサイエンス・コミュニケーター批判が多方面で起きているが、地位も名誉もなく批判だけある、そんな「火中の栗」を、自発的に拾いに行く人がどれだけいるのだろうか。それは「ないものねだり」ではないのか。

 とは言うものの、批判を含めて注目を集めているということは、そこに必要性があり、機会もあるということだ。

 ソーシャルビジネス、コミュニティビジネスが若い人達を中心に関心の的になっているのは、そこにやりがいなどの意義を見出すと同時に、それで食っていくということに対する充実感のようなものもあるのだと思う。

 ボランティア中心のサイエンスコミュニケーションが脆弱さを超え、公共を担う存在になるためには、「飯を食う」ことにも向きあう必要があるのではないかとも思う。

 言うは易く行なうは難し。課題は山積だが、諦めずに道を探りたい。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/07 13:06 言葉尻を捕らえる様ですが、記事の趣旨からして今回の震災における科学者からの情報発信は「ボランティア」と言っていいんですか?

はてなキーワードによると、『2011年に発生した東日本大震災では文科省から全国の大学に対し、「ボランティア参加者は公欠に」などの通知がなされている。』らしいですが。

scicomscicom 2011/06/07 23:00 ボランタリーにやっているからボランティアでよいように思いますが…

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/11 05:48 基本的に上記の科学者の方々は、裁量労働制が認められる方々と思われるので、何をしても構いませんが。きっと本来の仕事も「キッチリ」こなしておられるのでしょうから。
ただ「地位も名誉も」ない人からすれば、ただ新規参入を阻んでる「民業圧迫」としか読み取れないのでは?と、この文とリンクから感じたまでです。

tree_Bluetree_Blue 2011/06/11 11:22 新規参入を阻んでる「民業圧迫」としか読み取れないのでは?>この程度で潰れるのであればプロとしてやってけないと思いますし、どちらかというと今回の事から「サイエンス・コミュニケーターという新しい【職】が出来るんじゃないの?」という記事に見えましたが・・・。

tree_Bluetree_Blue 2011/06/11 11:23 新規参入を阻んでる「民業圧迫」としか読み取れないのでは?>この程度で潰れるのであればプロとしてやってけないと思いますし、どちらかというと今回の事から「サイエンス・コミュニケーターという新しい【職】が出来るんじゃないの?」という記事に見えましたが・・・。

tree_Bluetree_Blue 2011/06/11 11:23 新規参入を阻んでる「民業圧迫」としか読み取れないのでは?>この程度で潰れるのであればプロとしてやってけないと思いますし、どちらかというと今回の事から「サイエンス・コミュニケーターという新しい【職】が出来るんじゃないの?」という記事に見えましたが・・・。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/11 14:17 この程度で潰れるのであればプロとしてやってけない>のであれば、別段「必要性に見合うだけの地位や権限」は必要ないかと。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/11 14:21 なお、今日のガイガーカウンターミーティングに参加される野尻先生は、「KEKキャラバンの枠」とのことです。
http://twitter.com/#!/Mihoko_Nojiri/status/79180447975870465

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/12 03:07 新しい【職】っていうなら、その「地位や権限」ほっぽって起業すればいいのでは?あ、無理か「リスクコミュニケーション」欠如じゃ。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 03:13 ですから「ボランタリー」なんですか?
http://twitter.com/#!/Mihoko_Nojiri/status/83415627825557504

enodonenodon 2011/06/23 05:24 金銭的な見返りを求めず、誰からも強要されず、自分の自由意志で行う行為という意味でボランティアという言葉を使いました。おかしいですか?

enodonenodon 2011/06/23 05:33 研究者の場合は、金銭的な見返りは求めないのでやや難しいですが、本来の業務とは関係なく、また業績として評価されないことをおこなうことがボランティアなのかなと思ったりします。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 10:58 ですから、野尻先生の件は「業務の一環」です。http://twitter.com/ymorita/status/79533833090899968 それが本来の「業務」に影響していなければいいですが。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 11:11 で、問題はその「ボランティア」の部分を「業績」に勘案しよう、と言う流れですよね?いわゆるアウトリーチ義務化は。これは明らかに「強要」になると思われますので、その部分を明確にしないと、議論が上滑りでは?と思う次第です。

enodonenodon 2011/06/23 11:14 分かりました。ただそのイベントはそうでしょうが、一連の活動すべてというわけではないですよね。ツイッターは業務ではないでしょうし。野尻さん以外の人はどうでしょう?

enodonenodon 2011/06/23 11:18 投稿が同時になりました。もちろんアウトリーチ義務化の話は重要で、考える必要があります。

enodonenodon 2011/06/23 11:25 上の文章でいえば、アウトリーチ義務化は、コミュニケーションを義務、業績にするということ、コミュニケーションを担う人に地位や権限をあたえるということで、科学コミュニティがその重要性を認識しつつあるということでしょうか。

enodonenodon 2011/06/23 11:29 ただ私は、それは重要だと思っていますが、それと同時にオルタナティブな、独立した人たちも必要だと思っています。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 15:41 まず基本認識として、健全な科学の情報発信の重要性がまさに今求められている事は、疑う余地はないです。その為にその専門的スキルを備えた人材を、そちらにも振り向ける事が必要だとも思ってます。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 15:48 一方でアウトリーチ義務化論は、本来ボランティア的要素の強いものを義務、業績に加える事には違和感を感じます。実態はどの程度か把握してませんが、学生のボランティアは学業の単位と認めないとするなら、明らかに矛盾しているかと。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 15:55 そういった流れで、研究所が次々に広報担当者を「非正規」(3年程度の有期など)の条件で立て続けに募集をかけてますが、ある意味第二のポスドク問題化しかねない、と危惧しています。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 16:03 で、「考える必要」と言うのは、時期的にも一頃より事態が沈静化しており(一方で先は見えない)、パブコメの件も含めて「今」なんじゃないのか?と、思いますが。それを科学コミュニティーの中だけでやっていても、と。

enodonenodon 2011/06/23 17:27 そうですね。考えているのでこのブログをかきました。広報担当が短期雇用というのを念頭において、地位や権限と書きました。誤解されひはんされましたけど。フェースブックなどでも議論が聞かれます。わたくしは科学塾コミュニティの人間じゃないので、こうしてブログで問題提起しているわけです。

enodonenodon 2011/06/23 17:29 科学塾じゃなくて科学ですね。すみません。いまパソコンの前にいないので、長い文章かけません…

enodonenodon 2011/06/23 17:35 もしよろしければ、お考えをメルマガの巻頭言にご執筆いただけませんか?

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 20:59 分かりました、いい機会でもあるので前向きに考えてみます。先日、KEKの足立氏にも大まかな話をしたところなので。(すいませんメルマガって、どこのでしたっけ?)まぁ、元木氏の批判にも問題はありますが、私が常々ギョーカイと書く様に、科学コミュも相変わらずずれてるな、と。

Slight_BrightSlight_Bright 2011/06/23 21:21 もっとも誤解があったのであればお詫びいたします。基本的に榎木さん個人を指した訳ではなく、いわゆる科学コミュギョーカイ人のつもりです。

enodonenodon 2011/06/23 23:50 ご快諾ありがとうございます。メルマガはこのブログの上の方にリンクがありますので、それを御覧ください。詳細はメールにてご一報いただけたら。

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