「仏果を得ず」 三浦しをん

仏果を得ず (双葉文庫)

仏果を得ず (双葉文庫)


高校の修学旅行で人形浄瑠璃文楽を観劇した健(たける)。
義太夫を語る大夫のエネルギーに圧倒され、その虜となる。
ある日師匠の銀太夫から、三味線の兎一郎と組むように言われる。
兎一郎は「実力はあるが変人」と噂される人物だった。
傍からは馬鹿に見えるほどの情熱を傾ける中、ある女性に恋をする。
芸か、恋か。
悩む健は、人を愛することで義太夫の肝をつかんでゆく。


浄瑠璃文楽の世界は縁がないけど楽しめました。
いろんな演目のあらすじに合わせて、現実の世界も展開。
出てくる大夫・三味線弾き・人形遣いが個性的。
「芸を追求する」ということの意味の断片が分かった気がする。



だけど、健の恋はいまいち。
惚れた瞬間もよく分からなければ、その女性の魅力も…???
もう少し、一癖も二癖も出てくるかと思いきやそうでもない。
そこだけ惜しかったなー。


一度、文楽を見てみたいなー。
あんまり文楽ってやってないんだなー。
チャンスがあれば、後学のために見ておこ〜。