安吾は難しい!

「(続)戦争と一人の女」だったけど、予想とおりレポが苦しんでいた。
途中で発言したとおり、安吾テクストは二項対立で整理しようとしても、それを拒んでいるから大変になる。
野村とカマキリという男を正負に腑分けするのは間違いの元。
元「女郎」の「私」には純愛じみた発想は欠落しているし、嫌っているようでいながら同族と認めざるをえないカマキリとも、機会と利益さえあれば寝る女なのだということを押さえておかないと読み誤る。
フツーの小説として読もうとした二人のレポは、そうしたテクストに脚をすくわれた感じ。
リューマンは安吾を読み慣れているせいもあるのか、模範的なレジュメでありました。
来週は黒井千次「群棲」から「芝の庭」だそうです。