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2005-03-20

『女について』ショーペンハウエル/石井正、石井立訳


 解説があるという理由で、文庫化された作品を必ず買う人がいる。また、本を置くスペースを少しでも省くために買う人もおりますな。この場合、元々持っていたハードカバーは処分される羽目となる。集英社文庫などは、名の通った人物に解説を書かせている。


 解説やあとがきを最初に読む方も多いだろう。作品全体がそれとなく把握できますからな。但し、ミステリの場合を除く。


 思わぬ解説に出会うと、解説目当てで、ついつい買ってしまう本もある。小林秀雄の『モーツァルト』だったかは、妹の高見澤潤子の文章を拝借したものだったが、いたく感動した覚えがある。


 以下に紹介するのはショーペンハウエルの作品解説だが、大変、味わい深い内容だ。実際のページには、ショーペンハウエルの鼻から上の部分に当たる頭蓋が図示されている。


 この頭蓋をはじめて見たときに最も多く尊敬の念をおこさせるものは」そうグウィンネルは書いている、「いくぷん低めについている両耳の間におけるこの幅の広さである。長さと高さとほ幅に対抗しておおよそ等しいといってもよいほどに伸びなやんでいる……。もしも最初聖ミール・フシュケにょって試みられた脳の三つの大きな区分の意味づけが正しいものだとしたら、それによると感情の生活は前頂脳に、理知の生活は前頭脳に、そして意志の生活は後頭脳に、それぞれの中心点をもつといわれるから、そこでショーペンハウエルの頭蓋について頭蓋骨相学的な判断をしてみると、意志の領域が、感情や情緒の領域を超え、いやそればかりか、認識の領域をも越えて、断然たる優勢を示すという結果になる。頭蓋の三つの脊椎骨〔前頭骨と頭頂骨と後頭骨、ゲエテが脊椎動物の頭蓋構造は六つの脊椎骨から発達してきたという見解を発表しているのに拠る〕のすべてが、おおむね高度に作りあげられているのはもちろんのこと、しかも力と意志との領域の法外な発達は、この頭ろに、これをはじめて見た印象によると、それが或る学者のものとは思われないで、むしろ或る競技者のものかとも思われるはど、著しくそれ自らの差別を示す性格を与えている。このような力の充実、さらに進んで、過剰な力が強烈な知性のさきぶれをつとめていたことは、前方にもりあがった額のあたりの豊穣な発育をみれば、よくわかる。

女について

2005-03-13

メディア規制


 人権擁護法案に対して、マスコミが騒ぎ立てている。


 例えば、今日付の毎日新聞社説――


 法案では、問題のメディア規制の条項は凍結し、解除するには別の法律を制定する必要がある。凍結するとはいえ、メディア規制の条項は取材を拒否した際の「つきまとい、待ち伏せ、進路に立ちふさがり」を人権侵害と規定するなど極めて威圧的だ。


 お前さん達は客引きか? あるいは、ストーカーなのか? 散々、偉そうな口を叩いているところを見ると、誤報や虚報に対する反省の色は全くないようだ。


 私は本来、新聞という媒体は好きな方だ。何と言っても、パソコンのディスプレイみたいに、ちんまりしてないし、あの大きさの紙面から、情報を取捨選択するのは、効率的にも優れている。


 しかし、である。私が個人的に今、必要としている新聞はない。大体、どの新聞も大差がないしね。また、記者クラブによる情報は、官僚が発信する大本営発表に過ぎない。まあ、大体、新聞記者ったって、所詮、サラリーマンに過ぎないからね。ジャーナリストがでかい顔をすると、ロクなことはない。


 私が理想とするのは、個人が責任を持って発信する記事と、更に、賛否両論を併記した紙面である。でかい写真なんぞは不要なのだ。


 河野義行さんが、これに反対しているところをみると、それなりに再考の余地はあるのだろう。それにしても、メディアの行き過ぎた報道の犠牲になった人々は、大変な目に遭っている。


 その国の人権感覚は、人権侵害の賠償額に現れるという話がある。最近は少し高額になってきたようだが、まだまだ、会社の広告費などで間に合う程度の金額だ。罪もない人々の人生を棒に振るような記事を掲載した場合、その会社が潰れるほど高額の賠償額にすべきと考える。

2005-03-10

ファインナック


 約70年分の化粧品と約9年分の健康茶を買わされたとして、知的障害のある女性が化粧品販売会社と販売員に代金の返還などを求めた訴訟で、静岡地裁浜松支部は10日、請求をほぼ全面的に認め、約870万円の支払いを命じる判決を言い渡した。千川原則雄裁判官は「到底消費できないほど大量の商品を購入させたもので、原告の判断力の不足に付け込んだ違法な行為」と指摘した。

 判決によると、被告となった広島県廿日市市の化粧品販売会社「ファインナック」は静岡県浜松市内のパート勤務の女性(55歳)を電話勧誘し、03年1〜3月に段ボール約100箱分の化粧品や健康茶(総額915万3465円)を購入させた。化粧品などは女性の部屋にそのまま積み上げられて自由に出入りできなくなるほどだったが、同社は引き取りも拒否していた。


【毎日新聞 2005年3月10日 21時31分】