日仏演劇協会 公式ブログ

日仏演劇協会公式ブログ le blog officiel de la Société Franco-Japonaise de Théâtre

テアトロ・マランドロ「春のめざめ」(ヴェデキント作、オマール・ポラス演出)

http://www.spac.or.jp/f12printemps
作:フランク・ヴェデキント(Frank WEDEKIND)*1
翻訳・翻案:マルコ・サッバティー
演出:オマール・ポラス(Omar PORRAS)*2
出演:ソフィー・ボット、オリヴィア・ダルリック、ペギー・ディアス、アレクサンドル・エテーヴ、アドリアン・ジギャクス、ポール・ジャンソン、ジャンヌ・パスキエ、フランソワ・プロー、アンナ=レーナ・シュトラーセ
日本初演 演劇/スイス、コロンビア
日時:2012年6月30日(土)13時開演・7月1日(日)14時30分開演
◎7月1日終演後にオマール・ポラス(演出)と宮城聰によるアーティスト・トークを行います。
会場:静岡芸術劇場
上演時間:105分
【フランス語上演/日本語字幕】
チケット:一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
☆SPACの会特典のほか、ゆうゆう割引、早期購入割引、みるみる割引、ペア/グループ割引料金があります。

「子どもたちの悲劇」というサブタイトルを持つ本作は、性にめざめ始めた10代の少年少女の姿を赤裸々に描くと同時に、彼らを取り巻く無理解な大人たちや、19世紀末の抑圧的な道徳観を痛烈に批判した社会風刺劇です。ストレートな性描写、10代での妊娠・中絶死、暴力、やがて起こる友の自殺――。その過激さゆえに発表当時(1891年)のドイツでは社会問題にまで発展し、以後1906年まで上演を禁じられていたという、いわくつきの作品です。ブロードウェイミュージカルにもなった本作を、ポラスがどのように演出するのかに注目です。

*1:劇作家。ドイツ表現主義の先駆者、性の問題を根源的に追求した作家として知られる。1864年ハノーファー(ドイツ)生まれ。ミュンヘンでの大学時代、カール・ヘンケルやゲルハルト・ハウプトマンら自然主義文学の作家と交流する。その後、マギー社(現ネスレ社)の広報部勤務を経て、フリージャーナリストとして活動。1888年、父が他界すると、莫大な遺産を相続し、作家活動の自由を得る。1891年、『春のめざめ』を発表し、95年頃より作家活動を本格化させる。1898年には、皇帝のパレスチナ訪問を風刺する詩を発表し、不敬罪に問われる。『地霊』(1896年)、『パンドラの箱』(1904年)は、アルバン・ベルクにより『ルル』としてオペラ化された。

*2:演出家、俳優。1963年、ボゴタ生まれ。南米各地でダンスや演劇を学んだ後、20歳で渡仏し、ルコック演劇学校とパリ第三大学演劇科に通う。90年にジュネーヴ郊外の廃屋をアトリエに改造し、テアトロ・マランドロを創立。バリ島、インド、日本などのアジア演劇の手法や、コメディア・デラルテ、メイエルホリドのビオメハニカなど、あらゆる演技法を貪欲に取り込み、人形劇やダンス、音楽などを調和させていく独自の演劇スタイルを確立。99年、静岡でのシアター・オリンピックス以来、計8回来静。代表作に『ユビュ王』、『貴婦人故郷に帰る』など。近年は、オペラの演出も多く手がけている。2007年、コロンビア国家功労勲章を受章。