大郷町粕川糟川寺のマリア観音(1)

 宮城県内のキリシタン伊達政宗存命中は領内は他領にくらべ、キリシタン信徒にとって温室の中のような安住の地であったが。寛永13年、大樹にも似た政宗が病死する。さらにそれに追い打ちをかけるように、よく14年に「島原の乱」が起きる。
 崩壊しかけていた仙台のキリシタンにとり、それはダブルパンチに等しい衝撃となった。かくして、神父も信徒も禁教令に狂奔する官憲の目を逃れ、野に隠れ、地に潜むいわゆる潜伏キリシタンの生活に入るのである。
写真・マリア観音が納められている御堂