XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

クリップ・パドル

Clip Paddle

 梅雨に入ったとの報道があったのだが、梅雨前線はこのところ南の海上に下がったままで梅雨らしい天気になっていない。しとしと降る雨は情緒を感じながらも、鬱陶しさも感じるものである。雨が降らないのは嬉しい面もあるが、この雨で田植えができ、夏に備えての貯水量を確保するという面を考えると、雨が降らないと喜んでばかりはいられない。昔ながらの季節の移り変わりを味わいたいものである。

 移動運用をする時、荷物はできるだけ少なく、コンパクトなものが望ましい。私は電信での運用しかしないので、電鍵かパドルを持っていくのだが、それらはしっかりと動かないように固定しないと使いづらい。小さなパドルでは左手でパドルを保持し、右手で操作することになる。両手が符号を送り出す操作に使われてしまうので、記録を取ったりリグを操作したりを同時に行うことができない。パドルを右手だけで操作できるようにすれば左手を解放することができる。
 そこで、普段使っているマイクロスイッチを活用したミニパドルを固定する方法を考えた。これまで基台にマグネットを使い、鉄などに吸い付くようにしたこともあったが、まだ不安定であった。そこでクリップを使うことを考えついた。パドルは小さく、大きな力が加わるものではないので、ボードなどにクリップを深く挟めば、実用的な安定を得られるはずである。
 さっそく手持ちの部品などを探して作り上げたのが写真のクリップパドルである。クリップを大きくするほど安定が増すのだが、パドルがとても小さいので、それとのバランスでこの目玉クリップを使っている。見てくれをよくするためにローレットビスを使ってパドルとクリップを結合している。この大きさのクリップで6mmほどのボードを挟むことができ、パドルの操作では左手を添えなくても大丈夫な位の安定感は確保できた。
 お空もやっとハイバンドでも開けるようになってきた。野外での運用が楽しめる季節である。より快適に、より簡便に、より効率的に運用ができるよう、あれこれと工夫していくのも楽しい。そして実際に運用しながら改善していく。アマチュア無線の楽しさは、もの作りの楽しさと相まっているように思えるのだ。
 さて、次の野外運用はどこに行こうか。
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