本当のホイコーローを食べませんか?

以前にも書きましたが、日本の四川料理はアレンジ版が多いのは、食材調達が難しかった時代背景と、日本人があまり香辛料の強い料理になじみがなかったことにあります。
陳建民さんバージョンでは、オリジナルの四川料理と大幅に変えているわけですが、四川料理紹介のご苦労と天才的なセンスが垣間見えます。
さて、今回天府舫(テンフファン)がお勧めする四川のオリジナル版料理は、回鍋肉(ホイコーロー)です。
一般の中華料理店のレシピだと「豚の薄切り肉の味噌味キャベツ炒め」(ボリューム感があって、ご飯のおかずになかなかいいですね)ですが、茹でた皮付きの豚肉の塊を薄く切り、野菜とともに炒めた料理です。
「鍋を回しながらゆでる」ことから“回”の文字を使うという俗説もありますが、一度調理した肉に再度鍋に戻す(調理する)のが本来の意味です。
「四川ではキャベツでなくニンニクの芽」を使うと解説されているサイトもありますが、それに限らずさまざまな野菜を用いることがあります。当店だとピーマンやネギなどですね。それなりに赤いですが、あまりラー油を使いませんし豚肉や野菜の甘みもあるので、けっこうマイルドな味です。もちろんピーマンを青唐辛子に変えれば、辛い料理にも変わります。
「回鍋肉」は故郷を思って食べる、素朴な田舎料理でもあります。日本のホイコーローとひと味違う、本場の「回鍋肉」をぜひ知っていただけたらと思っています。

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