東京・日野「いのちのミュージアム」(その5)

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「Mother」の絵の反対側の窓際には、秒針だけの時計がついた
メッセンジャーが立たせてあり、そして真ん中にある額を見てみると、
「忘れまじ時の証人」とその詩が書かれてあった。
地下鉄サリンイラク戦争アメリ同時多発テロ日航ジャンボ機墜落事故
そしてヒロシマナガサキの原爆・チェルノブイリ阪神淡路大震災など
突然の災難で罪のないたくさんの命が失われた歴史を心の中に残してほしいと
いうメッセージにあふれていた。

「秒針だけの時計」はこのメッセンジャーだけに付けているわけではなかった。
道具箱に使われていたところにも、そして黒板があったかもしれない所にも
この時計がたくさん付けられていた。
(その1)で紹介した「ある少女のメッセージ」と動画の時計はそこにあった。

http://d.hatena.ne.jp/shiraike/20100926/1285498664
たくさんの秒針の音は生命の鼓動ではないかと思うほど、
心の中に鋭く残る。失われた人々のメッセージを同時に私たちに
届けているような気がした。
このスペースは「多目的ルーム」だそうだが、
これらの作品には常設展以上に「いのちのつながり」を強く感じさせてくれる
空間を提供してくれた。

生命のメッセージ展の常設展示では、交通事故のみならず
須藤正和さんのようにリンチ事件で命を落としたり
医療事故で肉親を失った人のメッセンジャーも立てられていた。
(廊下では須藤さんの父・光雄さんの写真展示もあった。)
生きていること、それは決して当たり前のことではなく
突然それが消えてしまうことがある。
その悲しさ、苦しさを知ることで
この思いを知ってもらうことから始まり、
それが多くの命をつなげようとしていることは
これからの命へ向けてのリレーにもつながる。
大切にしなければいけない。だからこのミュージアム
たくさんの人々に来てもらいたい。
ここには、あなたの命をなにより大切にしてくれる
メッセンジャーがいるのだから、ぜひ逢いにきてほしい。(おわり)
いのちのミュージアムホームページ
http://inochi-museum.or.jp
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