東京ドーム キッスとももクロを観てきました。

 3月3日、東京ドームにキッスのコンサートに行って参りました。キッスを観るのは2回目、最初は17年前の、オリジナルメンバー、メイクアップ復活の東京ドームでした。ずいぶん久しぶりです。メンバーは変わりましたがジーンとポールは健在、メイクも健在、しかも今回はあのももいろクローバーZとの共演までと盛りだくさん、期待しつつ(仕事が押したので全力疾走で)会場へ。
 結果を書きますと、やっぱりキッスはキッスで、つまり大満足できた、ということです。全体的に「年齢を重ねたなあ」と思うような「巨匠様式」の演奏でしたし(でもこれは一昨年のストーンズにも通じる、ということ)、昨日は特にポールの調子が今イチっぽく(MCは元気なのに歌になるとちょっと不安定でした、後半調子を上げてきましたが)その点がちょっと残念だったんですが、コンサートそのものは演出も含めて楽しいものでした。
 僕はキッスのアルバムは全部持ってはいないんですが、それでも知っている曲ばかり。演出も空飛んだりギターで射撃したり火を吹いたり血を吐いたり「お馴染みの」といえばそうなんですが、でもやっぱり盛り上がってしまいます。なにしろ演出に手抜きがない。来日公演ではステージセットを省略するようなバンドもいるなか、ちゃんと完全なパッケージを持ってきてくれるキッスはさすがです。
 そして、コンサート最終盤で登場したももクロ。先日リリースされたコラボシングル収録2曲での共演。これは予想以上に「華のある」ものでした。「夢の浮世に咲いてみな」では和太鼓も登場していました。「Rock And Roll All Nite」はシングル収録の「ももクロアレンジ」ではなく、キッスの演奏に客演するという感じでメインボーカルもジーンのまま。「夢の浮世に〜」ではももクロのもつ、あの正体不明の「真剣さ」がロックらしい心地よさに繋がり、「Rock And Roll All Nite」は逆にキッスとももクロの本質的なポップさ(大衆性)がいい意味で混ざり合った感じでした。
 ケレンそのものといっていいキャラクターと、尋常ではない力のこもったパフォーマンス、そしてそれを支える強烈なプロ意識と「建前論的な批判を吹き飛ばす」意志の強さ。キッスとももクロは、「鬼っ子的な立ち位置のまま、ファンに支えられてビッグになっていた」というところも含めて多くの共通点を持っています。この共演は僕には「よくぞ発想してくれた」と思えるような「合った」ものでした。会場にいたたくさんのモノノフ(服装とサイリウムですぐそれとわかる)のみなさんとキッスアーミーのみなさんが同じステージに向かって歓声を上げる様は、僕には感動的でした。楽しい夜でした。キッスにもももクロにも感謝したいです。

 追記:開演前のBGMでザ・フーの「Won’t Get Fooled Again」が流れだしたら会場が大歓声でした。この曲が開演の合図的なものだったんですね(17年前にも聴いたはずですが記憶がない)。コンサートの途中でもこの曲のクライマックス部分が再現されていました(「The Kids Are All Right」でのレーザー光線まで再現されて)。フーのファンとして、嬉しかったです。