がりがり。

今週のお題「秋の味覚」その2

これってあれだわ。

顔合わせ結果待ちの間に更新するでやす。
IT関連がとても苦手でしかも嫌いであろうと思われる新聞でもディープラーニングが特集されていたりします。
ちょっと前までは機械学習って説明されてたけど、それは人が定義したプログラムに沿って動くだけで、ディープラーニングというからには深層学習。機会が学習したデータからみずから必要なデータを抽出して解析したり分析したりする。
そのためにはこれまでのCPUよりさらに速度の早いGPUを使って平行して一気に処理を行う必要があって。
それって、あれに似ているなあ、って思いました。

蟻であり。

ありんこメソッドです。正式な名前を忘れたのよ。単純な作業の繰り返しで目的を達成する、っていうやつでした。
たとえば。10個の飴があって、それを一つの山にしたい。でも、蟻は一度に一個の飴しか運べません。
もし蟻が9匹いるなら、山の目印にしたい飴を決めて、それぞれが一個ずつ飴を持っていっせいに目印の飴に向かえばいい。
でも、蟻は何匹いるかわかりません。そして飴の数も一定しない。蟻はごく単純な命令しか理解できません。
そんな場合は、蟻に「飴を運んで隣の飴とくっつける」という命令にのみ従って動くようにします。
ここではとりあえず飴は10個、蟻は2匹にします。飴はA,B,C,D,E,F,G,H,I,Jとします。

一回目。

蟻はAとGの飴を運んで、隣のBとHにくっつけました。
AB,C,D,E,F,GH,I,Jになりました。
もし蟻が次にCとIを運ぶとこうなります。
AB,CD,E,F,GH,IJ。
次はどうしましょう。E,Fにしましょうか。
AB,CDE,FGH,IJ。
B,Iで。
A,BCDE,FGHI,J。
A,Jで。
ABCDE,FGHIJ。
山がふたつになったので、あとはひとつずつ運べばいい。
ABCDEFG,HIJ。ABCDEFGHI,J。ABCDEFGHIJ。

でもね。

蟻は、「飴を運んで隣の飴とくっつける」ことしかできません。「次はどうしよう、効率的に運ぶにはE,Fにしようか」とか「山が少なくなったからあとは一つずつ。私が先に運ぶからあなたはその間待っててね」「うんそうするよ珈琲でも飲んでくるよ」なんて考えません。ひたすら「飴を運んで隣の飴とくっつける」だけ。
実際はこんな感じになるはずです。
AB,CD,E,F,GH,IJ。ABC,D,EF,GH,IJ。AB,CD,EF,GHI,J。A,BC,DEF,GHI,J。A,B,CDEF,GH,IJ。AB,CDE,FGH,IJ。A,BCDE,FG,HIJ。AB,CD,EFG,HIJ。A,BCD,EFGH,IJ。AB,CD,EFG,HIJ。AB,C,DEFGH,IJ。A,BC,DEFGHI,J・・ああしんどい。
でも、いつかは終わります。飴は必ず隣とくっつくから。ばらばらにすることばできないので、いつかは一つの山になります。

何度も何度も。

これだけなら今までの機械学習と同じ。違うのは、「同じ事を繰り返すうちに効率的になっていく」ところ。
山の数を少なくしていって、最後には二つの山にして隣に送っていく。畦道はそうしました。真ん中に寄せていく方法もあるでしょう。A,B,C,DEF,G,H,I,J。A,B,CDEFG,H,I,J。A,BCDEFGH,I,J。ABCDEFGHI,J。ABCDEFGHIJ。これが一番早いかな。
効率的な方法は、何度も同じ事を繰り返すことによって偶然見つかります。それを人間ではなく、機械に自分で学習させるのです。自分で経験させて、解決法を考えさせるのです。

なんだかね。

音声認識、画像処理、言語処理の分野でディープラーニングは利用されていて、音声認識はかなり進んできています。データが豊富だからね。自動書記なんかはお手の物。言語処理も翻訳の分野で進化中。画像処理は違法サイトの検出なんかで利用されていきそうな。
でもね。
なんか、AIやディープラーニングが進歩したら人間がいらなくなる、みたいに言われてますけど、かえって人員は増えてしまうんではないかと思うのよ。
だって、OA事務が一般的になり始めて、これで事務はペーパーレスになるかと思いきや、紙の消費はむしろ増えたんでしょ。職場にPCがどんどん入ってきたけれど、使いこなせる社員がほとんどいないから、いっぱい派遣を雇わなければならなくなる。
ありんこメソッドでいうと、人員を増やすと仕事は早く終わるけど命令は複雑になる。人員を最低限にすると命令は単純になるけれど仕事そのものの時間はかかる。
でもって、複雑な命令をこなせる能力の高い蟻を一定数確実に雇うのが難しいから、単純な命令しかこなさない蟻にして、処理のスピードをあげよう、っていうのがありんこメソッドの、つまりはディープラーニングの理想なんだけど。
その「単純な命令」を何にするか、誰が決めるんですか。
飴をひとつの山にするための命令がすぐ決まるのは、最終の形がはっきり見えているから。答えが分かっているから、命令を作るのが簡単なんですね。

決められないから。

ドローンで撮影した3D画像を活用して効率化を図る、ってなると、ドローンを使える人、3DCADを使える人、それを設計図に落とせる人が必要ですね。そして、それぞれの人を管理する人も必要になりますね。地上で測量して図面引くことのできる専門家はいらなくなるけど、ドローンの人と3Dの人とチャートの人はそれぞれ必要になるでしょ。
ということは、それぞれを束ねる人、管理する人が必要になるでしょ。人が増えると、事務所も大きくなるし人事の仕事も労務の仕事も増えるでしょ。
結局、時間も経費もかかることになるんじゃぁ。
ちょっと昔だけれど、SANYOの携帯電話のラインで、一人が一台ずつ組み立てた方が効率がよくなります、っていうのをドキュメンタリーで見たよ。作業が細分化されて部品毎に組み立てる方が一見効率的に思えるけど、部品の余りが出るし、作業者の集中力も落ちる。自分が組み立てたんだよ、っていう達成感も薄くなる。
自分で考えて自分で決めた、っていう気持ちよさがないから。

戻ってみようよ。

畦道はいろいろ考えながら仕事するのが好き。それは、できあがった仕事がどう使われるか知っているから。どんなデータがどこに行って、どう生かされるか知っているから。
それは、紙しかなかった時代を知っているから。電卓で計算して、手で数字を書いて、「あーもうちょっと効率的にできないかなあ」って思いながら毎日はんこ押していたから。
もっとスマートに仕事したかったから。
そんな畦道は、スマホが嫌い。だって、ちっともスマートじゃないもん。アプリに踊らされて、お金と時間使わされてるだけだもん。
頭悪い感じがするんだもん。