また行きました。神保町の即売会(すこし出遅れ)。それでもいくつか拾えました。
読書放浪 / 内田魯庵[他]. -- 書物展望社, 昭和8
三千円だったけど,いまNDL-OPACでみたら東洋文庫で1996年に翻刻されてた。ま,しょーがないすね。装丁も凝ってるし,まあいいや。
日本の合理論 / 鈴木正. -- 現代思潮社, 1961. -- (現代新書) 数百円
なんで狩野亨吉(カノウ・コウキチ;思想史家)と中井正一(美学者)が同じ本であつかわれてるんだろ? 読めばわかるかな? にしても,中井正一って狩野亨吉なみに偉いんかな???
プラモの歴史
これを百円でひろう。定価は150円なり
編集後記がオモシロイ
航空情報編集部編 『プラモ・ガイド:83機種の選び方・作り方』 酣燈社 昭和38 (航空情報・臨時増刊)
プラモ・ブームが日本で最高にもりあがった1961年夏 (中略) その後,プラモ・ブームは一時のヤジウマ的な人々の脱落はあったものの,着実にその根を深くひろく張りつつあり
なーるへそ,昭和36年ごろがプラモ・ブームの最高潮だったわけね。まー,いまの人たちは,昭和55年ごろのガンダム・ブームがプラモの最高潮だと誤解しているでしょうが,じつはそれより20年まえのほうが,すごかった。
というのも…
プラモのファン層がひろいことはすでにマスコミ界で好話題のひとつになっているくらいですが,この本の執筆メンバーのなかにも(中略)らの航空関係者以外に,「ゴホンといえば……」の竜角散本舗社長の藤井氏,中学校教諭の小鷹氏,木村屋パン店主人の木村氏,通信社員の加藤氏ら,おのおのその方面の第一線で活躍していらっしゃるかたがたが
つまり,名士もまきこんだブームだったのだ。「なんでも鑑定団」の司会者,石坂浩二はプラモファンで一部に知られているけど,この最初のブームの時からのファンだったはず。
で,なんかとっても啓蒙的なのがよい。
ファンのレベルの向上,メーカーの良心的な努力とあいまって,わが国のプラモ界はようやく世界水準に追いつき
と,良心なるものをプラモに持ち込んでいる。良心的プラモとはどんなプラモ(笑)?
ほかにも,パラパラ見ていたら,ある製品の紹介で
〔注意〕 かなり工程が多いからおっくうがらずに辞書でもわきにおいて,説明書をじっくり読みながらくむこと
なして組み立て説明書をみるのに辞書が必要なーのか(笑)
輸入品なわけです。そのプラモ。で,説明書が英語。輸入品のプラモなんてのは大人じゃないと買えないくらい高かった。
この後,『プラモ・ガイド』は,たしか1974年の『プラモ・ガイド1000』で絶頂期をむかえるわけで,私みたいな1970年代テイストのプラモ・ファンには涙がでるくらいなつかしい本。プラモ・ガイド。
昨今のプラモ界には啓蒙色はまるでないからねぇ。
図書館講習所の入学倍率:即売会の立ち読みから
『標準東京男子学校案内』の昭和13年版をたちよみ(笑)。
1ページごとに学校ひとつを紹介した本。東京は文化の都なのだそうな。
図書館講習所でてましたよー。専門学校のその他に入ってました。オモシロイのは入学倍率が書いてあったところ。7倍から10倍なのだそうな。まあ授業料無しと書いてあったから,それなりに人気だったのかなー。それよりおもしろいのは「特色:男女共学」とあったこと(笑)。まさか,この特色めあてに入学したやつはおらんだろーね。
この本全体でおもしろいのは「図書館」という項目があること。いまでも大学選びで図書館の充実度を参考にする本とかあるみたい。それと同じか。
大抵,「図書館:有」なんていう超そっけない記述があるきりなのだけど,図書館講習所,なんて書いてあったと思う?
「図書館:帝国図書館を自由に利用できる」(表現はうろ覚え)
すごいよ,この学校。いま,国会図書館を自由に利用できる大学があったら絶対入学するね。そんで卒業しない(笑)
まさしく,書誌学者の森銑三はこれ目当てで入学したわけですよねー もしかしてこれ読んだのかなー
これ,昭和18年版が国会図書館にあるきりだよー,それも乙部。こーゆーくだらない実用情報の古いものはフツーの図書館じゃわからんのだよねぇ
これからも即売会でいっしょうけんめい立ち読みしよっと