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古本オモシロガリズム

怪奇!図書館記念日にドッペルゲンガー

しおしおの体で会場を一巡す。すると,図書館本はっけーん(^-^*)
『図書館白書』(日本図書館協会)の1972,77,79年版ね。ほんとは80年版が欲しかったんだけど(それには,志智嘉九郎の悪口が載ってるから),しょうがない。

ほんとうは怖い図書館記念日

72年版には「図書館記念日」についての新聞記事の写しが挟まっていた。それによれば戦前の図書館記念日と戦後のとで日にちが違うということだ。記念日にドッペルゲンガーってか?! こわい!!!((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
戦前は,

昭和6年松本喜一昭和天皇にご進講したから
四月二日は図書館記念日
昭和7年全国図書館大会で制定)

なんだけど,戦後は

昭和25年に図書館法が公布されたから
四月三十日は図書館記念日
昭和46年全国図書館大会で制定)

だと清水正三(当時「前東京都立中央図書館資料部長」)氏が昭和51年4月17日の新聞(掲載紙不明)に書いている。
わちきが疑問なのは,

4/2の記念日はいつ廃止されたのか?

ということ… ん? わちきは皇国主義者なのか? いや純粋に手続き論としての疑問。それに政治的好悪の問題としては,両日を祝ってもいいのでは…

ほんとうの怖さとは (・∀・)

ところで上記2つのうち,戦後のが「事象発生年とその顕彰年が異常に離れている」という怪現象にお気づきか。
それもそのはず,戦後のは図書館法廃止反対運動の一環でできたものだから(清水記事による)。
戦前のは,

ご進講→\(^0^)/ワ〜イ→記念日

という分かりやすい図式だけど,戦後のは

図書館法公布〜( ゜Д゜)ポカーンで20年〜〜〜廃止反対(`・ω・´) /→記念日

という複雑怪奇な過程。
戦後の記念日をつくったのは単に図書館法を守るためなのか???
もちろん,それもあったろうけど,戦後の図書館人たちは

戦前の記念日の由来が嫌いだった

からなのではと邪推(合理的に推論?)してしまうわちきであった(清水記事では,戦前への嫌悪は直接には読み取れないが…)。
戦後,ようやく戦前派図書館人の影響力が低下しつつあるなか戦後派が昭和天皇がらみの記念日をde facto廃止しようとしたのではでは…
戦前のが天皇へのご進講という政治性のあるものであったという解釈はいいとして,戦後のも,どーにもこーにも政治性がアリアリ。すくなくとも20年後に記念日にするというのは不自然。戦前のほうが,よっぽど他意がないというか…

オチ:どっちも

ということで戦前も戦後も記念日は政治ということで (・∀・)
ところでこれが,行政実務上はどうかといえば,どちらもダメダメ日
というのも,4月は日本政府の会計年度始めで,予算未成立でなにもできなくなるから…
悲しいことに図書館は純粋な消費経済体(non-profit sector)。なんからの形で中央・地方政府のカネが流れ込まないと,うごけないのだ。
うーん,構造的に日本の図書館記念日は祝いづらいのー 残念じゃて