二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

漢土二十四孝伝・10 曽參(そうしん)


曽參は周の世、孔子の弟子にして常に孝心篤き故聖人も孝経を説きしめたまふ。あるとき曽參山へ薪を取りに行きける留守に親しき人来たりしかど、もとより貧しければもてなすこともならず。曽參早く帰れかしとて、指を噛みければ、その痛み曾子に通じてや曾子山にて俄に胸痛みける故、急ぎを荷なひ家に帰りければ母その(故)を語りに馳走しけるとなん。

まことに親子は骨肉一体といへども、その気の通ずることかくの如き孝子にあらざれば何ぞこのことあるべきと聖人伝へききたまひて曰ひけるとなん。

曾子薪を荷(にな)ひて山より帰り来たる。


作者口上 本朝二十四孝傅 全一冊 
これは我が国の稀なる孝子の傅を添へて挿絵を加へたる( )かんなり。
唐土二十四孝傅同様にご評判を願い上げ奉り候 以上

―――
【あらすじ】
曽參が山に薪取りに行ったあと、家に来客(どうやら曽參の友人みたいです)が。家は貧しくて接待も出来ないので母親は自分の指を噛んで曽參の帰りを祈りました。するとその痛みが山の曽參に伝わり、曽參は薪を背負って急いで帰宅し、来客をもてなしました。


テレパシーの話・・・ではなくて、母子の絆の強さを物語ったものですね。この回は文章少なくて嬉しい!
余白が多かったためか、別の本の宣伝まで入れてます。「唐土二十四孝傅」に対して「本朝二十四孝傅」。日本の偉人伝ですね。これはまだ読んだことがないのでいつか入手して読みたいと思っています。


―――

・捜神記(平凡社ライブラリー) No.276「曾子の孝心」
6行だけのお話。急な来客も出てきませんでした。我が子を思って母親は指を噛むわけですね。
―――
さてモチーフは。
1.曽參
2.母
3.薪
―――