今日は、こちらの新作アルバムのレビューを書きたいと思います。


(なお今回は、一部厳しい内容が含まれていますのでご了承ください)






カテドラル

カテドラル

1. 愛GIRL夢GIRL 2. 同じ空を見上げてる 3. 愛はあるわ 4. ワンダースノウ〜素直になって〜
5. 恋する季節 6. natsukazeマイボーイ 7. ULTRA She 8. ウォーミングアップ 9. 深呼吸の必要
10. 虹のキオク 11. カテドラル 12. -Interlude- 13. 雪の降る街 14. 雪の降らない街
お気に入り度:65点






久々のアルバムリリースとなった、甲斐名都さんのメジャー2ndフルアルバム。


去年後半に、なんとケータイ小説家デビュー。
そして先行シングル「ワンダースノウ〜素直になって〜」がそのケータイ小説のテーマ曲になったりと、
いくら自身が文学少女だったといえ、その時点で大丈夫なのかと不安になってしまったのですが・・・
その不安は、残念ながら的中してしまったようです。
2〜5曲目や、ラスト3曲といったあたりが、まさにそんなケータイ着うた歌手的なスイーツな世界になってしまいました。
3曲目がイントロやAメロからしてR&Bっぽかったり、
13曲目と14曲目が、今のスイーツ界でいう「アンサーソング」みたいな感じになっていたり、
まぁそれでもこの3曲目と13曲目は曲自体は決して悪くないのですが、
しかしやはり5曲目の「好きよ 好きよ 愛してる 愛してる 泣けてくる」とかいう歌詞の曲を聴くと、
こんな、最近の着うた歌手と同レベルのありきたり極まりない歌詞を書く人じゃなかったのに・・・
と思わずにはいられませんでした。
同じラブソングでも、1stアルバムの「夏嵐の夜」などは質が高い作品だったのに。


しかも、ケータイ小説家デビューして、今のスイーツな人たちに媚を売るような作品を作って、
それで売れるかといったら、またこれが残念ながら売り上げは1stより落ちてたりするし。
つくづく、なんていうか、こんな作品にさせてしまう今の音楽界の流れが残念です。
こんなケータイ着うたスイーツR&Bの流れも、いつかは廃れるとは思うんですけどね。
90年代、いわゆる「小室サウンド」が一世を風靡しましたが、それが今では完全に下火になったのと同じように。
でも、こちらは思ったより長く続いているなというのが正直な感想です・・・


それでも、1、7、8、11曲目といったあたりの曲は、彼女本来の良さが出ていたと思います。
どこか暖かくも、ちょっぴり痛快な感じもする、そんないい味を出していました。
そもそも歌詞からして、上記の2〜5曲目などとは質の違いが一目瞭然ですし。
決して実力が落ちたわけではなく、今でもこういう良い曲が作れるんだというのが分かりますね。


また1stアルバムの頃の「風待ちの日々」や「青の向こうにその恋を投げてしまおう」のような
素晴らしい曲や、たたみかけるようなメロディの良曲が聴きたいです。