AppleInsider: UBS と Apple 幹部との会議では Intel 移行が話題に

UBS talks Intel transition at sit-down with Apple execs
By Kasper Jade
Published: Wednesday, February 8, 2006 03:10 PM EST

UBS Investment Research のアナリストらが、クパチーノの Apple 幹部らとのミーティングから帰ってきた。このミーティングは主に、AppleIntel Mac 移行についてだったことを AppleInsider は突き止めた。

ミーティングに出席した Apple の幹部らには、CFO の Peter Oppenheimer、販売部門を担当する上級副社長 Ron Johnson、製品マーケティング部門を担当する上級副社長 Phil Schiller もいたとのこと。Intel 移行のほかにも、Apple の小売部門や iPod の将来について意見が交わされたという。

水曜日に発表された調査報告書の中で、アナリストの Ben Reitzes は、Apple の経営陣は Intel 移行は順調に進んでいると自信を持っているものの、 製品発表のタイミングによっては、販売数が短期的に落ち込む可能性があることも認識しているようだ、と述べている。

「こうしたコメントは、ニューヨーク地区の Apple 直営店での実地調査をはじめとする数十店舗での調査や、合衆国全土に展開する CompUSA といったその他の量販店での聞き取り調査から得られた指標とも一致している」 と Reitzes は書いている。「ここで思い出してほしいのだが、Apple は 6 種類のラインアップのうち、わずか 2 種類の Intel ベース Mac しか発表していないことだ。残りのラインアップは 2006 年中にも出揃うはずだ。」

Reitzes はまたミーティングにおいて、AdobeMicrosoft のソフトウェア移行計画についても長時間意見を交わした。「われわれの調査では、Intel プロセッサを搭載した新しい Power Mac は 9 月までに発表される可能性があるというものだが、その時点になっても、Photoshop のような Adobe の主要なハイエンドアプリケーションは AppleRosetta エミュレーション環境が必要だ」 と Reitzes は書いている。しかし、Adobe は 2007 年春まで主要なクリエイティブプロフェッショナル向けソフトウェアの Intel Mac 版を発表しない予定だとの Adobe 幹部のコメントを勘案すると、Power Mac の売り上げは 2007 年会計年度まで伸び悩む可能性がある、と彼はみている。

Apple 経営陣は、一般ユーザを対象としたほとんどのソフトウェアアプリケーションは Rosetta でもスムーズに動作するはずだと自信を見せているようだが、ハイエンドのプロフェッショナルユースではある程度のパフォーマンス低下があることも認めていたようだ。

「一部のプロフェッショナルクリエータらは、AdobeIntel ベースの Mac でもコード変換をせずに動作する『ユニバーサル』 コードでソフトウェアを発表するまで待つだろう」 と Reitzes は語っている。彼は、Power MacApple の今年第 1 会計四半期の売り上げの 6%、Mac 販売台数の 12% を占めると予測している。

Adobe の製品投入タイミングが及ぼす Power Mac および一部のハイエンド iMac をめぐる懸念はあるものの、新しい MacBook ProiBookMac Mini、その他の製品を求める消費者の需要は、2007 年会計年度の落ち込みを補って余りあるのではないか、と Reitzes は考えているようだ。

Apple の経営陣は、一部のユーザは Adobe がソフトウェアの新バージョン投入まで待つかもしれないと認めたうえで、Microsoft Office (特にワープロ) は Rosetta 環境下でも比較的スムーズに動作すると感じているようだ。「Apple は、ほとんどのユーザは Office ソフト (Word、Excel、など) を使用する際に、パフォーマンス面で不満を感じることはなく、パフォーマンス特性も問題ないレベルにあると考えているようだ」 と Reitzes は書いている。「同社はまた、MicrosoftAdobe と同様、クリエイティブソフトウェアの 『ユニバーサル』 コード開発に積極的に取り組んでいるとも語っていた。」

一方、UBS が Apple 直営店を対象に行った調査によると、MacBook Pro への反応は非常に良く、今年後半にも需要が跳ね上がるのではないか、としている。「われわれが行った調査や Apple とのミーティングから、新しい MacBook への問い合わせレベルは非常に高く、さらに多くのモデルやアプリケーションが登場すれば Mac の売り上げに貢献するだろうことは明らかだ」 と Reitzes と語っている。「その結果、消費者向け Mac の出荷が落ち込んだとしても、それは、これから 2 - 5 ヶ月間という時間の問題でしかないだろう。」

UBS はさらに将来に目を向けて、Apple は懸命に革新技術の開発にあたっており、2007 年までに複数の製品をアナウンスできるよう準備しているものとみている。同社が発表の可能性があるとして挙げている製品には、デジタルハブ、iPod スピーカー、そして Apple ブランドの携帯電話が含まれている。

Apple は、来年にかけて iPod スピーカーや Apple ブランドの携帯電話を投入して、新しい消費者市場へと乗り出す可能性がある。Apple はそうした新市場で、消費者の間で爆発的な人気となった iPod を生んだ革新的な機能やデザインで大きな影響力を持てる可能性がある」 と UBS は語っている。「さらに、Apple は引き続きコンテンツパートナーと新しい提携関係をアナウンスし続け、現在ダウンロードで提供しているメディアを増強していくものと楽しみにしている。」

Apple 経営陣はまた、UBS のアナリストらに対して、Apple の自社ブランドのアクセサリよりもサードパーティ製アクセサリの方が多くの収益を出すことが可能で、そうしたパートナー各社と引き続き新しい製品を模索していく計画である、とも伝えたようだ。

UBS は引き続き Apple 株の評価を 「Buy」 とし、目標価格を 100 ドルとしている。