AppleInsider: Apple の動画対応 iPod の価格設定に Microsoft は驚愕

原文:Apple's video iPod pricing catches Microsoft by surprise
By Slash Lane
Published: Friday, September 15, 2006 12:25 PM EST

Microsoft は木曜日、Zune デジタルメディアプレーヤを公式に発表したが、詳細な価格設定は公表しなかった。これは、Apple Computer の動画対応 iPod の積極的な新価格設定に度肝を抜かれたからではないか、とウォール街のアナリストは語っている。

Microsoft は公式に Zune 携帯メディアプレーヤ を発表した。同機器のスペックは、Toshiba FCC の資料 に沿ったものだ」 と American Technology Research のアナリスト Shaw Wu は金曜日クライアントに向けて語っている。「しかし、価格設定と発売時期が発表されなかった。Apple の新型 30GB 動画対応 iPod の積極的な価格設定に Microsoft が驚いたためではないかとみている。」

Zune も同じく 30GB のハードディスクを搭載しており、$299 で発売されるのではないかと長い間噂されてきた。しかし Apple は、並外れたコンポーネント供給価格のおかげで、iPod の新モデルの価格を、他社が収益をあげるどころか競合さえできないようなレベルにまで引き下げることができるようになった。

Microsoft は、市場で競争力を保つために、さらに大きな損益を覚悟しつつ価格設定を練り直しているのではないか」 と Wu はクライアントに向けた調査報告書の中で述べている。「われわれは、大々的に宣伝されている Zune を冷めた目で見ている。というのも同機器は実質的に Toshiba Gigabeat を着せ替えただけのもので、既存の Windows Media 機器と比較しても特に大きな差異はないからだ。」

ただ、Microsoft の膨大なリソースと知名度の後押しをうけて Zune はある程度の成功を収める可能性もある、と Wu はみている。しかし、こうした成功は、Creative、SanDiskSonyToshibaSamsungiRiver、Archos など、同社の Windows Media 「パートナー」 らの犠牲の上に成り立つものになるだろうともしている。

「興味深いのは、MicrosoftZune 携帯電話の開発を進めているらしいことだ (どの段階かは明らかにされていない)」 と Wu は続けている。「これは驚くにはあたらない。というのも、コンピュータおよびコミュニケーションテクノロジが収斂するにつれ、あらゆる PC ベンダーが携帯電話市場に参入する可能性があるからだ。」

Wu は今週初めに発表した調査報告書の中で、バッテリやより高い解像度のビデオ、ユーザインターフェースといった iPod の主要部分で Apple が成し遂げた進化に感心するとともに驚いてもいるとしていた。新しい iPod 製品ラインアップにこれらの拡張を施すことで、Apple はライバルに対してさらに大きな差をつけることができるだろうとしている。

「われわれにとって、先代の動画対応 iPod でもっとも問題となっていたのはバッテリの駆動時間だった」 と Wu は書いている。「しかし 70 パーセント以上 (30GB モデルでは 2 時間から 3.5 時間に、80GB モデルでは 4 時間から 6.5 時間に、nano では 14 時間から 24 時間に) もバッテリ駆動時間を延ばせたことで、AppleワイドスクリーンBluetooth 機能の追加に一歩 (あるいは二歩) 近づいたといえる」 Wu は続けて、こうした機能が 2007 年前半のある時点で導入されるのではないかという更なる確信を抱くようになった、としている。

Wu は、Apple の優位性と成長予測が引き続きテクノロジー企業大手のなかでももっとも強力であるとして、同社株の 「Buy」 評価を強調し目標価格を $91 としている。