AppleInsider: Hachette の対 Amazon 価格交渉に塩を送る Apple の iPad 交渉

原文: Apple's iPad deal gives Hachette pricing leverage against Amazon

By Sam Oliver
Published: Friday, February 5, 2010 08:10 AM EST
Apple iPad との契約を締結した後に、9.99 ドルという標準的な電子ブック価格を引き上げようと目論む出版社に、Hachette Book Group も名を連ねることが、同社が今週発表したアナウンスから明らかになった。
Hachette CEO の David Young による書簡では、Amazon についても、電子ブックの新刊について 12.99 〜 14.99 ドルという価格変更について 具体的には触れられていないものの、同社は電子ブック販売を「エージェンシーモデル」へと転換するとの意向をのべている。 このモデルを採用することで、同社はコンテンツから上前をはねることができるようになる。例えば、AppleApp Store でのケースでは、全売上の 30 パーセントになる。
「エージェンシーモデルには、我々の著者、小売店、消費者、そして出版社にとって数多く有利な点がある」と Young は書いている。 「このモデルなら、Hachette が、自らの著者の作品の価値を反映した妥当な価格決定ができる。
「長期的に、このモデルのおかげで Hachette は継続した投資をおこない、メジャーな人気作家から新人まで、著者のキャリアを伸ばしていくことができるようになる。 我々の著者へのこうした投資なくして、小売店の多様性だけでなく、消費者が手にできる書籍の多様性を保つことはできないし、そうなると、我々の書籍文化は廃れてしまうことになる。」
AppleiPad の iBookstore のために交わした契約の条項は公式的には明らかになっていないが、出版社が ベストセラーの新刊ハードカバー に 12.99 〜 14.99 ドルという価格を設定すると広く噂されている。 出版社の Macmillan は、Amazon Kindle 電子リーダーでもこうした価格設定の権限を求めており、これによって Amazon での同出版社のコンテンツ販売が 一時的に停止される ことへとつながった。
しかし、その後ほどなくして、両社は 合意に達しAmazon は渋々ながらもほとんどのハードカバーリリースを 12.99 〜 14.99 ドルで販売することになった。 Amazon はしかし、こうした価格が「不必要なまでに高い」と感じていると指摘している。
Macmillan に加えて Hachette の側には出版社 HarperCollins も加わることになった。同社もまた、Amazon と電子ブック価格をめぐって 契約の再交渉 を求めたい意向だ。 News Corp の CEO Rupert Murdoch は、新価格はこれまでよりも「やや高くなる」というものの、AppleiPad との合意を受けて、Amazon は最終的には「交渉の場につき」議論することになるだろう、としている。
Hachette CEO の Young は、報道機関に向けた書簡のなかで、このエージェンシーモデルへの移行は、電子ブックでより多くの金を稼ぎだそうとするものではない、としている。
「実際、この新しいモデルでは電子ブック一冊あたりの儲けは少なくなる。しかし著者にはひきつづき公正な報酬が支払われ、我々の電子ブックエージェントはデジタル販売ごとに儲けを出せる」と彼はしている。 「我々は、書籍およびコンテント全般において、自ら製品量を管理できるので、より低いリターンを喜んで受け入れる。 我々は、電子ブック価格について長期的な視点にたっており、この新しいモデルが、同書籍市場の長期的な可視性を保つよすがとなってくれる。」
HarperCollins、Hachette Book Group および Macmillan の三社はすべて、AppleiPad に向けて新しい iBooks アプリケーションを導入した際に、特に大きく取り上げられていた。 三社は、Penguin および Simon & Schuster と共に、Apple との間でコンテンツを巡る契約を交わしている。