シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

バットマン vs スーパーマン

 マン・オブ・スティールを観た印象から、同じ製作陣による本作は期待できない。それでもあえて劇場まで足を運んだのは貧乏性からである。
 バットマンとスーパーマンの2本分を一回で観られる。しかもワンダーウーマンまで観れるなら・・セコイ期待感を抱いて、2時間半もの長丁場の作品にケツの痛みを感じながら、土曜日の午後を過ごした。が、やはりそれは失望感に苛まれる運命だった。
 出だしは良かった。マン・オブ・スティールのクライマックスを現場の人間目線からスタートし、スーパーマンの戦いが弱小な人間にとっては多大な悲劇を生んでいる事実から始まるのだ。バットマンの敵意を買う流れとして自然であり、そこを利用するレックス・ルーサーの悪の天才ぶりも面白かった。バットマンの衣装はゴツくてダサいのは、スーパーマンと戦うなら無理もないところだ。
 2人の戦いは悪くない。そして、その決着の付け方も伏線を張った上手い展開だ。その後、2人は結託してバケモノ退治へ・・これが正直言ってまったく要らない。すべて要らない。そこから突然登場するワンダーウーマンも、なんだオマエは?という添え物感しか覚えない。超カッコイイ登場なのがむしろ違和感と失笑を生んでいる。
 別にベン・アフレックガル・ガドットの配役に文句はない。むしろ適役とも思えるし、ジェシー・アイゼンバーグジェレミー・アイアンズは個性的で実に良かった。
 本作が決定的にダメなのは、普通の観客には意味不明なシーンばかりが多く、ストーリーを理解しようとするユーザーを無視した傲慢な独りよがりの作品だからである。
 DCコミックのマニアでなければ分からない、いやそうであっても意味の分からないであろうシーンがザクザク差し込まれ、トイレを我慢させるほど長い作品にする目的が分からない。おそらくマーベルに対抗して、今後の超人チーム編成の伏線にしたかったのかもしれないが、この作品で終わる可能性大である。そうなればさらに滑稽極まるところで、ゴールデン・ラズベリー候補だ。
 本作の唯一認めたいシーンは、降って沸いたワンダーウーマンに唖然としたスーパーマンバットマンの短い会話だけだ。その笑いのセンスで最後までもっていけばいいものを・・