アマ作家日記4【男の世界】
男の世界とはなにかについて。
男らしいキャラクターを作ろうと思うと、すぐガチムチ兄貴とか筋骨隆々系を想像してはいけないと思うのだ。
男の世界は見た目では無い。
女々しさを兼ね備え、なおかつ男らしいキャラクターといえば、ご存知テイルズシリーズの人気者、リオン(=ジューダス)だ。
リオンは狂気の父によって物心つくまえに母を無くした。成長し天才剣士として名を馳せる彼が心を開くのは、母に酷似した(と言われる)女性、マリアン。
リオンはマリアンを守るため大切な仲間を裏切り死に至るが、その死体すら操られ戦わされる。それでも、マリアンへの思いや仲間との絆は忘れなかった。
時は流れ、神の降臨した時代。彼は神フォルトゥナの化身エルレインによって蘇るが、手駒になることを拒否。かつての仲間の息子を影から守る役目を自らに課すのであった。
…こんな感じ。
見た目も設定も16歳だが、これほど男らしいキャラクターは他になかなかいない。
この初志貫徹ぶりをみよ!惚れた女にはとことん尽くすのが男だが、それは決して寄り添い抱きしめるのが全てでは無いのがまた男よ!
このように男らしさは主張しすぎなくても充分に力をもつ魅力なのだ。
ベジータはエリート戦士。エリートとして、また一人の戦士として、ライバルで下級戦士の息子、孫悟空に負けるわけにはいかない。
そのため努力し、修行し、技と力を磨いていくが、事あるごとに悟空はその上をいく。
そして最後には、「お前が最強だ…!」と悟空を認め、第一線を退くのであった。
…とまあ、いふべきにもあらずだな。
ここで注目したいのは、男の世界はプロセスもそうだが、大事なのは結果だということ。
ベジータには悟空と張り合って負けたプロセスがあるが、最後が良かったのである。ベジータとは圧倒的に実力の離れた敵、魔神ブウと互角に戦うライバル、悟空の戦いを見て、素直にその凄さを認めたのが良かった。
張り合って負けた、で終わっていたらここで例には挙げられない。だがその結果がプロセスを跳ね返す魅力を持っていた。
ベジータの戦いはそこで終わり(アニメでは続いたけど)、新しい人生が始まるのである。
この潔さと粘り強さ。そしてけじめの付け方!まさに男ではないか。
前述のリオンにしても、主人公スタンとの戦いに敗れて海の底に沈みました、じゃダメなのだ。
魅力はその後生き返っても、思い人のマリアンや実の姉で唯一の肉親ルーティに決して会おうとしないところだ。
会わないことがけじめ!自分はもう死んだ人間だから、という結果から逃げない男らしさ!
男の世界とは結果とけじめのかっこよさで決まる。
そしてその魅力は、多少のマイナスならばプラスに転じてしまうほど強力なものなのだ。
ようこそ男の世界へ!
(ジョジョネタで締めてゴメン)
アマ作家日記3【異常性】
フィクション上の、【異常性】について。
僕はエロ作家ではないが、よく【姉×弟】だとか【女×女】だとかを使う。
現実に有り得ない、というと偏見かもしれない…身近でない、または現実世界では法律的にヤバイと言い直そう。
とにかくそういうのを扱う。
ただしあくまで【ギミック】としてである。
料理で言えばスパイスか、隠し味か、付け合わせといったところだ。
これがメイン食材だと【エロ小説】になるわけだ。
エロ小説はエロがメインだから、背筋がムズムズするくらいそれを生々しく描写すればそれでよいが、そうではないので、そのギミックで何かを表現するのである。
たいてい、そのような批判の的に成り兼ねないギミックを敢えて使うのは、好感の持てる異常性の演出である。
別に弟を守って倒れた兄貴でも構わないのだが、そこには異常性がない。現実に有り得そうで面白くないのだ。
そこで姉を守って倒れた弟にしてみる。しかも、弟は死ぬ間際、姉を姉としてではなく、一人の女性として本気で愛していたことを告白する。姉は死にゆく弟の身体を抱きしめながら、気付いてやれなかった自分を心の中で詰り、そして愛する弟を殺した相手に復讐を誓う。以後、姉の心は弟でいっぱいになり、弟は姉の中で永久に生き続ける。弟が力無く事切れると、姉は弟の冷たい唇にそっとキスをする…。
…と、こんな具合である。
異常である。現実にいたら完全に倒錯している。
だがこれも感動のシーンになってしまうのである。感動が異常性に強められ、その嫌な感じを掻き消して、後には感動が残るのである!
異常性は、このように感動と一体化して臭みが消える。もしかしたら、感動の臭みを消しているとも言えるかもしれない。お涙ちょうだいみたいにならない効果もあるかもしれない。その意味でも危険なスパイスである。
たまには好感のもてない異常性も、背筋が凍り付くのでよい。
殺した相手の死体を犯す狂気のネクロ・フィリアだとか、人体の一部をコレクションする解体趣味の殺人鬼だとか…現実にいたら怖すぎるが、フィクションの悪役にはこのくらいがちょうどいい。
怖さを演出する異常性である。この場合は異常でなければ怖くないとも言えるかもしれない。
とにかく印象的なキャラだとかシーンを作るには、時として異常性がとても効果的なのは薄々わかってもらえただろう。
世の中に有り得ないものを書き出すには、何が世の中に存在するかを知らねばならない。これからの課題の一つだ。頑張ろう。
待て次回!(笑)
アマ作家日記2【弟キャラ】
菊池蘭童作品の定番(?)の【弟キャラ】について。
ある時から、弟キャラにはまっている。
弟キャラとは、僕の中での定義は以下のようになっている。
○姉がおり、【お姉ちゃん】と呼ぶ。
○姉と非常に仲が良い、または姉をとても慕っている。
○姉を守るためなら身を投げうつ覚悟がある。
○甘えん坊である。それを隠している場合もある。
この4項目。
もちろんこれには魅力的な姉キャラが付随することになるが、そちらは定義はほぼない。色々な場合がある。
ペアとして動くキャラの片方にのみテンプレートを設けるのは、多様性を維持しつつ一定の作風を貫きたいという狙いがある。
さて、いつから僕が弟キャラにはまっているのかというと、きっかけは【子供郷】という未発表作品に着手した時だった。
シーザンというキャラクターが登場する。主人公のライバル的な存在で、二本の剣で戦うクールな双剣士。幼い頃の記憶の無い少年、という役柄である。
一見、テンプレートに当て嵌まる部分はない。というか、最初はそういう予定ではなかった。
この【幼い頃の記憶が無い】という設定は、陰惨な過去を持たせて初めて動く。そこでベタに【親に捨てられた】と発想したが、何か足りなかった。
そこでプラスして、【実の姉を本気で愛し、その姉の手で記憶を消された】とした。
グッと陰惨になった(笑)
そこからシーザンの姉、魔女シルフィのキャラが誕生した。
魔女シルフィは、母にして魔女族の長・大魔女シルクスに付き従う右腕。だが冷酷非情な行いの数々に良心の呵責を感じている。
そこで二人の弟を愛情をもって世話をすることでせめてもの罪滅ぼしにしていた。
が、その双子の兄弟のうち一人を殺すように命じられる。
泣く泣く一人を殺したシルフィだが、残った一人、シーザンは別邸に移し、母の手が届かないところで大切に育てる。
だがシーザンにも母の魔の手が及び、やむなくシルフィはシーザンの記憶を消して人間の街へ。信頼できる人間に弟を託す。
…というキャラになった。
ストーリー上、二人が再び出会うまではシーザンはクールなキャラだが、出会ってからは一変、弱点のあるキャラになる。
シーザンは他の女性、神官ホーリィと結ばれるのだが、彼の中で姉の存在は大きく、それがホーリィとの仲に暗い陰を落とす。
ネガティブな弟キャラの使い方である。
いつもはクールなキャラが、姉の前ではたじたじ。そんなシチュエーションがGOODである。
まあ、このストーリーの場合は姉シルフィは死んでしまうので、特殊なタイプである。
ストレートなのは、今執筆中で次回全体会にプロット出す予定の中編【秘密基地】に登場する兄弟姉妹の末っ子、リーヴェである。
主人公で脱走兵のシンは、孤児を集めて家族を築いた。
兄弟姉妹のように暮らす五人の子供も末っ子リーヴェは、姉で母親役のピースにべったり。いつも彼女のエプロンの裾を掴んで離さない。
というもの。ストレートである。
前述のシーザンは弟という【色付け】であったが、このリーヴェは弟が【アイデンティティ】である。
このように人の弱く、甘えた一面を書き出すとき、弟、というのはちょうどよい。
そこに強さというギャップを加えることもあれば、甘えの抜けないダメな奴をそのまま描くこともできる。
僕の中で大きな意味を持つ設定【弟キャラ】。
これからも事あるごとに登場するので、【またか(笑)】と思ってくれたらうれしいかぎりである。
アマ作家日記1【SEIでの処女作】
SEIでの処女作となる
【Ring of Rings】
について。
限りなくネオロマに近い現代風ファンタジーアクションラブストーリーってところか。
ターゲットは女性。
主人公は女性で、その周りを魅力的な男性キャラが囲む…みたいな構成。
遥時とかアンジェリークをイメージしてくれるといい。
↑がわからん人は…FF10のユウナのガードがみんな男になった感じ(笑)
それでいてバトル要素や人間ドラマなどで男性票を離さない工夫をしたい。
男性がどんなものを好むかは微妙なところだけど、そこを研究して取り入れたいところ。
基本的な進行などはネオロマの研究結果に基づく。
ストーリーはだいたいこんな感じ。
ごく普通の明るい高校生日々野明日香(ひびの あすか)は、ある日露店商からきれいな指輪を買う。
しかしそれは、指輪に住む妖精を使役する特殊な指輪だった。
妖精の王・時を操る妖精フェイトのマスターとなった明日香は、永久に終わらない指輪使い達の戦いに終止符をうつ為に、
フェイトの半身・妖精の女王ソフィアを探しながら、仲間を集め、数々の刺客と対決する。
…というもの。
これが成功したらターゲット女性の方針を固めよう。
萌えキャラ乱発で男性票狙うのやだし。第一、僕の萌えはズレてるから掠らないし(笑)
パートナーは広瀬りとちゃん。
中学からの付き合いってことになる。
彼女の書くキャラはかわいい。男女問わずかわいい。
それだけに彼女あってのこの路線。
さてさてどうなることやら。