棺桶まで持って行きたいアルバム
- アーティスト: bloodthirsty butchers,吉村秀樹,小松正宏,射守矢雄
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2007/05/16
- メディア: CD
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ブッチャーズに関してコトバで表現する事ってのは、本当はしたくないんです。というか定義つけることが自分の感性というか価値観を狭めてしまう気がするんですよ。それにちゃんと伝えられる気もしないんです。表現出来る幅が足りない気がする。そんぐらい僕の把握できてないエニシングというか何かを沢山持っているバンドなんですよ。
でもやんないことには紹介できないので自分がブッチャーズを好きになった経緯をお話します。
「メロコア大好き!」「カリフォルニア最高!」な十代も終わりに近づいた頃の話です。
海外のコアバンド漁りも飽き始め、日本のパンクバンドをイロイロ聴いていた時に、
実兄より
「あのイースタンユースと仲の良いバンドみつけたぜ!!」
と自慢げに
「LUKEWARM WIND」
- アーティスト: bloodthirsty butchers
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 1999/04/21
- メディア: CD
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僕は根性の曲がった性格なので、そんな風に自慢げにムリヤリ聴かされたものに対して「カッコいい!!」なんて反応を見せるはずもなく、まして聴いてるそばで十秒ごとに「な!カッコいいだろ!」みたいな事を言ってくる実兄の隣では、どんな良いバンドでも良く聴こえる筈ありません。「ふ〜ん、んで?」ってなかんじで興味なさげな反応してました。
「じゃあ貸すから、じっくり聞いてみ!!イースタンの昔のやつみたいでマジ良いから!!」とムリヤリバッグにねじ込まれたブッチャーズCDは、その後我が家のテーブルの下に「ザ・ベスト」と共に放置されていたのであります。
一ヶ月ほどしたある晩、「ザ・ベスト」を取り出そうとして「ああ、そういえば」と思い出したのがきっかけでやっと素直に聴く機会ができました。
ところがいざ聴いてみると、その音は、当時私が好きで聞いていた音楽とはちがうものでした。聴いたことのない空気が漂っていて、思わず「ザ・ベスト」をめくる手を止めて聴き入ってしまいました。
得体の知れないさみしさというか切迫感みたいなモノが感じられ、うすらさむいというかなんだか変な気分になり、なんか凹んでしまったんですよ。特に自分の人生経験のなにかとダブったりとかこれといった原因が見当たらないんです。曲タイトルにもあるとおり、ホント「なんだかかなしい」ってかんじ。
今までファットレック系とかの底抜けに明るい音楽を好んで聴いていた僕には、理解の難しい感情でした。なんというかアルミホイルを奥歯じゃなく前歯で噛んでいるような感じ?痛くないのが痛い?みたいな。正直聴いていて疲れてました・・・。
「なんだこれ??」と、お口直しに
ペニーワイズ
- アーティスト: ペニーワイズ
- 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
- 発売日: 1999/05/26
- メディア: CD
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結局その晩は「ザ・ベスト」使用する気力なし、でした。
翌日もその状態は、どんどん加速していく一方で放心状態って感じでした。仕事もミスしまくりで「なんかおっかしいな〜・・・」って何回も独り言してた記憶があります。
仕事場のヴィジュアル系大好き人間に「どうしたん?」って聴かれたので、この人なら理解してくれるかな?と、事の顛末を話したところ、「聴かなきゃいいじゃん」と一蹴されました。
そんで、
なぜかウチでブッチャーズ聴いて号泣してました。
なんか、もうその「なんだかかなしい」状態がピークに達してて「ホントにかなしい」んですね、その頃には。全然悲しい理由なんかないのに、よくわかんないけど激しく悲しいんです。
確かに職場のヴィジュアル好きの言うように、悲しいなら聴かなきゃいいのにって僕も思うんですけど、悲しい中に救いがあるんですよ。なんかこう燃えてるようなアツいのが。それがたまらなくて。もともとブッチャーズ聴いたせいでこんな気分になってるのに変な話ですよね。
やり場のない感情を代弁してくれてるような吉村秀樹さんのギターの音がたまらなくかっこ良く感じたんですよ。
この時点で、ブッチャーズを聴くときに感じていた疲労感は影も形もなくなっていました。
その翌日、
耳にあの個性的なドラムやかき鳴らすギターの音やら歌心満載なベースの音がこびりついてはなれないんです。なんか落ち着かないというか、ブッチャーズが聴きたくてしょうがない禁断症状みたいな感じですよ。
この時点でやっと、ブッチャーズに惚れちゃってる自分に気がつきました。
書いてて思ったんですけど、なんか実際の恋愛と似てるとこありますね。
凄いことだと思うんですよ、価値観の違いを超えて・・・とかじゃなく価値観の違う人間を作品を通じてムリヤリこっちの価値観へ引っ張っちゃうパワーって。ライブ見たわけじゃなく音源聴いただけなのに、頭つかまれてグイッってこっち向けられたかんじ。自分も音楽カジってるだけになおさらそう感じます。
ロック音楽はどういう風に誕生したのか、とかってたまに考えるんですよ。そんでその後にハードロックだあパンクだあメタルだあってどんどんいろんなロックのジャンルができるわけじゃないですか。
新しい価値観を提示、その価値観の中で一喜一憂を見せるってのは、ある種「ロック(表現)の本質」とも言えるのではないでしょうか。もちろんそれが全てって訳はないけど。(「宗教」とか「洗脳」とかって例える人いますよね。好きな表現じゃないですけど)
「よく把握出来ないけど素敵」とか「頭では認知できてないけど、聴く回数増えてる」みたいなのも重要かなって個人的には思ってます。そうやって好きになったバンドって、もうどんな楽曲やってても肯定してしまうんですね。、曲が好きっていうより、もう人が好きってやつですね。ロリータ18号とかレッチリとかファウル初めて聴いたときもそんな感じでした。ニルバーナも忘れられませんね。
確かにこの頃、私の人生における試練みたいな出来事が連発した時期で、多少気持ちが不安定だったんですよ。
よく判んない事
パフィーが歌ってる、
志村けんがパラパラやってる、
とかの事象で
異常に感動して号泣とかしてたし感情の起伏が激しい時期だったってのはあるんですよね。
音源って思い出が詰まってたりするじゃないですか。聞くと一気にあの頃へ戻れるみたいな。そういうのブッチャーズの音源って沢山出来そうなんだけど、そういうの差っぴいても好きになってたと思います。今現在までずっと聴き続けてるからピンとこないんですよ。
ブッチャーズの思い出、定期的に上書きされちゃってます。何かあると聴いちゃうんですよね。
「kocorono」
- アーティスト: bloodthirsty butchers
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 1996/10/23
- メディア: CD
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喋ったことなんかないし只のいちファンですけど、ブッチャーズに出会えて私は本当に幸せでした。
これから先、こう言い切れる音源と、今後の人生で幾つ出会えるんだろうか?楽しみだ。
ナンバガの田淵さん加入後の□(シカク)ブッチャーズも大好きです!!でもライブ行った事ありません・・・今年こそはいくぞ!
AIRJAM2000の時の映像。
このときはホント出演者と食い合わせが悪くて。
(モッシュとかしたい人が大部分だろうし)
見に行った奴いわく「絶好のタバコTime」っていうくらい
もうビデオで見ても分かるくらいスタンドがガラガラでね。
本人にしてみれば、レイジアゲインストザマシーンの日本公演の前座やった時に比べたらマシなんだろうけどね。
(かなりヤジ飛んでたらしいね)
俺はハイスタもブッチャーズも同列に好き!どっちもいろんなモノを与えてくれた。