国連独立専門家、イスラエル入植地によって利益を得ている企業のボイコットを要請

入植地製品ソーダストリームによって多大な利益を得ているシナジートレーディング社および同製品を販売している小売企業にとって、大変重要な報告書が、国連特別報告者リチャード・フォーク氏によって国連総会に提出されました。(英文報告書全文はこちら


原文:UN independent expert calls for boycott of businesses profiting from Israeli settlements

2012年10月25日(国連広報センター)

国連独立専門家は、本日、国連総会および市民社会に対し、被占領パレスチナの中のイスラエル入植地から利益を得ているイスラエルおよび他国の企業に対する抗議行動を行うよう要請した。

「私の主な勧告は、報告書の中にある企業、そして、その他多くのイスラエル入植地から利益を得ている企業は、彼らの活動が、国際人権法および国際人道法、それらに関わる諸水準を順守するまで、ボイコットされるべきだということです」。被占領パレスチナにおける人権状況に関する特別報告者リチャード・フォークは、国連総会に報告書を提出する際、ニュースリリースの中でこのように語った。

アメリカのキャタピラー、フランスのヴェオリア、イギリスのG4S、ベルギーのデクシア・グループ、イスラエルのアハヴァ、スウェーデンのヴォルヴォ、オランダのリワル・ホールディング・グループ、イスラエルのエルビット・システムズ、アメリカのヒューレット・パッカードイスラエルのメハドリン、アメリカのモトローラスウェーデンのアッサ・アブロイ、メキシコのセメックスといった企業の活動を取り上げ、特別報告者は、広範なイスラエル企業や多国籍企業が、イスラエル入植地の建設や維持に関与していることに言及した。

「東エルサレムを含む西岸地区におけるすべてのイスラエル入植地は、国際法に明確に違反するかたちで建設された」とフォーク氏は述べた。

「しかし、今日、イスラエル入植地は、西岸地区の40%を支配し、50万から60万人のイスラエル市民がパレスチナ領に居住している」と彼は続けた。「過去12ヶ月間だけでも、入植者人口は1万5000人以上増加した」。

彼は、国連総会に対し、「国連グローバル・コンパクト」「企業と人権に関する指導原則」など、現在発展しつつある、企業と人権に関する国際法や諸水準に注目するよう求めた。

「グローバル・コンパクトに示された諸原則は明確なものです」と彼は述べた。「企業は、国際的に明示された人権の保護を支持し、尊重すべきであり、人権侵害に加担していないことを明確にすべきです」。

「グローバル・コンパクト」は、企業の活動と戦略を、人権や労働、環境、汚職防止といった分野において普遍的に認められている諸原則に整合させるための、企業に対する戦略的な政策イニシアチブである。また、「指導原則」は、人権理事会によって採択されたもので、企業活動が人権に悪影響を及ぼす危険を防ぎ、除去するための国際的基準を与えるものである。

また、フォーク氏は、武力紛争において犯された違法行為に対する法人および個人の刑事責任に関する展望を指摘する、国際赤十字委員会によって発展されてきた基準についても言及した。

「つまり、企業は、国際人道法の諸条項に違反してはならないのです。また、いかなる違反行為に共謀してもいけません。もしそうしたことをすれば、刑事責任ないし民事責任を問われることになるでしょう。そしてこの責任は、そうした企業の従業員個人に対しても問われ得るものです」。特別報告者は、彼の報告書を提出するにあたり、このように述べた。

さらにフォーク氏は、彼が報告書で名前を挙げた企業すべてに手紙を送付し、その中の数社からは積極的な反応があったことにも言及した。

「アッサ・アブロイ社が、Mul-T-Locksの工場を西岸地区からイスラエルに移転させたこと、また、デクシア・グループやG4S、セメックスが、その企業活動をグローバル・コンパクトに示された彼らの義務に沿ったものとなるようにする方法を模索しているということは、励みとなる動きです」と彼は付け加えた。

独立専門家、あるいは特別報告者は、ジュネーヴの人権理事会によって、ある国の状況や特定の人権分野について調査し、報告をするために指名される。その地位は名誉職であり、専門家/報告者は、国連の職員でもなければ、仕事に対して金銭が支払われることもない。