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BOY’S VOICE 〜永遠の少年たち〜

2017-08-17 8.13 赤坂ACTシアター 『ビリー・エリオット』観劇記

ビリー・エリオット

[][] とうとう日本にやってきた!傑作ミュージカル

お盆に上京して見に行ってきた待望のロンドンミュージカル『ビリーエリオット』。久しぶりに重い腰を上げ、昨夜遅くブログを書いてアップするつもりがまさかのエラーで全消失してしまい、かなりの落胆状態でした。なので、いつものように書きなぐりでいきたいと思います。


私が見た回は、主役ビリーに木村咲哉君。アクロバットとダンスが得意な最年少のビリーとのこと。顔立ちもいわゆる”普通寄り、の可愛い男の子”ですが、上京前に写真を見ながら「私は、この子を見るのか〜。」と思い浮かべていました。


何せ5人もいるビリー役。チケット購入時には、キャストは大方決まっていたのでしょうが、事前には大人キャストしか分かりませんでした。決め手は日時とウィルキンソン先生役の柚希礼音さん(元宝塚男役トップスターで、在団中数回舞台を見ていたので即決)。ビリー役は、1年にも及ぶ厳しいオーディションで選ばれた、という話を聞いていたので、「まあ、どの子でも大丈夫かな」という感じでした。


その後、もう少し活字や映像で少年達の情報が入ってきました。観劇後に録画でWOWOWのドキュメンタリーを見たのですが、バレエが得意な子、歌が得意な子、根性で勝ち取った子、負けず嫌いの帰国子女、と個性がバラバラなビリー役の少年達を知って、「ああ、やっぱり何人か違うビリーも堪能したかったなあ」と軽く後悔しましたね。


熊本出身で、歌声のとても綺麗な未来和樹君(15歳で変声前)は、熊本地震中にオーディションを受けていて「こんなところで歌なんか歌っていていいのか」と、胸を痛めていたそうです。親しくしていた隣人の方に、LINEで自分の歌声を送ったそうで、その声が彼の優しい心と合わさって、とても透明で美しかったです。


また、シンガポール在住で家族の猛反対にも負けずにビリー役を勝ち取った努力の人、山城力君は、以前ビリーエリオットの舞台を見て感動し、日本でのオーディションをどうしても受けたくて、親の前で土下座したのだとか。お母さまが「10歳の子が・・・土下座するんだ。」と驚いたそうです。ダンス未経験な彼が、部屋の中にダンスフロアを作って自主練習している様子が、流れて感動。


一方で、バレエが得意でそれなりに入賞経験もあり、まさにエリート街道まっしぐらの加藤航世君、さすがバレエの実力は飛びぬけていたので、気になる存在です。アメリカ育ちの前田晴翔君は、「どのダンスでも誰にも負けたくない」と強気の精神力が印象的な少年。オールマイティーなダンサーのようですね。


さて舞台に戻って、もう一人のキーパーソン、マイケル役は城野立樹君。愛嬌のある笑顔と舞台度胸で、タップの見せ場も気持ちよく踊りまくり、こちらは楽しめました。ただ、マイケルはビリーの親友でありつつも秘めた恋心を抱いてる少年なだけに、もうちょっと色気が欲しかったかも ← やっぱ無理か(笑)。


カーテンコールでは、二人のツーショット写真を撮れる時間がありました。「僕たちの写真をSNSにどんどんアップして下さい!」というありがたいお言葉の通り、ブログにアップしました。でも、ライトで顔が白抜けしちゃってて(スマホのカメラだったし)、う〜ホント残念。しかし、ちょっと前まで「撮影お断り」が当たり前だったのに、随分と時代は変わったものです。


【舞台を見た感想】

すでに映画化されたロンドン版「ビリーエリオット」と、演出、舞台セット、衣装などはほぼ同じでした。それもそのはず、ロンドン公演を成功させたスタッフが日本版を支えていたからです。1年にも及ぶオーディション&稽古、4か月にもわたる長期公演、ホリプロの社運をかけた製作、と言われるだけあってのかなりの力の入れ方と思いました。


大きく違うのは、日本人キャストにおる、全編日本語というところ。当たり前ですが、これはかなり大きな要素でした。ストーリーや台詞に気を取られず、ダンスや歌を集中して楽しめるからです。炭鉱が舞台ということで日本に置き換えたのでしょうが、皆が九州弁で話しているのはちょっと不思議でしたが。。


それから、普段着で現れてもそこは洗練された英国のキャストに比べると、日本人キャストはどこか庶民的でとても親近感を感じる存在(そりゃそうだ)なのも、かなり違いましたね。'80代が舞台のミュージカルってかなり数少ないと思いますが、曲調もダンスも今と違和感のない近さを感じました。


木村ビリー、暑さや疲労もあったのでしょう、小さなミスや危なっかしい場面も少しありましたが、なんとか長丁場を乗り切り、笑顔で終演。途中、放心状態な表情もチラッと見せていましたが、「よくやった!」と褒めてあげたい気持ちです。まだ少年なのに、こんなとてつもないハードな役というのはなかなかないですから。


しかも、ビリーは出ずっぱりでトータルで10分程度しか休憩がない、それに比べて踊りの見せ場はどんだけあるの、ってほど。フラフラにならないほうがおかしい。木村君の持ち味は、イノセンスというか無心。とにかく全力でぶつかって飛んで跳ねて回って、身体全体で踊る喜びを表現してくれてました。


彼にとって一番難しいのは、バレエだったと思いますが、何年も練習したわけではないのに、基礎的な動きはできるようになるんだなあ、と感心。習得した高度なテクニックの裏の涙ぐましい努力を想像して、本当頭が下がる思いでした。初めからすごく完成されている子も素晴らしいですが、少しずつ上達していく姿というのがまたいいですね。


今回の舞台で、とても印象的だったのは、”白鳥の湖”がバックに流れている中で、大人ビリー&子供ビリーのデュエットダンスでした。その後のフライングも、かなりの高さまで吊り上げられていて、そこで体勢をキープしているのがまたすごくて(腹筋すごい!)。


できればすでに成功している『アニー』のように、毎年公演があればいいのですが、これだけの規模と準備、費用がかかるとなると、やはり数年に一度、というのが無難なところでしょうか。客入りも良さそうですし大成功して、近いうちにまた再演して欲しいです。せっかく協賛に入ってるのだから、日本版舞台もWOWOWあたりで放映されるといいなあ。


客席には、舞台上の少年少女と同世代の男の子を連れた親子連れが目立ちました。もしかしたら、キャストのお友達や関係者かもしれませんが、この舞台を見て、ビリーに憧れて、「自分も絶対このミュージカルをやりたい!」と燃え上がってくれる、未来のビリーがいてくれることを願った1日でした。


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この日のキャスト表です。


「ビリー・エリオット」無謀挑戦の懸念一蹴はなぜ 日本の概念破る異例づくし/芸能/デイリースポーツ online


もう廉価版でてるんですよね。


子役として最高難度のミュージカル 「ビリー・エリオット」

2017-07-01 スタジオライフ『THE SMALL POPPIES』観劇記

[] 今回はそれなりに面白かったです。

昨年、いや数年前からスタジオライフの芝居にどうにも盛り上がれない自分を騙せなくなってきておりました。出会った当初は、あれほどまでに血が沸き上がるような喜びや興奮を感じていたのに、あれは今思えば「幻か、蜃気楼か?」と訝しく思うほど、テンションが下がりまくっていて。


過去の話題作の再演は、まあなんとか見られるものが多く、それなりの完成度ではありますが、新作の出来がどうにもよろしくない。駄作と言い切れるほどに徹底的に悪ければ諦めもつくのですが、頑張って演じている役者達の真剣さは充分に分かるし、ライフ流の泣きのポイントもあったりしてそれなりには見られる作品なのが、かえってタチが悪いというか。


前回3月の『エッグスタンド』も、「ああ、久しぶりにマツシン(松本慎也)可愛かったなあ〜」という感想を持ったものの、そこ以外に思い出せないくらい印象が薄くて、とうとう感想をアップせずに終わってしまいました(汗)。本来なら結構”好き系”な話なんですけど、なんか消化不良で終わってしまいました。


最近上演される新作は、こなれてないものが多く、「倉田さん、草稿の段階でそのまま舞台化してないかい?」という半端な出来が多いですし、新人はあっという間に退団していくし、かなりヤバい感満載。今回は、土日の観劇にも拘わらず、ファン層とは完全に異なる一般演劇ファン(シニア層)の招待客が異常に多く、「チケットの売れ行きも厳しいのね」と暗澹たる思いに襲われました。


【オーストラリアのお芝居は新鮮】


そんな昨今でしたので、あまり過剰に期待はしないで見た作品でしたが、テイストは少し『DAISY PULLS IT OFF』を思わせるハートフルなお話でした。舞台は1980年代のオーストラリア、アデレードという街。5歳で「大きな子の学校」(小学校就学前の予備学校のようなものらしいです)に通い始めるクリント・レップ・テオという3人の子供たちのお話。


ベトナム、カンボジア、タイなどアジア系の難民が流入してきて、言葉の通じない彼らに対する差別やカルチャーショックなども織り交ぜつつ、家族の愛情につつまれて決して”明るさ”や”素直さ”は忘れない子供たちの葛藤を描いた作品。5歳児を演じる役者達は、結構年くってますけど(笑)、意外に違和感なしの溌剌ぶりで楽しげに演じてました。


たまに大人役にチェンジしたりするので、そのギャップも楽しめます。無邪気だけどちょっと乱暴なテオ少年から、校長先生に変わる笠原さんはやはり素敵でした。クリントは久しぶりのちゃんがなかなか魅せてくれましたし、宇佐見レップも松本レップも可憐な少女ぶりで堪能できました。


関戸君の安定感バッチリの女教師役は、さすが!の一言でしたし、CAで登場した江口君の麗しさ(演技も含めトータルバランスが素晴らしい)にノックダウンさせられましたし、期待の若手吉成君の少女役(高めの良く通る声!)もモロ好み。仲原君や緒方君なども、いつの間にベテラン女役の仲間入りをしていて感慨深く。


とにかく右を見ても左を見ても、私の大好きな”女役”が沢山、しかもそれぞれに魅力が溢れていて、すごくワクワクしていました。あとはもう一味、グッとくるライフ節があれば、言うことなし、なんですけどねえ〜。まあ、久しぶりに楽しめた芝居でそれだけでも良かったです。


【次々回作は驚きの名作『はみだしっ子』】


現在、次回作の『卒塔婆小町』のチケット売り出し中ですが、私の関心はそれを飛ばして、10月11月上演の『はみだしっ子』に移っています。なにせ、あれだけの名作ですから、かなーり心配で舞台を見るのが楽しみより怖いくらいです。私が子供の頃に、それこそ何度も読み返して大ハマりした作品ですから、原作ファンとしての思いもあります。


本当は、もっと昔からTVドラマや映画にして欲しいと思っていた作品だったのですが、初舞台化がまさかスタジオライフだなんて。かなり複雑です。三原順さんの作品の舞台化は、2001年の『SONS』に引き続き2度目です。本当は、『SONS』より『はみだしっ子』だろうよ!とあの時も思ったですし、その声は少なからずあったようですね。


ただ上演許可が下りなかった?のか、倉田さん曰く「はみだしっ子は、(劇団員の年代に比べて)登場人物の年代が低すぎるので…。」とそこまでの情熱を感じない発言を覚えているので、まさかこんな日がくるとは思いませんでした。それこそ、2001年当時の方が絶対素敵なキャスティングができたはず!と思うと惜しい悔しい、という思いしかありません。


一体あの長編漫画のどこの部分を切り取るのか。やはり雪山事件は外せないでしょう、というのがありますが、グレアム・アンジー・サーニン・マックスの4人のそれぞれの過去も回想シーンで入れてきそうです。特にサディスティックなグレアム父や、女優なアンジーママは楽しみ。


トリプルキャスト(また思い切ったことをしてくれる)なんですが、発表されたキャストの顔ぶれを見るとアンジーが鍵を握る人物となりそうなことは充分感じられます。倉田さんもアンジーが一番好きらしいですし、原作ファンの中でもすごい人気があった少年ですから当然かな。「でも、カツラはどうするの!?あのストレートヘアは!」なんて心配もあり。


それから、いくら原作ファンと言っても、あの伝説の漫画家・三原順さんを知っているのは、40代以上になってくるのかな。動員を期待できるのかは不明です。『トーマの心臓』並みに脚本が練られていれば、口コミ&リピーターで人気が出ると思いますが、昨今の倉田さんのブレブレぶりを見ると不安がよぎります。


それにしても、松本アンジー、千葉君のサーニン、フレッシュ(新人)伊藤マックスあたりが期待かな。伊藤君は、まだお芝居を見てないのですがビジュアルがマックスって感じでした。逆に他の主要な役者については、演技は想像つくのですが、その予想を超えたミラクルを願っております。劇団としてもこの作品で”起死回生”を狙ってると思われますが…果たして。


はみだしっ子 1 (白泉社文庫)

はみだしっ子 1 (白泉社文庫)

現在は、こんな地味な装丁になってしまったのですね(涙)。それこそ名作中の名作。埋もれて欲しくない素晴らしい作品です。ライファーなら絶対読んで欲しいですね。


君達をずっと愛しているよ〜「はみだしっ子の少年達