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BOY’S VOICE 〜永遠の少年たち〜

2017-07-01 スタジオライフ『THE SMALL POPPIES』観劇記

[] 今回はそれなりに面白かったです。

昨年、いや数年前からスタジオライフの芝居にどうにも盛り上がれない自分を騙せなくなってきておりました。出会った当初は、あれほどまでに血が沸き上がるような喜びや興奮を感じていたのに、あれは今思えば「幻か、蜃気楼か?」と訝しく思うほど、テンションが下がりまくっていて。


過去の話題作の再演は、まあなんとか見られるものが多く、それなりの完成度ではありますが、新作の出来がどうにもよろしくない。駄作と言い切れるほどに徹底的に悪ければ諦めもつくのですが、頑張って演じている役者達の真剣さは充分に分かるし、ライフ流の泣きのポイントもあったりしてそれなりには見られる作品なのが、かえってタチが悪いというか。


前回3月の『エッグスタンド』も、「ああ、久しぶりにマツシン(松本慎也)可愛かったなあ〜」という感想を持ったものの、そこ以外に思い出せないくらい印象が薄くて、とうとう感想をアップせずに終わってしまいました(汗)。本来なら結構”好き系”な話なんですけど、なんか消化不良で終わってしまいました。


最近上演される新作は、こなれてないものが多く、「倉田さん、草稿の段階でそのまま舞台化してないかい?」という半端な出来が多いですし、新人はあっという間に退団していくし、かなりヤバい感満載。今回は、土日の観劇にも拘わらず、ファン層とは完全に異なる一般演劇ファン(シニア層)の招待客が異常に多く、「チケットの売れ行きも厳しいのね」と暗澹たる思いに襲われました。


【オーストラリアのお芝居は新鮮】


そんな昨今でしたので、あまり過剰に期待はしないで見た作品でしたが、テイストは少し『DAISY PULLS IT OFF』を思わせるハートフルなお話でした。舞台は1980年代のオーストラリア、アデレードという街。5歳で「大きな子の学校」(小学校就学前の予備学校のようなものらしいです)に通い始めるクリント・レップ・テオという3人の子供たちのお話。


ベトナム、カンボジア、タイなどアジア系の難民が流入してきて、言葉の通じない彼らに対する差別やカルチャーショックなども織り交ぜつつ、家族の愛情につつまれて決して”明るさ”や”素直さ”は忘れない子供たちの葛藤を描いた作品。5歳児を演じる役者達は、結構年くってますけど(笑)、意外に違和感なしの溌剌ぶりで楽しげに演じてました。


たまに大人役にチェンジしたりするので、そのギャップも楽しめます。無邪気だけどちょっと乱暴なテオ少年から、校長先生に変わる笠原さんはやはり素敵でした。クリントは久しぶりのちゃんがなかなか魅せてくれましたし、宇佐見レップも松本レップも可憐な少女ぶりで堪能できました。


関戸君の安定感バッチリの女教師役は、さすが!の一言でしたし、CAで登場した江口君の麗しさ(演技も含めトータルバランスが素晴らしい)にノックダウンさせられましたし、期待の若手吉成君の少女役(高めの良く通る声!)もモロ好み。仲原君や緒方君なども、いつの間にベテラン女役の仲間入りをしていて感慨深く。


とにかく右を見ても左を見ても、私の大好きな”女役”が沢山、しかもそれぞれに魅力が溢れていて、すごくワクワクしていました。あとはもう一味、グッとくるライフ節があれば、言うことなし、なんですけどねえ〜。まあ、久しぶりに楽しめた芝居でそれだけでも良かったです。


【次々回作は驚きの名作『はみだしっ子』】


現在、次回作の『卒塔婆小町』のチケット売り出し中ですが、私の関心はそれを飛ばして、10月11月上演の『はみだしっ子』に移っています。なにせ、あれだけの名作ですから、かなーり心配で舞台を見るのが楽しみより怖いくらいです。私が子供の頃に、それこそ何度も読み返して大ハマりした作品ですから、原作ファンとしての思いもあります。


本当は、もっと昔からTVドラマや映画にして欲しいと思っていた作品だったのですが、初舞台化がまさかスタジオライフだなんて。かなり複雑です。三原順さんの作品の舞台化は、2001年の『SONS』に引き続き2度目です。本当は、『SONS』より『はみだしっ子』だろうよ!とあの時も思ったですし、その声は少なからずあったようですね。


ただ上演許可が下りなかった?のか、倉田さん曰く「はみだしっ子は、(劇団員の年代に比べて)登場人物の年代が低すぎるので…。」とそこまでの情熱を感じない発言を覚えているので、まさかこんな日がくるとは思いませんでした。それこそ、2001年当時の方が絶対素敵なキャスティングができたはず!と思うと惜しい悔しい、という思いしかありません。


一体あの長編漫画のどこの部分を切り取るのか。やはり雪山事件は外せないでしょう、というのがありますが、グレアム・アンジー・サーニン・マックスの4人のそれぞれの過去も回想シーンで入れてきそうです。特にサディスティックなグレアム父や、女優なアンジーママは楽しみ。


トリプルキャスト(また思い切ったことをしてくれる)なんですが、発表されたキャストの顔ぶれを見るとアンジーが鍵を握る人物となりそうなことは充分感じられます。倉田さんもアンジーが一番好きらしいですし、原作ファンの中でもすごい人気があった少年ですから当然かな。「でも、カツラはどうするの!?あのストレートヘアは!」なんて心配もあり。


それから、いくら原作ファンと言っても、あの伝説の漫画家・三原順さんを知っているのは、40代以上になってくるのかな。動員を期待できるのかは不明です。『トーマの心臓』並みに脚本が練られていれば、口コミ&リピーターで人気が出ると思いますが、昨今の倉田さんのブレブレぶりを見ると不安がよぎります。


それにしても、松本アンジー、千葉君のサーニン、フレッシュ(新人)伊藤マックスあたりが期待かな。伊藤君は、まだお芝居を見てないのですがビジュアルがマックスって感じでした。逆に他の主要な役者については、演技は想像つくのですが、その予想を超えたミラクルを願っております。劇団としてもこの作品で”起死回生”を狙ってると思われますが…果たして。


はみだしっ子 1 (白泉社文庫)

はみだしっ子 1 (白泉社文庫)

現在は、こんな地味な装丁になってしまったのですね(涙)。それこそ名作中の名作。埋もれて欲しくない素晴らしい作品です。ライファーなら絶対読んで欲しいですね。


君達をずっと愛しているよ〜「はみだしっ子の少年達

2017-06-28 青春系BL映画「ひだまりが聴こえる」

sugiee2017-06-28

[][] 設定は重いけど、爽やかな青春映画

初夏の東京遠征で、お目当ての観劇よりも楽しみにしていたのは、BL映画鑑賞でした(笑)。それも『ひだりまりが聴こえる』&『ダブルミンツ』という対照的な2本!この時期に、池袋の映画館で、同時に見られてとても満足です。何せそこそこの都市でありながらも地元で、この手(BL系)の作品はなかなか上映されないので。


『ひだまり〜』のほうは、漫画原作が実写化される、という報をだいぶ前に知って、珍しく原作を読んでから見た作品です。お涙頂戴モノの難病系映画は、基本的にはパスなのですが、この作品の主人公であるイケメン大学生、杉原航平(多和田秀弥)は、突発性難聴で耳が不自由であるものの、命には別条がない設定。


相手の話す言葉がよく聞き取れないことから、自然と心を閉ざしていた航平に、ひょんなきっかけで屈託なく話かけるようになる根明な苦学生、佐川太一(小野寺晃良)。この対比がなかなか面白い。漫画では、難聴についてちょっと理解しづらい部分もあったのですが、映画だと航平の耳に聞こえる「音」の描写がしっかり分かるので、彼の”生きづらさ”が伝わってきました。


他人の話す声が聞き取りづらい中で、太一のよく通る声だけは聴こえる、というところがBL的萌えポイント。そして聴力の低下で、その声が聴こえなくなるかもしれない恐怖、というのも、かなり切ない想い。背景は自然なキャンパスライフの一コマですが、なかなかうまい見せ方をしてくれています。


原作者の文乃ゆきさんも苦労しながらBL漫画に仕上げた、というようなエピソードを披露しているくらい、ごく普通の青春友情物語なので、BL苦手の一般人にも全然大丈夫、と思える作品だと思います。BL映画初心者にもおススメ!主演の2人も「友情物語」をアピールしてましたしね。


【演技力はまだまだだけど、キラキラの原石を楽しむ】


ストーリーも平易でとても見やすいですし、登場人物も少ない低予算作のいかにもなBL映画です。あまり一般的に知名度がないような若手イケメン役者を使っているところも超オーソドックス。その中でも出色なのは、太一を演じた晃良君のキラキラな表情ですね。スターダストプロモーション期待の新人、という感じの彼ですが、もう予告を見た時から、その可愛らしさにハートを掴まれておりました。


まだ17歳という瑞々しさ、で台詞回しも演技もまだまだ危なげあり、ですがその背伸びして大学生を演じているところも可愛いいし、航平になかなか想いが届かなくて空回りしているところ(?)も健気でピュアさが溢れていて、なんか晃良君見ているだけでウキウキでした。可愛い顔に似合わず、野太い声というアンバランスさも思春期真っ盛りの少年性を感じましたし。


顔立ちは完全アイドル系ですけど、あまり”変な垢”や癖がついてないところがJ系とは大違いで好感持てました。これから見ようとしている映画にも出演しているそうですが、果たして「ひだまり〜」のような犬っころのような人懐こさは残してくれているだろうかしら。


対する多和田君のほうですが、私はちょっと・・・うーん・・・あまり。航平みたいに掴みどころがない役は、なかなか難しかったと思いますが、驚いた表情がワンパターンすぎなんだなあ〜。ただし、本当はもっと友達を求めているのに、耳の障害のために諦めてしまう、航平の不器用さは、彼の持ち味とマッチしていたと思います。実際の彼はどんな演技をする人か分からないので、別な作品で見たら印象が違うかもしれませんが。


”爽やかBL系”で経験の浅い、若手イケメン俳優を使う限界なんでしょうね。鮮度をとったのかもしれませんが、せめてもうちょっと演技ができる2人が主役だったら、また違った面白さが出せたんだろうな、とも思ったりします。(反面、上手すぎてもまたちょっと映画の雰囲気が違ってしまうかもしれませんが。)


そして太一の友人役で、三津谷亮君が出ていて、タクミくんシリーズ以来、久々に見たら大人になっていてビックリ。あまりにも、タクミくん時代の、棒演技(失礼)の印象が強かったので、「おお、三津谷君、成長したなあ〜。お兄ちゃんになってるわ。」と感心しきりで。当時は、演技はお粗末だったけど(何度もすいません)、超美少年だったのも脳裏に焼き付いていたので、今の姿がちょっと切なかったりもします。


晃良君もキラキラの一瞬は、そう長くはないと思うので、DVD出たらまた貴重なライブラリーにします。今、少女漫画の実写化はブームのようですが、そこから思い切りそれてBL映画に、過ぎ去りし青春(笑)や純愛を見出してしまっている自分がおります。そして、それを後ろめたいと思わず、「良かった、日本人に生まれて」なんて楽しんでいる今日この頃でした。


余談:たまたま公開初日に映画館に行ったのですが、移動時間の関係で舞台挨拶の回は見れず、やはり少し残念でした。


ひだまりが聴こえる (Canna Comics)

ひだまりが聴こえる (Canna Comics)

原作漫画も何度も読みたくなるタイプの優しい物語です。


もはや恒例のメイキングDVDですね。

ハードボイルドBLの誕生「ダブルミンツ」