無縁社会

無縁社会

無縁社会

 地元の田舎では、正社員として就職できる場所がない。はたまた配偶者の転勤で首都圏に引っ越しせざるを得なかったり。大学進学と同時に、知らない土地で暮らすことになったり。できることなら、墓のある地元でずっと生活し、自分の街に貢献したいのだが、様々な理由があって、そうはいかない人って多いと思う。地元で就職なんて、夢のまた夢で、故郷に帰りたくても帰れない状況って誰にでもある。こういう社会なのだから。だから、この本に書かれていることは仕方がないことのようにも思える。どういう場所で死ぬかっていうことよりも、後戻りできない道を、誰とどう生きるかということを大切にして、最期はもう割り切るしかないのかな。
 ただ、「他人に興味を持たない社会」というのは怖いくらいに寂しいこと。私も、知らんぷりをするのが得意なので、困っている人がいたら手を差し伸べたり、声をかけるべきなんだよな、と反省。世の中に興味がないというのは、空っぽに生きていることかもしれない。