あらすじ
まみかの一方的な襲撃により窮地に陥ったセレジアだったが、新たなキャラクター・弥勒寺優夜の介入より事なきを得る。優夜はまみかも「軍服の姫君」と繋がっている事を指摘しつつも、自分自身は自由にやると言い残し、去っていく。
ようやく落ち着いた颯太達は、メテオラの「実験」に付き合うことに。それは、「原作者」がどれだけ創作したキャラクターや世界を「改変」出来るか、というものだった。早速、松原がセレジアの新たな必殺技を考えてみるが、一向にセレジアには反映されない。情報量が足りないのでは、というメテオラの推測を裏付けるために、松原は「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」のイラスト担当・まりねを呼び出し、実験に付き合ってもらうことにするが――。
感想
優夜が思いの外、話のわかるキャラクターだったが、「原作」ではきっとツンデレ悪役なのだと邪推。
原作者である松原達を持ってしてもセレジアに新たな能力を付与出来なかった件については、この手の「創作世界が現実化」するジャンルでの鉄板とも言える設定。「共通幻想」と言い換えてもいいが、幻想が現実の中で強度を保つには、人々がその事柄についてどれだけ共通の認識を持っているか、が重要になるという設定は実に馴染みが良い。
有名な例で言えば、「Fate」シリーズにおける「英霊の知名度による能力補正」だろうか? 有名な英霊ほど能力の確度=強さが変わるし、逆に弱点が有名であればそちらの確度も上がってしまうという諸刃の剣。
オタクである颯太を主人公として確立するにしても、この設定は大いに役立ちそうだ。
しかし問題は、まみかのような「人の話を聞かない上に、作風からして明確な弱点がないであろう場合」。創造主と言えども、既に世にある共通幻想を打ち砕くのは容易ではないはずだが、まみかのように他人の話に耳を傾けないキャラクターが今後増えていくと、「原作者」を安易に殺害してしまう輩も出てくるのではないか……? などと心配になってくる。
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