Living, Loving, Thinking

2018-06-11

「良い家庭」へのプレッシャー

承前*1

東京都目黒区で5歳の女の子が親の虐待で死亡した事件を巡って。

金城珠代*2「結愛ちゃん虐待死「ひどい親」と批判しても事件は減らない 「評価」に追い詰められる親たち」https://dot.asahi.com/dot/2018060800027.html


杉山春さんへのインタヴューを中心に。

一方、杉山さんが違和感を持つのは結愛ちゃん本人が覚えたての平仮名で書いた“反省文”を警視庁が唐突に公表したことやその報道の仕方だったという。

「なぜ、このタイミングの公表だったんでしょうか。子どものいたいけない言葉は、人の心を掴みます。しかし、それは同時に、親を責める声にすぐに変わっていく。うまく子育てができない親を責める社会の声を私は感じてしまいます。親が横にいて書かせたのか、どんな状況で書かれたものかわらかないけれど、過剰に良い家庭でなければならない、良い子に育てなければいけないと親も追い詰められていたことが見て取れます。今、子育てに苦しむ家族はこうした情報の出方に苦しめられるのではないかとの不安も感じました。この反省文を公表する場合、そこで起きる虐待の仕組みへの理解を促す報道も同時に行われて欲しいと感じます」

杉山さんのこれまでの取材では、「どうしようもない親」「不真面目」という社会的なレッテルに反して、虐待する親は「外から評価されたい」「頑張らなければ社会に受け入れられない」と考えている生真面目で弱みを見せられない孤独な人が多いという。

2014年厚木市で白骨化した子どもの遺体が見つかった事件では、シングルファザーとして子育てをしていた父は会社でAランクの評価を受けていました。10年7月に大阪市西区で3歳と1歳の姉弟が亡くなった事件でも、母親は専業主婦時代に母乳子育てようとしていたし、使い捨ての紙おむつではなく布おむつを使っていました。離婚などで『良い母』ができなくなったとき、追い詰められどんどん社会から隠れていきました。ネグレクトを含む虐待事件では食事が制限されるケースが多く、その背景に、自分の立場を守るために子どもを強くコントロールしたいという感情がある場合があります。雄大容疑者にとっては二度の書類送検で『お前はダメだ』と繰り返し突きつけられた感覚だったのでしょう」

 実際に、雄大容疑者が昨年12月まで勤めていた食品会社の関係者は「明るいキャラクターで、辞めると言ったときも引きとめた」と証言しているという。

「反省文」を読んで、この親は真面目な性格で(変な方向に)頑張りすぎた人なんだなと思った。

「ひどい夫婦だと扇情的に騒ぎ立てることで、こういった人間の弱さを自分たちの問題として向き合い、どう解決していくかということから目をそらしている。それだけではなく、いままさに子育てがうまくいっていない親たちは罰せられることを恐れてさらに現状を隠そうとするでしょう。子どもを守るには、親が安心して子育てをする環境が不可欠です。親を優しく受け止めて、必要な時には、安心してSOSが出せるような、社会の目の中で子どもを育てていくことを考えていくべきです」(杉山さん)

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