スターウォーズ エピソード8 最後のジェダイ(感想)

1週間たったらもうネタバレしてもいいかな・・・。
以下、ネタバレ全開ゆえ、見てない人は注意。



ざっとしたあらすじ。そのあと感想。
1回しか見てないので順番は正確ではない。



前作の最後でとうとうルークに会ったレイ、ライトセーバーを渡し期待を込めて見つめるもルークはポイ。
誰だお前は、とっとと帰れ、みたいな感じで全く取り合ってくれない。

レジスタンスは帝国のデストロイヤーに執拗に追跡され、旗艦一隻に全員が乗り込める程度に追い詰められていた。
フィンはこっそり逃げ出そうとするが、アジア人の新キャラ、ローズに取り押さえられる。

カイロ・レンの戦闘機が、母レイアの乗る旗艦に致命的な攻撃を加えようとするが、直前に別の機の砲撃でレイアは宇宙空間に投げ出されてしまう。
しかしレイアに流れるスカイウォーカーの血からか、奇跡的なフォースの業でレイアは一命をとりとめる。

ハイパースペース航法を使ってもなおも追跡をやめないデストロイヤーには、レジスタンス旗艦の位置を知るための装置が備わっており、それを破壊すれば危機を脱せられるのではないかと、フィン、ローズ、ポーは話し合い、帝国軍の暗号を解読できるマスターコードブレイカーを探しにフィンとローズ、BB8が旅立つ。
カジノの町、カント・バイトでコードブレイカーを見つけるも、接触する前に逮捕されてしまう。
留置所にて、風変りだが腕利きのコードブレイカー、DJに出会い、彼を連れて戻ろうとするが、DJの裏切りに会い、帝国につかまる。

レイ、チューイー、R2D2の説得に折れて、ルークはレイにフォースの指導を行う。
島の地下にあるダークサイドの洞穴で、レイは自分の中にある両親への渇望と向き合う。
研ぎ澄まされたフォースの知覚は、なぜか遠くのカイロ・レンにつながり、対話を重ねるうち、レンがルークの元を離れる原因となった事件の真相を知ることになる。
レンの中にまだダークサイドに落ち切っていない部分があると確信したレイは、単身で帝国軍に潜入する決意をする。

レイアの意識が戻らないため、代理でレジスタンスを指揮するホルド副提督は旗艦を捨て、輸送船で脱出する準備を始める。
ポーはフィンとローズの成功を信じ、ホルドを説得するが聞き入れられず、業を煮やして反乱を起こすが、目を覚ましたレイアに制止される。
すでに代わりの基地として惑星クレイトに目をつけており、帝国に気づかれないように輸送船で脱出するのがレジスタンスの作戦だった。

帝国軍の船に侵入したレイは、レンに会い、最高指導者スノークのもとに連行される。
レイは強い意志を持って切りかかるが、スノークの強いフォースにねじふせられる。
レジスタンスの意図を察した帝国軍は輸送船への砲撃をはじめ、レジスタンスの命運は風前の灯火。
だがカイロ・レンが突然裏切りスノークを殺害。最高指導者としてレジスタンスのせん滅を命じる。
旗艦に残ったホルドの決死のハイパースペース特攻で帝国の艦は混乱し、わずかのレジスタンスが脱出に成功する。

クレイトの鉱山に逃げ込んだレジスタンスは十数名になっていた。
帝国軍はデススターのミニチュアの大砲とウォーカーの一軍を展開、レジスタンスはオンボロのスピーダーで対抗するも、効果は薄く、大砲のチャージが完了すればレジスタンスは全滅するしかなかった。
そこへルークが登場、レイアと再会する。
自分にまかせるようにと一人で帝国軍に立ち向かうルーク。ウォーカーが一斉砲撃を行うも、ルークには一切通じないようだ。
ルークの挑発に激昂したカイロ・レンは地上に降り立ち、ライトセーバーによる一騎打ちに臨む。
カイロ・レンのセイバーがルークを貫く。しかしルークの体は霊体だった。

ルークが帝国軍と対峙する間、レジスタンスの残党は別の脱出口を探すが、大きな岩がふさいでいた。
ビーコンでレイアたちの位置を把握したレイが外からフォースで岩を除去し、ミレニアムファルコンで脱出することに成功する。
はるか遠くの星から霊体をあやつりレジスタンスを救ったルークは力を使い果たし、かつての師たちと同様にそっと消え去る。

ローズからレジスタンスのバッジをもらったカント・バイトの少年は、冒険に思いを馳せる。



こうしてストーリーを書き下すと、結構小さくまとまった話だ。
大きな話としては、カイロ・レンがクーデターを起こしたこと。そしてレジスタンスの最大の危機をルークが救い伝説になったことだ。
7から登場した若者たちは、みんな精力的に行動するのだが、結果的に空回りしている。
8はおそらくそういう映画なのだ。7が起承転結の「起」だとすれば、8は「承」。新しい登場人物たちが失敗しながら成長し、過去の大人たちの精神を継承していく話なのだろ
観客は3部作の枠組みにとらわれすぎていたのかもしれない。旧三部作の真ん中にあたる帝国の逆襲が、あまりにもみごとに「転」であったため、今回の8も何か大きな「転」があり、エピソード9で「結」するものと思いこんでいた。しかしどうやら違うようだ。レイ、フィン、ポー、ローズやレンの物語はきっとこれから始まるのだ。

そして何よりも、エピソード8はルークの映画だった。
レンの裏切りのあと、ルークは孤島に引きこもり、ただ肉体が滅ぶのを待つだけの老人になっていた。
単純に裏切られたわけではない。弟子の心の闇に恐れをなして刃を向け、弟子にぬぐえぬ不信感を与えたのは自分自身なのだ。しかも愛する妹と親友の息子だ。すっかり自信を無くしてすべてがどうでもよくなってしまったのだろう。
しかし、チューバッカやR2D2との再会で表情を取り戻していく。何もわからないレイを導き、遠くのレイアたちの危機を知り、ついに弟子に立ち向かう決心をする。
といっても、霊体なんですが…。
旧三部作の頃が20代のころとして、30年たって50代なら、まだチャンバラできなくもないような気がする。
まあ、しかし、ルークの狙いは最初から時間稼ぎにあったのだ。単純にライトセーバーで戦えば、若いレンが当然勝って増長するだけだ。
それよりは、精神的な余裕で圧倒し、口頭で弟子の間違いを指摘しながら、その一方で、この先レンに立ち向かい、そしてレンの心を救うかもしれない若者たちを生き延びさせる。老練なる「最後のジェダイ」の一世一代の大勝負。かっこよかった。

その他では、なんというか、徹底的に観客の意表をつこうという意思を感じた。
やりすぎな感じもしたけど、小気味よいテンポでクルっと返されるので、退屈はしなかった。

映画の最初の方、爆撃機の弾薬のところを見てて、正直あまり期待できないな、と思ったんだ。アジア人が出て、黒人白人が出て、帝国軍も人間型ばっかり。これじゃスター・ウォーズじゃなくてアース・ウォーズじゃん。その点ルーカスの情熱はすごいよな、とか思った。

そしたらルークがセイバーをポイッ。ちょっと面白かった。7のラストはなんだったんだよ、イメージビデオか?
エピソード7の時点ですでに撮影してあったシーンなら、JJエイブラムズ恐るべしだ。

んで、カイロ・レンがレイアを撃つのかな?いや、撃てない。レンの中に若干のライトサイドを残したまま進むのかな、ああ、レイア死んじゃったなー。
と思ってたら、ええええええええええええええええ、生きんの? ないわー。その予想外はいらんわー。
このレイア生還があまりにも衝撃的で、以後は映像の世界に飲みこまれてしまった。

カジノの星、いいね。結果的にストーリー上の意味はなかったけど。
スター・ウォーズのこういう見たことない場所に突然放り込んでくれるのが大好きだ。タトゥイーンの荒野、荒くれものの集まる酒場、帝国戦艦、氷のホス、ジャバのアジト、緑のエンドア、ポッドレース、ナブーの宮殿、ムスタファ―の火山、あとローグワンの海岸の戦闘、どれも印象深い。
BB8が貯金箱になっていると思ったら、銭形平次ばりの銭投げマッシーンだった。中どうなってんの??

レイの両親が本当に誰でもなかったとは。
これはあれだな。自分の本当の父親は宇宙帝国の暗黒卿なんじゃないか、自分の母親がお姫様なんじゃないか、と夢想するキッズたち(と、元キッズたち)に、現実にそんなことはほとんど起こらないんだよ、と言いたいのかな。
エピソード8は全体的にそういうシニカルな感じがする。
とはいいつつも、エピソード9で何か飛び出すかもしれない。
そういえば、スノーク、あんたは一体何だったんだ???
実は、レンの裏切りを予期してあらかじめ用意しておいた影武者だったとか?

9はどうなるだろうか。
ここからレジスタンスがカイロ・レンを倒して勝利、という展開はない気がする。逆にレジスタンスが全滅させられることもないだろう。あるとすれば和解エンドだろうか。
個人的にはせっかく新しいキャラクターが動き出したのだから、9で無理に完結させず、世界を広げながら10以降につなげるのではないかと思う。
そうして11、12、と続いていき、53あたりでキャラが反乱を起こす、・・・それはまた別の話だ。

最後の少年が今後物語にかかわってくるかはわからないな。少なくともエピソード9には関わらないんではなかろうか。
タトゥイーンで農場の手伝いをしながら冒険を夢見ていた少年は死んでしまったが、宇宙にはいつもどこにもそんな子供たちがいる、そのくらいの意味だと思ってる。
え? フォース使ってた? 気づかなかったなぁ。 ちょっとミディクロリアン測らせてよ。