Orlando in USA

 いやーびっくりしたー。
 さっき、BSでアカデミー賞の授賞式を見てたんだけど、大体の受賞者は知ってて(ケイトが両方逃したのと、やっぱしジョニデはアカデミーに嫌われててんのかなと)、けど、知らなかったのが…
 ティルダ・スウィントン助演女優賞獲ってたのね…   
http://event.movies.yahoo.co.jp/academy_awards/2008/awards/06.php
 うーん。10年以上前から好きな女優さんなんだわ。
 イギリスの方で、故デレク・ジャーマン監督のミューズ。私が初めて知ったのは、「オルランド」で。映画館で2回見て、DVDも待ちかねて買ったし、主題歌も大好き。脚本がうまくてティルダが良くて音楽がよくて衣装がよくて、もう全部好き。(「映画の中のエリザベス1世マニア」としては、この映画ではクエンティン・クリスプが演じているというのもポイント高い。)
 オルランド 特別版
オルランド 特別版
 好きですね。私が今まで見た映画の中で、例の三部作に次ぐぐらいの映画かもしれない。
 映画を見た後、ヴァージニア・ウルフの原作『オーランドー』も読んだんだけど、映画もよくできてたなーとあらためて思いました。勿論原作も面白い。
 映画「オルランド」は、ティルダがいたからこそ映画化できた、と言われる作品。
 (監督のサリー・ポッターは、その後「タンゴ・レッスン」「耳に残るは君の歌声」でメジャー化した、と言っていいのかな)
 最近では、若い人は、「ナルニア」第1部「ライオンと魔女」の白い魔女で辛うじて知っているぐらいでしょうが、これも、この役に彼女を得たからこそ作れた映画、と言われます。
 つまり、いつも「彼女がいたからこそ」と言われる作品を得て、着実にやってきた人です。
 「オルランド」での彼女は素晴らしかった。女性としてすごく憧れますね。
 このまま、イギリス人らしく、イギリスのいい役をやっていく人だと思っていたし、「ザ・ビーチ」が初ハリウッド作品だけど大きな役じゃなかったし、主演格と言っていい「ライオンと魔女」でも、まだ、迂闊にも「ハリウッド進出」とは感じなかった。それがまさか、いつの間にかすっかり「ハリウッド女優」になっており、そして今回、初ノミネートにして受賞とは…
 皆さん知らなかったでしょ!!と自慢したい気分は正直あります。ハリウッド人種に加わるのは遅かった人です。
 ただ、むしろ、心配でもありがっかりでもあり。
 何か、「ハリウッド女優」というのは本当に一括りな言い方で、それだけ、「ハリウッド映画」の型にはまっただけの女優になってしまう可能性も出てきてしまうわけです。彼女自身がなるんじゃなくて、「ハリウッド」という機構が、おんなじような役しか与えなかったり、色々葛藤は出てくるのではないかと。個人的に、所謂「ハリウッド映画」が好きじゃないこともあるし、このすっかりなメジャー化っていうのは、嬉しさ半分戸惑い半分といったところ。それに、私だけのイメージかもしれませんが、やっぱ「ハリウッド俳優」って、何となく軽い感じがするし…
 ともあれ…おめでとう。
 これからも、くれぐれも作品は選んで下さい。
 オーランドー (ちくま文庫)
オーランドー (ちくま文庫)
 (あと、今年のアカデミーといえば、マリオン・コティヤールもこれでハリウッド女優っすか…あのトンデモ将軍の娘が(笑)←「TAXi」)