日本人なら温泉

何の根拠もないですが、日本人としてのアイデンティティとは無関係に、温泉好きです。
私は泉質で温泉を選ぶタイプです。
どんなに東屋だろうが、川原露天だろうが、そこに名泉あるかぎり、恥も外聞も捨てて、温泉に入りに行きます。
なんせ、岡山は湯原温泉の砂湯を真昼に経験した私に怖いものはありません。
というのはさておき、
本日のご紹介は島根県温泉津町にある、温泉津温泉です。
私の中では、この温泉は全国の温泉の中でも5本の指(今のところ、東北の名泉に行っていないので)に入ります。
最終的にも十指には入るでしょう(両手までで足りると思います)。
ただ、お気に入りは温泉津温泉の中でも、薬師の湯です。それも公衆浴場の薬師湯で入らなければなりません。
したがって、どんなに時間があっても、湯治の湯(こっちの浴槽熱すぎる)ではなく薬師の湯だけ入ってきます。

温泉津温泉街(「ゆのつおんせんがい」と読みます)の町並みです。
時間を進めるのを忘れてしまったかのような町です。

温泉街の真ん中に、薬師の湯の浴場があります。

正面はこんな感じ

お隣にレトロな学校のような建物があります。
こちらが昔の公衆浴場で「震湯」と言います。今は廃墟というか、温泉津の歴史を展示している場所のようですが、こんな建物の中の浴場もいいなーと思います。

2月10日の午後9時に、京都を出ました。この季節は、車中泊が命がけになるので(凍死したら馬鹿じゃん)、仮眠をとってから、京都を出ることにしました。
3日間で2000kmの大移動の始まりです。
まずは、都合良く温泉津の隣の隣の町にいらっしゃる「島根の弁護士」と久方ぶりのお昼のお食事兼情報交換に。
なので、前日午後9時に京都を出て、休憩を取りながら、温泉津の公衆浴場を目指します。古い温泉街の公衆浴場の朝は早いのです。午後5時半くらいから営業していたはずです。着いたのは7時ちょっと前ですが。
この道中も命がけでした。中国自動車道に入ったあたりから、雪が強く降りだし、岡山の山の中では、路面が白くなっていました。
こちらも半分寝ぼけているような運転でしたが、それでもきちんと走行車線を走っていたのに、追い越し車線を走っていた20トントラックが、バックミラーをかすめるように追い越していきました。
追い越し車線から走行車線にセンターオーバーして走ってました。
危うく、ハンドルを急に切るところでした(そんなことしたら、既にスリップしやすい路面になっているのに)。
しばらく動悸が収まりませんでした。
そんな命がけの走行、広島の千代田JCTの手前にある七塚山のSAであまりにも眠気に襲われたので、自動車の後部座席を倒し、トランクルームに寝ました(エンジン掛けて、エアコンつけるのは苦手なので、そのままです)。
ダウンジャケットを着ていたことと、一応国産車でも高級な方の車(といってもアコードワゴンですが)なので、気密性が高かったことが幸いし、起きたら凍死していた、という事態だけは免れることができました。
ここまで自分を追い詰めた後、日本屈指の温泉につかる快感と言ったらそりゃあもう、至福の瞬間ですよ。
この瞬間を味わいたいために、命がけでたどり着いたのです。

道中の体験はともかく、温泉はどなたにも自信をもってお薦めです。