僕にはリズム感がないから、スキル的な意味で音楽ゲームを「極めたい」みたいな欲求は最初っからないし、音楽の好みもサブカル寄り過ぎるので、版権楽曲を程よく詰め込んだ音楽ゲームの楽曲リストを見たって胸がときめいたことなんかない。人の好みは千差万別だからです。でもこの「バンドブラザーズDX」はプリセット楽曲はほどほどに、Wi-Fiで任天堂やユーザーが投稿した楽曲を100曲まで選んで追加できる。つまり手元には自分の好みだけを貫いた世界で一枚だけのDSカードが残ると言うわけ。中古なんか買えないし、そもそも売りたくもない。それがオリジナル曲なら別にどうでもないんだけど、JASRAC管理楽曲限定という条件付だから、最新ヒット曲はもちろん、ちょっとマイナーな邦楽やゲーム/アニメ音楽なんかが毎日20曲ぐらい増えていく。Wi-Fiで試聴も出来るから納得がいくまで聞いてからダウンロードできる。同じ仕組みを使ってラジオの音楽番組風にランキングを紹介してくれるモードもある。決まったセリフだけどちゃんとDJボイス付き。同じタイトルの楽曲も作った人によってずいぶん解釈が違うなーってしみじみしたりする。任天堂がJASRACにお金を払うための1カセット「100曲限定」という仕様が、ダウンロードを慎重にさせる効果があって、いかに自己満足度の高い100曲でメモリを埋めるかが、一番面白いゲームになっちゃってる感じもするんだった。すでに900曲近くアップされているんだけど、僕が満足して落としたのはまだ3曲のみです。誰かにいつか評価されるわけでもないのに、世界で一番美しいマイカセットを作りたい。僕にとってはそういうゲーム。
